
Image:BYD
| 中国は「英国」を強く好む傾向にはあるが |
それでもこのパートナーシップ契約は非常に意外である
さて、中国BYD傘下のブランド、「DENZA(デンザ、デンツァ)」が英国人俳優、ダニエル・クレイグとのパートナーシップ契約を締結したと正式発表。
すでにSNSはじめ一部にダニエル・クレイグが登場していますが、いずれの画像も「いまひとつ乗り気でなさそう」な無表情がなんとも興味を引くところです。
ダニエル・クレイグというえば「アストンマーティン」であるが
なお、ダニエル・クレイグというえば007つまりジェームズ・ボンドとしても知られており、そのつながりでアストンマーティンとも強くリンクしたイメージを持っています。
NEWS: Aston Martin DB5, Aston Martin V8 and Aston Martin Valhalla will star in Bond 25, the latest instalment in the @007 franchise. pic.twitter.com/V6WA7P5kUD
— Aston Martin (@astonmartin) June 20, 2019
そのダニエル・クレイグが「中国のブランドのアンバサダーに就任する」というのは非常に意外ではありますが、これには2つの側面があるものと考えられ、まずひとつは「対中国国内」。
中国はアメリカを仮想敵国の一つとしてみなしているのでアメリカ文化を許容しない(政府を主導とした)風潮があり、その反動なのか英国文化を好む傾向があるもよう(現地ブランドでも、英国のデザインや伝統を模したものが少なくはない)。
そして過去には中国でリブートしたサリーンがジェイソン・ステイサムを大々的にフィーチャーしたイベントを展開していたことからも、やはり英国人俳優に対しては強い関心を持つ企業・人々が多いのだと考えられ、今回のダニエル・クレイグの起用もそういった例に倣ったものだとも考えられます。
With British actor Daniel Craig, DENZA steps into its next chapter.
— BYD Global (@BYDGlobal) March 27, 2026
Some partnerships just feel right. This is one of them.
Because this is not just about a global partner. It’s about a shared way of seeing the world, where strength doesn’t need to shout, where sophistication… pic.twitter.com/It56LTOMi5
欧州市場に対するアピールという側面も考えられる
そしてもうひとつは「対欧州」。
現在中国の自動車メーカーは海外市場に活路を見出しており、そして欧州は非常に重要な市場として認識されています。
ただ、欧州市場を攻略するには「価格」のみでは不十分で、もちろん「価格の安さ」のみで中国車を選ぶ層も存在するものの、それだけでは中国国内同様に不毛な価格競争に陥る可能性があり、よって確固たるポジションを構築し、安定した利益を確保できる基盤づくりが望まれます。
しかしながら「幅広い人々に販売しよう」となった際に課題となるのが「中国」というイメージで、これを嫌って中国車を買わない人も相当数存在するとされているわけですね。
この環境下において、「中国車なのに欧州市場に受け容れられている存在」もあり、それが「MG」。

もともとはイギリスのブランドではありますが、「現在は中国企業」であり、本社、経営体制、生産すべてが中国となっていて、それでも欧州市場では非常に強い競争力を持っていることが度々報じられているのは記憶に新しいところ。
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【歴史的快挙】MGが欧州・英国で累計100万台を突破した「初の中国ブランド」に。そう、MGは現在中国の会社である
Image:MG | 現在MGは上海汽車傘下のひとつのブランドである | 2026年2月、上海汽車集団(SAIC)傘下のMG(モーリス・ガレージ)が、中国の自動車ブランドとして初めて欧州および英国市場 ...
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その理由はひとえに「MG」という親しんだ名称が「中国というイメージ」を隠しているからだと言われていて、つまり「MGというブランドの信用が、中国の持つネガティブイメージを上回る」ということであり、よって中国の自動車メーカーが欧州市場で真の成功を収めようとするならば、MGのような伝統的な欧州の自動車ブランドを買収し、そのバッジをつけて売るしかない、とも言われています。
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中国のEVは言うほど欧州で売れてない?欧州の人々は中国製品に否定的、もし中国の自動車メーカーが欧州で販売を伸ばすならば「MG」のように欧州メーカーの買収が必要
| 欧州の自動車市場が中国車で埋め尽くされるかのような報道もあるが、違う見方もあるようだ | おそらくは今後、中国の自動車メーカーが欧州自動車メーカーを買収するのは「あり得る」シナリオだと思う さて、 ...
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DENZAとは?
BYDの「DENZA(デンザ)」は、ひとことで言うとBYDが展開する高級EVブランドで、普通のBYD車よりワンランク上の「プレミアム路線」を担っており・・・。
- 中国の自動車メーカー BYD が展開する高級ブランド
- 主に電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド(PHEV)を販売
- コンセプトは「ラグジュアリー × 最先端テクノロジー」
イメージ的には「BYD=トヨタ」「DENZA=レクサス」みたいな関係だと捉えるとわかりやすいかもしれません。

DENZAの成り立ち(実はメルセデス・ベンツとの共同開発からはじまる)
なお、このDENZAは2010年にBYDメルセデス・ベンツとの合弁としてスタートしており、2024年にメルセデス・ベンツが完全撤退することでBYDの100%子会社に。
つまり「ドイツの高級車ノウハウ × 中国EV技術」から生まれたブランドでだと考えてよく、現在では以下のラインアップを展開しています(地域による)。
- D9:高級ミニバン(アルファード系のライバル)
- N7 / N9:SUV
- Z9 / Z9 GT:高級セダン・スポーツ系
Safety isn't an afterthought; it's the blueprint.
— BYD Global (@BYDGlobal) March 18, 2026
The DENZA D9 combines a robust, high-strength frame with 9 SRS airbags, creating a fundamentally safer design for your fundamental peace of mind.#DENZA pic.twitter.com/eRkZCw8hmd
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BYD×メルセデス・ベンツ発のプレミアムブランド「Denza(デンザ / デンツァ)」、ついに欧州に進出。初陣は952馬力のZ9 GTシューティングブレーク
Image:BYD | BYDは「既存メーカーの製品に比較して”10倍優れる”」と強気のアピール | 実際のところ、偏見抜きにして見ると「10倍」とはゆかずとも、デンザの製品が優れていることは間違いな ...
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DENZAの特徴(ここが強い)
① EV技術がかなり先進的
- BYDのバッテリー技術(Blade Batteryなど)
- 超高速充電・長距離航続
→ 一部モデルは1000km超航続(中国基準)も登場
② 高級感+テクノロジー重視
- 大型ディスプレイ
- 自動運転支援
- 高級オーディオなど
Sunlit pauses. Shared discoveries. Quiet dawns. A family journey is a collection of moments like these.
— BYD Global (@BYDGlobal) March 13, 2026
The DENZA N8L is the vessel that beautifully contains every single one.
What's your family's next chapter?#DENZA pic.twitter.com/IB7mgKMcHO
③ グローバル展開が急加速
- 東南アジア → 欧州へ進出中
- BMWやメルセデス・ベンツの競合として位置づけられている
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ポルシェ911の「電動」ライバル登場?BYDのプレミアムブランド、デンツァから”Denza Z”登場、最新テクノロジーをもって伝統に挑む
Image:Denza(BYD) | 今でこそ「格下」に見られる中国車ではあるが、そのうち無視できない存在となるのかも | 「自動車業界の常識」を持たないのが中国の自動車メーカーだけに、その「発想」が ...
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DENZAまとめ
つまり、DENZAはこんなブランドというわけですが、それでもダニエル・クレイグとのパートナーシップを「微妙」と捉えるファンは少なくないはずで、「アストンマーティンはどういった対応を取るんだろうな」と思ったり。
- BYDの高級EV部門
- 元はメルセデスとの合弁
- 「テクノロジー重視のラグジュアリーカー」
- 今後は世界市場で拡大中
なお、アストンマーティンそのものも中国との距離を詰めているものの、その提携先はBYDのライバルでもある吉利汽車なので、今回の「ダニエル・クレイグとBYD」という一件は自体をいっそうややこしくするのかもしれません。
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参照:BYD











