>トヨタ/レクサス(Toyota/LEXUS)

レクサスは「いつも購入検討に上がるが、未だに買ったことがない」。ボクがレクサス購入に踏み切れないのはその選民思想、そして一部顧客の性質である

レクサス

| けしてレクサスの方針を批判するわけではなく、単にレクサスのフィロソフィとボクがマッチしないだけである |

レクサスのクルマ、そしてブランディングについては非常に高い評価を行っている

ぼくはレクサス車を高く評価しているのですが、それでも「今までに一度もレクサスを購入したことがない」のもまた事実。

まず、レクサスを高く評価している理由としてはその品質、ブランドバリュー、そしてリセールといったところで、とくに色々なショップに行ったりイベントなどに参加する機会が多いぼくとしては、「どこに乗っていっても恥ずかしくない」という点においてレクサスは高評価。

加えて、買い替えサイクルが短いぼくにとって「リセール」は非常に重要であり、やはりこの点でもレクサスはほか自動車ブランドに比較しても優位性を持っています(メルセデス・ベンツ、BMW、アウディもブランドバリューは高いがリセールバリューがかなり低い)。

なぜレクサスを買わないのか

そこでなぜ「高く評価しているのに買わないのか」ということについて、正確に言うならば「買わない」というよりは「買うのをためらっている」。

その理由としてはまず「レクサスは丁寧すぎる」というものがあり、言葉を選ばずに言えば慇懃無礼な印象があるから。

レクサスはクルマを売るというよりは「ブランドを売る」ことを重要視しているのだと解釈していますが、そのために「客を選ぶ」傾向があるとも認識していて、そういった傾向がスタッフの「態度」となって端々に見受けられるように感じるわけですね。

L1016917

レクサス
今日のトヨタ クラウンスポーツ。レクサスディーラーに行くも「見えないところに移動させられて」しまい、レクサスとの階級差を感じる

| ただしこれは「レクサスブランド」を保護するためでもあり、やむを得ない措置であろう | むしろその徹底ぶりには清々しさすら感じさせられる さて、先日「レクサスLBXの購入を検討している」とお伝えした ...

続きを見る

これは「トヨタ」とは決定的に異なる部分でもあって、たとえばトヨタはその車種構成やデザインを見ても分かる通り、「幅広い車種と幅広いデザイン」をもって、可能な限り多くの用途、そして可能な限り多様な好みに応じようとしていることが理解可能。

実際のところ、トヨタでは車種ごとにデザイン異なっていて、これはトヨタの「顧客に歩み寄るという姿勢」のあらわれだとも考えています。

一方のレクサスだと、車種間でのデザインが(スピンドルグリルを中心として)共通化されており、「顧客に歩み寄る」というよりは、「レクサスの示した方針に顧客の方から歩み寄ってもらう」「レクサスの方針を理解し共感した顧客のみを選ぶ」という、トヨタとは全く逆の考え方のあらわれであるというのがぼくの理解。※その意味では、レクサスは高級なトヨタではなく、全く異なる、あるいは対極にあるブランドである

レクサス販売幹部が本心吐露。「最近のレクサスデザインには顧客がついてこれない。とくにスピンドルグリル」

| レクサスの最新デザインはブランディングに逆効果か? | レクサスのゼネラルマネージャー、ジェフ・ブラッケン氏によると、「レクサス旧来の顧客は、現在及び将来のレクサスデザインに戸惑っている」とのこと ...

続きを見る

ただ、レクサスはこの方針をもって、自動車史には例を見ないほどの短期間でプレミアムカー市場における明確なポジションを構築することになり、ラグジュアリー市場の基本である「排他性」「差別化」を徹底して(製品のみならず販売現場においても)貫き通したことがその成功の要因であることも理解しています。

L1370141

縮小続く自動車市場でレクサス好調、なぜレクサスは強いのか?「あのとき、リスクを取ってスピンドルグリルを拡大したからだ」

| 批判はあれども、そのメリットも大きかった | LEXUS LC500 ITメディアにて、レクサスが好調ということ、そしてその理由について考察した記事が公開。これによると、欧州市場では2019年上半 ...

続きを見る

現実的に、ほとんどの自動車メーカーが「プレミアム化」を目指すものの、こういった方針を徹底できないばかりに成功を収めることができず(マツダもプレミアム化を目指しているが、これを成功させるには、レクサス同様に”客を選ぶ”必要があるとも考える)、しかしレクサスはそれを成し遂げたという点において高く評価すべきであり、ここまで差別化戦略を徹底できた例は他に例を見ないのかもしれません(トヨタの財力がなければここまでの排他性は実現できなかったであろう)。

レクサスが世界累計販売1000万台を突破(日本は50万台)!なぜレクサスは成功し、アキュラ、インフィニティはこれに勝てないのか

レクサスは価格以上の品質を持ち、そして価格以上の満足を顧客に与えている レクサスが全世界での累計販売につき「1,000万台を超えた」と発表。レクサスはもともと北米向けの「トヨタの高級版ブランド」として ...

続きを見る

ボクはレクサスの客層(の一部)がちょっと苦手である

なお、ぼくがここで言及しているのは「レクサスの良し悪し」ではなく「ぼくにレクサスが合うかどうか」。

上述の通りレクサスの製品については高く評価していて、その戦略、そして戦略を推し進めた推進力についても脱帽するしかありませんが、それがぼくに合うかどうかはちょっとまた別問題であり、正直言うと「その思想はちょっと合わない」というのが偽らざるところ(もちろん、レクサスとしても、レクサスの方針に共感できないぼくのことはノーサンキューであろうとは思う)。

L1016909

Lexus
レクサスのデザインは今後大きく変わる可能性が示唆される。「スピンドルグリルの採用で販売は2倍になりました。やりすぎに挑戦することが重要なのです」

| 好き嫌いは分かれるものの、レクサスは「デザインを重視しブランディングと販売に直結させる」数少ないブランドでもある 今後のレクサスはおそらく「ボディ全体で」レクサスを主張することになるだろう さて、 ...

続きを見る

そしてもっと重要なのは「レクサスの顧客の一部が致命的にぼくに合わない」ということ。

レクサスは上述のような「選民思想」を持つブランドであるとも解釈していますが、そこで「選ばれし民」となったレクサスの顧客、そしてそれを強く意識し、レクサスから「おもてなし」を受けることに優越感を覚える(そしてそれによって他人を見下す)人々とはソリが合わず、よってぼくはレクサスを購入したとしてもディーラー、そしてその顧客とも”馴染めない”のかもしれません。

ただ、これらは現在ぼくが感じていることであり、かつ「非レクサスオーナー」の立場からの印象なので、より公平に物ごとを捉えるためにも「やはり一度はレクサスを買わねばならないだろう」とも考えているわけですね。

L1370172

あわせて読みたい、レクサス関連投稿

トヨタ
【EV戦争本格化】トヨタとレクサスがアメリカにEVを“洪水”のように投入、その狙いとは?

| 一時は「電動化の波に乗り遅れた」として批判されたトヨタだが | 一転して攻勢を開始、2027年までに北米で7台の新型EVを展開予定 トヨタとレクサスが今後2年間で7台の新型EVを北米市場に投入する ...

続きを見る

レクサス
トヨタ、中国・上海でレクサスEV専用工場を建設へ──新エネルギー車開発で戦略的協定を締結、自動車業界では世界で2例目の「独資」、日本企業では「初」

| トヨタは中国市場を「諦めず」現地自動車メーカーと徹底抗戦の構え | トヨタにとって中国は「まだまだ伸ばせる」市場でもある 2025年4月22日、トヨタ自動車株式会社と中国・上海市政府が「新エネルギ ...

続きを見る

現代の自動車メーカーにおいて稀有な成長を遂げたヒョンデの高級ブランド「ジェネシス」。レクサス「F」の立ち上げと運営を長年行ってきた人物を迎え、今後の方向性について語る
現代の自動車メーカーにおいて稀有な成長を遂げたヒョンデの高級ブランド「ジェネシス」。レクサス「F」の立ち上げと運営を長年行ってきた人物を迎え、今後の方向性について語る

Image:Genesis | ジェネシスは「後発」ではあるが、後発の利点を活かしてライバルを研究し、それに独自性を加えるという展開を行っている | とくにそのハイパフォーマンスブランド「マグマ」では ...

続きを見る

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

  • この記事を書いた人

JUN

2013年より当ブログを運営中。 国産スポーツカー、ポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリ等を乗り継ぎ現在に至ります。 単なる情報の記載にとどまらず、なにかしら自分の意見を添え、加えてクルマにまつわる関連情報(保険やメンテナンスなど)を提供するなど「カーライフを豊かにする」情報発信を心がけています。 いくつかのカーメディアにも寄稿中。

->トヨタ/レクサス(Toyota/LEXUS)
-, , , , ,