
| このCEER エクソボットは何から何までが「斬新過ぎる」 |
ウェッジシェイプ大好きなボク歓喜
新興電気自動車(EV)メーカーが次々と誕生しては消えていく現代の自動車業界において、圧倒的な資本力を背景に彗星のごとく現れた新ブランドが存在し、それが、サウジアラビア初のナショナルカーブランド「CEER(シア)」。
今回発表された「Exobot(エクソボット)」は、1990年代の近未来SF映画から飛び出してきたかのような斬新すぎるスタイリング、そしてハイパーEV級のモンスタースペックを併せ持つ注目作であり、世界有数の石油産出国が本気で手掛ける完全電動モデルとはどのようなクルマなのか、その全貌を見てみましょう。

この記事の要約
- サウジアラビア初のナショナルカーブランド「CEER」が未来的なデザインの新型EV「Exobot」を発表
- 傾斜角15度の巨大フロントガラスやガルウィング(Shahin Wing)など、1990年代のSF映画を思わせる斬新な外観
- 最高出力1,111馬力、0-100km/h加速2.1秒の圧倒的性能に加え、砂漠地帯に対応する強力なエアコンシステムを搭載

サウジアラビア発「CEER」と「Exobot」の概要
CEERはサウジアラビアの政府系ファンドである「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」が主導して設立した同国初の自動車メーカーで、よくあるスタートアップにとどまらず、国家プロジェクトとして自国でのデザイン、エンジニアリング、製造を一貫して行う体制を整えている、とのこと。
デビューモデルとして登場した「Exobot(エクソボット)」はセダンとSUVの2つのボディタイプをラインアップしており、いずれも共通の未来的なデザイン言語を採用することでブランドの旗艦モデルとして世界のEV市場へと強いインパクトを与えることが期待されています。

なお、このCEERエクソボットのスタイリングは、かつてアンディ・パーマー氏時代にアストンマーティンが「超高級EVブランド」としてリブートしようとした際に発表したラゴンダ ヴィジョン コンセプトに非常によく似ていて、もしかするとアストンマーティンがそのデザインを「販売」したんじゃないかと思ったり(アストンマーティンは以前、ヴァンキッシュの生産設備や設計を他社に売却したことがある。ちなみに現在アストンマーティンの公式サイトから当時のラゴンダ ヴィジョンコンセプトの記述が消えている)。

超未来的デザインと過酷な環境に挑む画期的スペック
ただ、CEERエクソボットにはラゴンダ ヴィジョン コンセプトとは異なる点も多数存在し、非常にオリジナリティあふれるものであることにも間違いはなく、そのエッジの効いたスタイリングは「一目見たら忘れられないアバンギャルドなもの」。
ファルコン(ハヤブサ)にインスパイアされた上方開閉式の巨大な「Shahin Wing」ドアや・・・。

ドアパネルに配置された巨大な透明ガラスセクションが目を引くところ(文字通り宇宙船のようである)。

さらに傾斜角わずか15度という極限まで寝かされたフロントガラスは「自動車史上最大級のサイズ」を誇るといい、圧倒的なエアロダイナミクスと未来的なシルエットを実現することに。
なお、日中の気温が40度を超えることも珍しくはない砂漠の気候に対応するために空調性能にも注力されているといい、新たに開発された「Halo Cooling」システムは灼熱の太陽下で約65度にまで達した車内温度をわずか10分で約32度まで急冷することが可能なのだそう。
そのほかステアリングには操舵角わずか160度のステア・バイ・ワイヤ技術と四輪操舵(リヤホイールステアリング)を採用し、俊敏で滑らかな取り回しを実現しています。

Exobotの主なスペック一覧
| 項目 | セダンモデル | SUVモデル |
| 最高出力 | 最大 1,111 hp(828 kW) | 最大 1,111 hp(828 kW) |
| 最大トルク | 1,500 Nm | 1,500 Nm |
| 0-100km/h 加速 | 2.1秒 | 2.4秒 |
| バッテリー容量 | 112 kWh | 112 kWh |
| 航続距離(推定) | 最大 670 km(NEDC) | 最大 560 km(NEDC) |
| ステアリング | ステア・バイ・ワイヤ / 後輪操舵 | ステア・バイ・ワイヤ / 後輪操舵 |
※ローンチ時の「First Edition」仕様は最高出力850 hp、最大トルク1,000 Nmのトリプルモーター駆動となり、0-100km/h加速はセダンが2.6秒、SUVが2.9秒というスペック

他社スタートアップとの比較と市場での位置付け
EV業界には数多くの新興メーカーが参入していますが、資金繰りに行き詰まり途中で頓挫するケースも少なはなく、しかしCEERは潤沢なオイルマネーを誇るサウジアラビア政府ファンド(PIF)の全面バックアップを受けており、他社スタートアップとは一線を画す強固な基盤を持っています。
さらにCEERは自社リソースだけに頼らず、世界的な大手企業との戦略的パートナーシップを構築しており・・・。
- フォックスコン(Foxconn): 製造・電子技術面での提携※フォックスコンはすでに三菱など数社に対してプラットフォームを提供している
- リマック(Rimac): ハイパフォーマンス電動パワートレイン技術の共有
- 現代トランスシス(Hyundai Transys): 駆動システムの供給

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なお、同社CEOにはベトナムの新興EVメーカー「VinFast(ヴィンファスト)」の初代CEOを努め、過去にはGMの製造部門を率いた実績を持つジェームズ・デルーカ(James DeLuca)氏が就任していること、本格的な量産化に向けた隙のない体制が整えられていることについても言及されていますが、ヴィンファストもまたベトナム「初の」自動車メーカーであり、「新規自動車メーカーを立ち上げた」同氏の経験がここで活かされることとなりそうですね。
サウジアラビアの産業変革と今後の展望
CEERの立ち上げは、単なる新型車の発表にとどまらず、サウジアラビアの国家戦略「ビジョン2030」における脱石油依存と産業多角化の大きな一歩を意味するもの。
PIFはすでに高級EVメーカーのルーシッド・モータース(Lucid Motors)の過半数株式を保有しており、自動車製造に関するノウハウを着実に蓄積してきたとされ、つまりは「突然出てきた」自動車メーカーではない、ということに。
なお、CEERは今後5年間でコンパクトモデルや中型モデルを含む計7つのニューモデルを展開する計画を立てているとも報じられ、将来的なパワートレインの多様化も含めて急速なラインアップ拡充を目指していることについても言及されています。
結論
サウジアラビア初の自動車ブランド「CEER」が送り出す「Exobot」は、奇抜とも言える未来志向のデザイン、そしてハイパーEV並みの超ハイパフォーマンスを兼ね備えた衝撃的なEV。
国家レベルの潤沢な資金力とグローバルな技術パートナーシップを背景に持つCEERは、既存のEV市場に大きな一石を投じる存在となることは間違いなく、このクルマが実際にサウジアラビアの路上を走り、グローバル展開がなされることに期待したいと思います。
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参照:CEER











