| 一般ユーザーがここまで理論的に問題発生の原因を追求したことは称賛に値する |
このほかにもエンジンの製造に起因する問題も報告されており、早急な対策が望まれる
さて、ここ最近何度か報じられているGR86の「エンジン破損問題」。
これはエンジンに使用されるシーリング材(RTVシリコン)が剥離してオイルラインに混入し、オイルの循環を妨げることによってエンジンが焼き付いてしまうと言われています。
ネット上だとこの問題が数件報じられ、NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration=米国運輸省安全局)には同様の問題が11件報告されていることから「特別な例ではない」とうことが推測でき、スポーツ走行を行えば誰にでも起こりうる問題なのかもしれません。
-
「GR86のオーナーがスポーツ走行→エンジン破損→トヨタが保証修理を拒否」した2度めの案件。ネットで話題になった後、前回と同じく「やっぱり保証の範囲内」と態度を急変させる
| 実際のところ、同じ原因(シール材のオイルライン混入)と思われる例は11件が報告されている | トヨタがより高みを目指すには、「ディーラーの指導教育」が急務かもしれない さて、先日報じられた「GR8 ...
続きを見る
そして今回、GR86とスバルBRZに別の問題が発生する
そこで今回Youtube上に投稿されたのがスバルBRZ、そして同じエンジンを積むGR86の”新たなる問題”で、この動画を投稿したブライアンなる人物は自身で2022年式スバルBRZを所有しており、この問題の原因を究明すべくGR86含む4台と4名のドライバーにてちょっとした実験を行うことに。
その実験の内容とは、新たに取り付けた2つの油圧センサー、そしてカスタムソフトウェアを使用してサーキット走行時のデータを収集するというものですが、使用される車両は基本的にノーマルで、しかしそのうち1台のみはフロントアライメントをわずかに変更し、ジャクソンレーシング製オイルクーラーを装備している、とのこと(エンジンそのものはノーマル)。
なお、オイルフィルターは純正、そして使用するオイルはモチュール8100 5W30。
動画では実際にサーキットを走行する様子が記録されていますが、「高速右コーナーでエンジンの油圧が大幅に低下する」ことが判明し、直線や左コーナーでは油圧がが60psi前後で推移していたのに対し、右コーナーでは30psiを下回る数値が記録され、ある時点では油圧が20psiまで低下しています。
現在のところわかっているのは右の高速カーブでのみ油圧が大幅に低下する」ということで、この動画を作ったブライアン氏、そして実験に参加した人々の見立てでは「右高速カーブでは、タイミングカバーに油が溜まり、オイルピックアップに戻ってこないことが原因ではないか」。
さらにブライアン氏は油圧低下がベアリングの損傷につながる可能性があるとも指摘しており、これは上述のRVTシリコンとはまた「別の」問題ということになりそうです。
「スポーツ走行でエンジンがブローする」というトラブルが自身の身に起きたとしても、その原因を「高速右コーナーで油圧が下がる」ことだと突き止めるオーナーは通常おらず、よってこのブライアン氏とその仲間たちの検証は「大きな意味がある」と考えて良いかと思います。
スバルBRZ、GR86で油圧低下を検証する動画はこちら
あわせて読みたい、GR86関連投稿
-
またまたGR86でエンジン破損案件!スポーツ走行でエンジンブロックに穴が空き、トヨタは保証修理を拒否。トヨタの今後の対応に注目が集まる【動画】
| オーナーはGR86の保証修理を主張、しかしトヨタ(北米)本社もこれを断る | 以前にも同様の例があり、その際にはトヨタが一転して保証修理を受け入れている さて、GR86の一部には「エンジンとヘッド ...
続きを見る
-
GR86がニュルを走る!そのタイムは8分27秒27、上位には食い込めないもののタイムと楽しさは比例するわけではなく、自然吸気、そしてこの馬力を考慮するとむしろアッパレ【動画】
| しかも先代比でタイムは大幅に向上、クルマとしての資質は大きく向上しているようだ | なによりGR86はいちばんニュルブルクリンクを楽しく走ることができるたぐいのクルマかもしれない さて、GR68と ...
続きを見る
-
280馬力の80スープラと235馬力のGR86とのドラッグレース!スープラ圧勝と思ったがむしろGR86圧勝。やはり自動車に関する技術は日々進化している【動画】
| どう考えても非力な、そしてNAのGR86に勝ち目はないと考えていたが | ドラッグレース当時は「ウェット」ということも大きく関係していそう さて、英国Carwowが「トヨタ(80)スープラとGR8 ...
続きを見る
参照:900BRZ