>BMW(ビー・エム・ダブリュー)

BMWが中国で最大24%の値下げを断行。理由は「ライバルに対抗するため」、i7は632万円も価格が下がり「高級車の価格破壊」が2026年の市場を揺るがす

BMWが中国で最大24%の値下げを断行。理由は「ライバルに対抗するため」、i7は632万円も価格が下がり「高級車の価格破壊」が2026年の市場を揺るがす

| ついにBMWは禁断の果実に手を付ける |

【この記事の要約】

  • 2026年1月1日付で、BMW中国が主要30車種以上のメーカー希望小売価格を大幅引き下げ
  • 電気自動車「iX1」は24%(約150万円)の大幅カット。旗艦モデル「i7」も600万円以上の値下げ
  • 「30万元(約660万円)以下」のモデルを3車種から10車種へ一気に拡大し、中間層を囲い込む
  • 名目は「システム・バリュー・アップグレード」。BYDやテスラとの価格競争に対するBMWの回答
DSC09055


もはや「価格戦」ではない、「生存戦略」が開始される

中国の自動車市場はもはや世界で最も過酷な戦場と化しており、2025年にBYDがテスラを抜いてEV販売台数で世界首位に躍り出る中、欧州のラグジュアリーブランドもこれまでの「高付加価値・高価格」路線だけでは立ち行かなくなったというのが現状です。

テスラ
【歴史的転換】テスラがついにEV販売世界首位から陥落。中国BYDが「226万台を販売してテスラの164万台を上回り、EVシフトは「中国メーカー主導」のフェーズに突入

| かつてはBYDを「鼻で笑っていた」イーロン・マスクではあるが | 【この記事の要約】 2025年通年のEV販売台数で、BYD(226万台)がテスラ(164万台)を初めて年間で上回り世界首位に テス ...

続きを見る

そしてBMWはこの現状を打破するため、2026年の幕開けとともに衝撃的な価格改定を発表したわけですが、これは単なる一時的なキャンペーンや在庫処分ではなく、ブランドの敷居を戦略的に下げ、中国独自のEVエコシステムに深く食い込むための「文字通りのブランド再定義」ともいうべき戦略です。

IMG_2291


値下げ幅16%〜24%、 フラッグシップからエントリーまで全方位の値下げ

今回の価格改定は驚くほど広範囲かつ大胆なもので、特にEVモデルの下げ幅が大きく、BMWの本気度が伺えます。

【主要モデルの価格改定(抜粋)】

車種名旧価格(人民元)新価格(人民元)値下げ幅値下げ額(日本円換算*)
iX1 eDrive25L (EV)¥299,900¥228,00024%約150万円
i7 M70L (EV)¥1,899,000¥1,598,00016%約632万円
X2 xDrive25i¥349,900¥278,00021%約151万円
735Li¥919,000¥808,00012%約233万円
225L M Sport¥259,900¥208,00020%約109万円
DSC08107

香港の中国車
中国における「売上高」「1台あたりの平均売価」ランキングが公開。なんとBMWより高いお金を払ってでも中国車を購入する人多数、ランドローバーは「1台あたり2186万円で」販売されている

| 普及価格帯における競争のみならず、プレミアムセグメントでの競争もいっそう厳しくなるであろう | そして「ブランド力」「排他性」がモノを言うのも間違いない さて、中国のソーシャルメディアが「2024 ...

続きを見る


なぜBMWはここまでの「安売り」に踏み切ったのか?

BMWはこの動きを「価格競争(Price War)」ではなく、「In China, For China(中国に根ざし、中国のために)」戦略に基づく「システム・バリュー・アップグレード」と表現。

  1. 実勢価格とのギャップ解消: 実際にはこれまでもディーラーレベルで大幅な値引きが行われており、今回のMSRP(希望小売価格)引き下げは、その実態を公式化したもの
  2. 中間層の取り込み: これまでBMWは「30万元以上の富裕層向け」というイメージが強く、しかし今回の改定で30万元以下のラインナップを3車種から10車種へ拡充。中国産EVの主力価格帯に真っ向から対抗している
  3. NEV(新エネルギー車)シェアの死守: 2026年には中国専用のロングホイールベース版「次世代iX3」の投入も控えており、今のうちに顧客をブランドに繋ぎ止めておく必要がある
BMW
中国では「今年、2,000ものディーラーが閉鎖され、既存店舗の半数が赤字に」。BMWやメルセデス・ベンツ等欧州自動車メーカーは中国のディーラーに多額の補助を行っているとの報道

| ただしこの状況が改善する見込みはなく、よって「補助」を行うという行為はその場しのぎであり持続可能性を欠いている | この様相が続けばどこかの時点で「中国市場からの撤退」を考えなければならないだろう ...

続きを見る

DSC07748

BMWとポルシェが中国で“完敗”。 「ファーウェイの電気自動車」が高級車試乗で首位に立ち富裕層を独占するという衝撃の事態へ
BMWとポルシェが中国で“完敗”。 「ファーウェイの電気自動車」が高級車試乗で首位に立ち富裕層を独占するという衝撃の事態へ

| たしかにファーウェイの最高級車、「マエストロ S800」は悪くないクルマである | この記事の要約 歴史的逆転: ファーウェイ×JACの「Maextro S800」が、100万元(約2100万円) ...

続きを見る


結論:2026年、中国市場は「外資の逆襲」が始まるか?

2025年末にテスラが首位から陥落し、中国市場の勢力図が次々と塗り替えられる中、BMWのこの決断は「伝統ブランドが生き残るための唯一の道」かもしれません。

大幅な値下げはブランド価値を毀損するリスクもありますが、BMWは「より多くの人にBMWを」というアクセシビリティの向上を優先したということとなり、これによってメルセデス・ベンツやアウディもさらなる追随を余儀なくされるのは間違いないものと思われます。

世界最大の市場、中国。

2026年は、かつての絶対君主たちが「価格」という最大の武器を持って、BYDやテスラという新星に挑む、リベンジの年になりそうです。

DSC07574

合わせて読みたい、関連投稿

メルセデス・ベンツ
もはやメルセデス、BMW、アウディも「中国市場では歓迎されない」状況に。完全に時代に取り残され、中国車を「追う」立場へ

| まさかこの短期間ですべての状況が逆転しようとは | そしてこの状況を再び「ひっくり返す」ことは難しいであろう さて、とにかく欧州の自動車メーカーが現在頭を悩ませているのが「中国での販売状況」。簡単 ...

続きを見る

ポルシェ
ポルシェは中国においてBMWやメルセデス・ベンツよりも大きな販売減少を記録。現地では「ポルシェは他のブランドに置き換え可能」なブランドにすぎない?

| ボクらにとってポルシェは「唯一無二、孤高の」スポーツカーブランドであるが、中国市場では「そうではない」 | 中国市場にポルシェが正式に参入したのは「カイエンの発売」とほぼ同時である さて、中国が「 ...

続きを見る

BMW「今後3年間において40もの新型車を発表」。新型車ラッシュにて中国市場での落ち込みをカバーできるか
BMW「今後3年間において40もの新型車を発表」。新型車ラッシュにて中国市場での落ち込みをカバーできるか

Image:BMW | BMWは現在「全世界の市場において」非常に厳しい状況にある | ただし新型車の導入があったとしても「先行きが不透明」であることは変わらない さて、BMWが年次総会を開催し、いく ...

続きを見る

参照:CarNewsChina

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->BMW(ビー・エム・ダブリュー)
-, ,