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ロレックス・デイトナには「絶対に”買う”ことができない」シリーズが存在する。デイトナ24時間、ル・マン24時間の勝者にしか贈られないデイトナとは

ロレックス

| この特別なロレックス・デイトナを手に入れるためだけにレースを走るものもあるという |

ジェンソン・バトンの目標のひとつもこのデイトナを獲得することである

さて、ロレックス・デイトナというとプレミア価格にて取引される腕時計の代表格ですが、いかにお金を積んでも買うことができず、自らの力で獲得するしかないデイトナが一つだけあり、それは「デイトナ24時間レースとル・マン24時間レースの優勝ドライバーだけに贈られる、ロレックスによって特別に製造されたデイトナ」。

なお、ロレックス・デイトナは(コスモグラフの名が示す通り)もともと宇宙へと行ために開発された腕時計ではあるものの、その役割をオメガ・スピードマスターに奪われてしまい、よって(開発費を回収する目的もあって)当時アメリカにて絶大な人気を誇っていた「デイトナ24時間レース」へと協賛し冠スポンサーへと就任したわけですね。

ロレックスは1992年以降、デイトナの優勝者に「コスモグラフ デイトナ」を贈っている

そしてロレックスは1991年以降、デイトナ24時間レースの勝者に対しデイトナを贈呈していますが(2001年以降、ル・マン24時間レースの総合優勝をなしとげたドライバーに対してもデイトナを贈っている)、このデイトナは通常販売されるデイトとは(ケースバックの刻印の他にも)相違があるといい、カラー含む仕様が異なるのだそう(かなりユニークなスペックを持つモデルもあるそうだ)。

腕時計メディア、ホディンキーの主任編集者、ジェームズ・ステイシー氏は「これはバーで身に着けられるトロフィーです」と語り、その希少性、そして入手痕などの高さを褒め称え、「この時計を獲得するために何百万ドルも費やす人もいます」とも。

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そして今回、なんと5本ものこの「記念デイトナ」を保有する、つまり5回ものデイトナ24時間レースでの優勝を成し遂げたハーリー・ヘイウッド氏がこの腕時計、そして知られざる背景について語ることに。

「レースの優勝で初めてデイトナをもらったのは1991年です。でも、それが私にとって5回目の優勝でした。1991年は、ロレックスが表彰台でコスモグラフ デイトナを配った最初の年で、我々ヨースト・レーシングのコ・ドライバーはそれぞれ、ポルシェ962Cでの優勝を記念した時計を受け取りました。

しかし、そこで私はちょっとした「サプライズ」を経験することになり、というのもロレックスの社長だったローランド・プトンが、(1991年の優勝から)日付を遡って前の優勝分までを贈ろうと言ったのです。私はそれまでに5回(デイトナ24時間レースで)優勝していましたが、彼は4回の優勝ぶんを遡って贈ってくれたので、合計5本の時計をもらったのです。」

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なお、ハーリー・ヘイウッド氏は腕時計コレクターとしても知られており、彼のコレクションには2013年のデイトナ24時間レースのグランドマーシャルを務めたことを記念してロレックスから贈られたもう1本のデイトナも含まれ、これもまた彼のレース優勝を記念した腕時計と同様に、裏側にはロレックスによって施された個人的な刻印があるのだそう。

「これら腕時計は、世界中の誰もがレースで優勝したい理由を表しています。多くの選手は非常に裕福で、欲しいものは何でも買えます。しかし、あのレースで優勝したあの時計こそが彼らが欲しいものです。どんなトロフィーよりも優れています。私が持っている時計のいくつかに法外な金額を提示されたことがあります。その金額はクレイジーと言っていいでしょう。しかしいくら払うと言われても、私が獲得した腕時計を売るつもりはありません。」

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ジェンソン・バトンは「ロレックス・デイトナを手に入れるために」レースを走る

そしてもうひとり「デイトナ24時間レース、ル・マン24時間レースの勝者に贈られるデイトナ」に魅せれた男がジェンソン・バトン。

F1チャンピオン、スーパーGTチャンピオン、そして現在の世界耐久選手権(WEC)のチャレンジャーであるジェンソン・バトンは以下のように語ります。

「ロレックスの時計(デイトナ)をレースで獲得したことはありません。そのチャンスを得ることができるレースには出場しましたが、いまだ獲得には至っていません。デイトナでのレースはみんな大好きです。勝ちたいから勝ちたいのですが、(デイトナの勝利による)ロレックス デイトナを獲得することには大きな興奮があります。私のように、ロレックス デイトナを獲得したいから、そこでレースをする人もたくさんいます。ロレックスを獲得するためだけに、そしてレースに勝つために人々が費やす金額はとんでもない額にのぼります。」

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なお、ジェンソン・バトンは2本のロレックス・デイトナを所有しているといい、1本目は2000年に20歳でF1のキャリアを始めたときの自分への贈りもの。

そしてもうひとつは父であるジョン・バトンへと贈った後、父親が亡くなりそれを相続した一本。

ジェンソン・バトンは今シーズン、FIA世界耐久選手権にてハーツ・チーム・イオタの38号車ポルシェを運転して3レースに出場しますが、現時点では2025年もイオタに残る予定だとされるので、そうすればル・マン24時間レースで優勝するチャンス得られ、念願のロレックスを手に入れることができる道が拓けます。

「人生の瞬間、時間の瞬間。音楽や香水と同じで、私にとって時計は私を連れ戻してくれるものなのです。

そして勝者のみに贈られるロレックスを獲得すること、それが常に理想です。」

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参照:Motor1

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