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ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4雑感。シフトモード、日常性、発熱など

2017/11/15

ランボルギーニ・ガヤルド雑感。ガヤルドに乗ることによってパラダイムシフトが発生する

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やはりeギアの威力は絶大

ランボルギーニ・ガヤルドはやはり衝撃的。
それはいろいろな意味においてですが、やはりぼくにとって初体験のEギアがもっとも衝撃的だと感じます(EギアはクラッチレスMTであって、ATではない)。
クラッチを踏まなくて良いことやステアリングから手を離さずにシフトチェンジできることが、これほどまでに便利とは思わず、シートに座ったまま、ほぼ手足の先っちょだけを動かせば車を操れるのですよね。

そのようなわけで比較的安楽に車を運転でき、「これから時代は2ペダル」とか思ったり。
パドルやウインカーレバーについても指先だけでコントロールできるのでステアリングを持ちかえることもなく、妙に力むこともなく操作できます。
最初は違和感のあった操作系ですが、慣れると「良くできているなあ」と思えるのが不思議。

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なお最近はスポーツカーにおいても2ペダル車が当たり前になってきているわけですが、MT派のぼくであっても、やはり2ペダルに慣れると2ペダルに軍配をあげたくなってしまいます。
とにかく2ペダルはドライバーの仕事量が圧倒的に減るぶん、ステアリングとアクセル、ブレーキ操作に集中できるというメリットがあり、それはかなり大きなもの。その分余裕ができる、ということになります。

フェラーリ・カリフォルニアの試乗でも感じましたが、カリフォルニアがもしMTであったならドライブを楽しむことができなかったと思うのですよね。
そう考えると、「2ペダル」ということを前提において開発した車は、より制約が少なく、より自由な発想を盛り込めるとも考えられます。
つまり、「2ペダルに限定したからこそ可能となったこと」も出てくるわけで、となるとMTは技術的なものに加え、新しい観点からみた自動車の楽しみ、という点においても2ペダルに劣る可能性もあり、MT派のぼくとしてはちょっと悲しいような気もするところ。

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ガヤルドのドライブモードには、使用すると一発で保証が切れる「スラストモード」がある

ガヤルドのドライブモードについて、プログラム上いくつかの段階があります。
自動変速となる「A」がもっともマイルドかと思いますが、その上がデフォルト(ノーマル?呼称は不明)。
その上が「スポーツ」、その上が「コルサ」。つまり、ガヤルドのシフトプレートにはAを除くとデフォルトよりも上のものが2つも並んでいることになります。体感的には”スポーツ”がちょうど良い(自分の考えるシフトスピードと差が少ない)と感じていますが、その上に「コルサ」。
なお、その上の隠れモードとして「スラスト」モードがありますが、これは使用するとその後保証が適用されなくなる、という危険モードですね。

なおガヤルドのリバースボタンですが、これはダッシュボードに埋め込まれる形に。
位置はともかく、その取り付け方がなんとも不安定で、ボタンの周辺にある金属のスリーブがむき出しだったり(しかもその塗装がすでにハゲたり)、ツラが合っていなかったりするのですよね。

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通常国産やドイツ車であれば、トリムなどを装備してキッチリとツラをあわせるわけですが、ガヤルドはそうでなく、ちょっと見栄えに問題があったりして、自分でリングを制作し、取り付けようと考えています。
また、このリバースボタンがいつの日かダッシュの中に入り込んで落ちてしまい、機能しなくなるのではという恐怖もあります。

こういった事象について、およそ完ぺきに近いドイツ車(具体的にはポルシェ911/ボクスター)に比べると、イタリア車(ガヤルド)はかなり甘い部分があり、そこがなんとも「脱力系」に思え、それもガヤルドとドライバーとの距離感を縮める一因ではないかと考えることも(スーパーカーなのに親しみやすい)。
接していて疲れない親近感というものがガヤルドにはあるようで、たとえば、ポルシェであれば気になるようなことであっても、「まあガヤルドだから」といった感じで許容出来てしまうところがあるのです。

現在順調に走行距離が伸びているガヤルドだが

ランボルギーニ・ガヤルドについて、順調に距離が延びています。
ひとことで言うと「楽しい車」でありますね。
今まで乗り継いできたドイツ車、とくにポルシェとの差異が激しく、そのギャップに驚いたり楽しんだりしながらも過ごしているわけですが、ディーラーさん(ランボルギーニ大阪さん)の助けもあり、非常に快適に過ごせています。

さらに追加で気づいたことがあるので、ここでいくつか列挙。
1.発進時の燃費が異常に悪い
停止と発進を繰り返すと、また低速で走行していると、そしてアイドリングが長いと、燃費が異常に悪化して、すぐに「リッター3.5km」くらになります。
ですが走りだすと結構燃費が伸び、現在のところ、総合的には997カレラと同等かやや落ちる、といったところです。

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2.荷物が載らない
これははじめからわかっていましたので不便に感じることはありませんが、買い物に出かけたときには注意したい事項であります。たとえば、ダウンジャケットなどを出先で買うと、(2人乗車した場合)車内に購入したものを置くことができないので、フロントトランクを活用する必要が。
フロントトランクについて開けるのは構いませんが、閉める時にポルシェでよく言われた「閉めるときに押す場所を間違えると、フード先端が曲がる」ということを激しく恐れていて、精神的にあまり開閉したくない場所でありますね。
ちなみに足元(助手席)は広々としているので、足元にも若干荷物を置くことができます。

3.Eギア
これはどの状況で負荷がかかっているのか把握しにくいというのが懸念。
半クラッチ状態が一番負担がかかるとのことですが、なかなか半クラッチを認識するのが難しく、そのためできるだけ「ガツン」とスタートし、今までMT車で行っていた、ジェントル発進&ノロノロ走行は避けています。
それでもときどきクラッチがコゲ臭くなることがあり、けっこうクラッチに負担がかかっているのかもしれません。

自走式立体駐車場でけっこう狭いところを上ったり下りたりする場合、いつもぼくは極めてゆっくりと走るのですが、その場合でもガヤルドでは(半クラッチとならないよう)猛然と走るのですが、そのような狭い場所においてはバンパーやタイヤヒットの可能性と隣り合わせですので、クラッチ消耗との間でけっこうなジレンマを感じることに。※不必要に飛ばすわけではない。ただ、パワフルな車なので、半クラではなくクラッチが繋がった状態になると必然的にスピードが出る

下りの場合だとギアを抜いて惰性で下ろうかとも考えますが、やはり危機回避を考えるとニュートラルで走るのは好ましくなく、やはり1速でバリバリと降りる、ということになるのもまた事実。
実際のところ、ぼくは極めて運転が慎重な人間で、しかしそれが逆にクラッチには優しくない、といったところですね(よってガヤルドでは、自分本来の運転とは逆の運転を行う必要がある)。
できれば「半クラッチインジケーター」なるクラッチの接続状態を示すデバイスや、クラッチの温度を表示してくれるメーターがあれば良いと思います。

4.熱
これも事前にわかっていたことですし、とくに問題はありませんが、エンジンの発熱がけっこうなレベルに。
ボディ後半はかなり熱くなりますし、エンジンフード裏側などは触ると火傷しそうなくらい熱くなります。
夏などは走行後に地下の涼しいところに駐車していても、なかなか熱が抜けず、車内の温度が上昇していることも。

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気温によっても各部の作動音などが変わっているように思える

寒くなってくると同時に、車から感じる状態というものも変化します。
欧州車はけっこうデリケートというか、外気温や車自体の温まり具合によっても大きく音やステライングフィールなどの印象が変り、ガソリンの重量(満タンか空に近いか)でもかなり走行フィーリングが変わると思います。

その点、日本車はどのような状況でも確実に同一の性能を発揮し、運転したときも同一の印象を与えるので、たいしたものだなあ、と考えたりすることも(常識的に考えると、気温やガソリン重量で車の挙動が変わるのが普通のように思える)

それはさておき、ガヤルドにとってのはじめての冬ですが、エンジン始動から触媒が温まって排気音量が落ち着くまでの時間は夏季とあまり変らないように感じます。
大きく変るのが走行開始時のフロントデフの硬さで、ガレージから出すときにハンドルを切ると「ゴリゴリ」というか「ボリボリ」というか、とんでもない音と衝撃が出ることに。
事前にランボルギーニ大阪さんから話を聞いていたので(異常ではないので)気にはなりませんが、とにかく相当な音と衝撃でありますね。

もうひとつ冬になって気づいたことといえば、水温や油温。これらがなかなか上昇しない模様。
冷却系に関しては、あのコンパクトなボディにV10を押し込んでいますので相当に強力なのだと思いますが(そのため夏でも水温/油温が安定している)、そのかわり冬は上昇しにくいので注意が必要かも。※オイルやクーラントの量がかなり多いと思われる
また、停車後について、夏はあれだけ熱くなかなか冷えなかったエンジンも、冬はかなり速いスピードで冷えてゆきます(ポルシェ911は冬でもわりと熱が残っていた)。

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