｜ クプラは現在、世界進出を視野に再ブランディングを行っている真っ最中である ｜
そして新生クプラはそのアグレッシブなデザインを最大の売り物とするようだ
さて、フォルクスワーゲングループ内の一ブランドであるクプラ（スペインの自動車ブランド）が、IAAモビリティショーにてコンセプトカー「ダークレベル（Dark Rebel）」を発表。
クプラは日本に入っているので馴染みが薄いものの、現在は再ブランディングを進めている最中でもあり、その過程でデザイン言語を大きく変換しているという段階にあります。
そしてこのダークレベルは、そういったクプラの「あるべきデザイン」を示すひとつの指標なのだと思われますが、その車名、そしてデザインがいかにも「厨二病的」といった印象ですね。
クプラ・ダークレベルはこんなクルマ
そこでこのクプラ・ダークレベルを見てみると、ボディ形状はシューティングブレーク、そしてパワートレーンは「100％エレクトリック」。
ボディサイズは全長4.5メートル、全幅2.2メートル（おそらくドアミラー込み）、全高1.3メートルだと紹介されており、「そこまで大きくはない」クルマです。
デザイン面を見てみると、大きく口を開けたフロント、そしてエッジの効いたブレードで構成されるダクトなど「これでもか」というほどにエグさが演出されていますが、クプラが生き残るにはこれくらいの”やり過ぎ感”がちょうどいいのかもしれません。
なお、フロントバンパー中央のブレード、そしてサイドのフィンは透明パーツで作られており、パネルを透過するかのように光るライティングとあわせてダークレベルのひとつのハイライトを形成しています。
ボディカラーは濃い紫を採用し、静止画だとわかりにくいものの、ボディ表面は「水銀のような」輝きを持っていると説明され、角度や環境光によって色味が変化するのだそう。
クプラ・ダークレベルのシルエットは非常に独特であり、このボディ形状を選んだのもまた「差別化」戦略のひとつなのかもしれません。
リアセクションにもSF感満載のライティングが与えられ、バンパー中央にはやはり透明のキール（背骨）が組み込まれています。
クプラ・ダークレベルのインテリアはこうなっている
そしてこちらはクプラ・ダークレベルのインテリア。
ステアリングホイールは下側がオープンという珍しい形状を持ちますが、これは「モータースポーツとゲームの世界とを融合させた」ものだといい、そのほかだと液晶メーターパネル、そしてクリスタル製のモードセレクターを見て取れます。
その他サーマルカメラ、車内の状況を視覚的に伝えるアンビエント・ライティング・システム、ダッシュボード全域に渡るディスプレイとそこに表示される3Dアバター（たぶん中央に表示されている人物。これがどう機能するのかは不明）といった装備も与えられているようですね。
なお、既存の自動車にはない新しいUIとしてExponential Square（エクスポネンシャル・スクエア）、Exponential Cube（エクスポネンシャル・キューブ）、Exponential Infinite（エクスポネンシャル・インフィニット）という3つが紹介されており、エクスポネンシャル・スクエアは未来的なグラフィックとデジタルコックピットの3Dアバターを使用した操作を担当し、クスポネンシャル・キューブはスポーツモード走行時においてパフォーマンスデータ、ラップタイム、リアルタイムのサーキット・ポジショニングなどの重要な情報を表示するのだそう。
最後のエクスポネンシャル・インフィニットは充電中に使用するもので、充電中にドライバーは（車内から）メタバース内のMetahype（メタハイプ）スペースに入り、ほかのクプラ車オーナーとの交流ができると説明されています。
おそらくこのダークレベルは単なるコンセプトカーにとどまり、実際に発売されることはないと思われるものの、デザインや機能の一部は今後の市販車に取り入れられることとなるのかもしれませんね（ただ、これを発売すればクプラの名は一瞬で世界中の人々の知るところとなるであろう）。
参照：Cupra