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VW傘下「シュコダ」が「中国市場での販売が96%減少し」完全撤退を決定。その代わり「インド・東南アジア」へと注力するという大博打に

シュコダ・エルロック(停止状態、フロント、グリーン)

Image:Skoda

| かつての「稼ぎ頭」が陥った、嘘のような現実 |

しかしこれはどのブランドにとっても「明日は我が身」である

フォルクスワーゲン(VW)グループの良心とも称されるブランド、「シュコダ」がついに中国市場からの完全撤退を決定することに。

2018年には年間34万台以上を売り上げ、シュコダにとって世界最大の市場だった中国。

しかし直近の販売台数はわずか1.5万台にまで落ち込み、ピーク時から「96%減」という壊滅的な数字を記録していますが、なぜこれほどまでの転落が起きたのか? そしてシュコダが中国を捨ててまで選んだ「次なる主戦場」はどこなのか? 激動する世界の自動車勢力図を考察してみたいと思います。

【この記事の要約】

  • 完全撤退: 2026年中半までに中国市場での販売を終了
  • 販売激減: 2018年の34.1万台から、昨年は1.5万台へ(96%の消失)
  • 敗因: 中国地場メーカーによるEV・ハイブリッド車の急激な台頭
  • 新戦略: 中国を諦め、好調な「インド」と「東南アジア」へリソースを集中
  • アフターケア: 既存オーナーへのサービスはVWグループが継続
シュコダ・オクタヴィア(レッド、サイドビュー)

Image:Skoda


1/4を占めた巨大市場での「ゲームオーバー」

シュコダにとって中国は「輸出先のひとつ」ではなく、全生産台数の約4台に1台が中国で売れるというブランドの屋台骨を支える最重要拠点。

2020年には年間60万台の販売目標を掲げるほど自信に満ち溢れていたものの、コロナウイルスのパンデミック以降に状況が一変し、中国国内のEVシフトが予想を遥かに上回るスピードで進んだことでBYDなどの地場ブランドが圧倒的なコストパフォーマンスで市場を席巻。

ガソリン車中心だったシュコダのラインナップは、急速に魅力を失っていったのが「転落のはじまり」です。


シュコダの中国市場における販売推移

シュコダが直面した「絶望的な右肩下がり」の数字は、欧州メーカーが中国でいかに苦戦しているかを象徴しており、わずか7年で市場シェアのほとんどを失ったことに。

シュコダ 中国販売台数の推移

販売台数(約)状況
2018年341,000台過去最高のピーク
2020年173,000台パンデミックの影響開始
2022年44,600台中国地場EVの台頭
2023年22,800台撤退の議論が本格化
2025年15,000台撤退決定の決定
シュコダ・ファビアの走行画像(リア、オレンジ)

Image:Skoda


競合比較と市場での位置付け:中国を捨て「インド」に賭ける

新型EV「エルロック(Elroq)」などの強力な製品を持っていてもなお撤退を決めたのは衝撃的で、つまりVWグループはいかなる新製品を持っていようとも「もはや中国で地場ブランドと低価格競争を繰り広げるのは割に合わない」と判断したのだと考えられます。

シュコダの次なる主戦場

シュコダは今後、好調なインド市場と、成長著しい東南アジア市場に全リソースを投入するといい・・・。

  • インド市場の躍進: 2024年の3.6万台から、昨年は7.1万台へと「96.1%増」の爆発的成長を記録
  • ブランドの再定義: 中国では「VWの安価版」と見られがちではあったものの、インドや東南アジアでは「欧州のプレミアムな選択肢」としての地位を確立しつつある

しかしながらこれら市場においても遅かれ早かれ中国の自動車メーカーが大量に進出してくるものと考えられ、数年後にはやはり「インドや東南アジアから撤退」という流れになるのかも。


結論:シュコダの撤退は「欧州車の終わりの始まり」か?

シュコダの中国撤退は、一ブランドの失敗という以上に欧州自動車メーカー全体の「危機」を象徴しています。

自国ブランドを強力に支持し、EV技術で先行する中国市場において、既存のガソリン車ブランドが生き残る隙間は急速に狭まっているのが現実で、しかしシュコダがインド市場にて見せている爆発的な成長は「シュコダにまだ強い生命力がある」ことを示す一つの事実。

「捨てる勇気」を持ったシュコダが東南アジアでどのような反撃を見せるのか。これからの数年が”100年以上の歴史を持つ”このブランドの真価を問う時期となりそうですね。


参考:シュコダってどんなブランド?

日本では馴染みが薄いシュコダですはあるものの、チェコ共和国に本拠を置く、実は世界で最も歴史ある自動車メーカーの一つです。

VWグループが所有するプラットフォームを使いながらも「より実用的で賢い(Simply Clever)」デザインや機能を備えているのが特徴で、傘下の他ブランドよりも手頃な価格設定が多く、欧州ではタクシーやパトカーとしても絶大な信頼を得ているという「自分のポジションを理解し、過剰な豪華さや不要な機能を削除した、質実剛健を絵に書いたようなブランド」としても知られています。

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参照:Skoda

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