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■TEST DRIVE(色々な車の試乗記) >マツダ(MAZDA)

買わない理由が見当たらない。マツダの印象をひっくり返す、CX-3に試乗する

2016/12/22

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マツダCX-3に試乗。
今回テストしたのはCX-3 XD Touring Lパッケージ(2WD)。
全長4275、全幅1765、全高1550と非常にコンパクトです。

フロントタイヤを比較的前方に押しやり、フロントフェンダーとボンネットを「うねらせて」躍動感を演出する最近のマツダのデザインとはやや異なり、ウエッジシェイプを強調したシルエットが特徴。
サイドウインドウの天地が狭く、リアウインドウも比較的「寝て」いるためにクーペのような、そしてアグレッシブなスタイリングですね。

エンジンは1.5リットルディーゼルターボのみで105馬力。
重量は2WDで1260キロ、4WDで1330キロ、とまずまず軽量な部類ですね。
燃費はカタログ値で(ATでは)リッターあたり21〜23キロと非常に優秀です。

最近のマツダは塗装にもこだわっていて、とくにメタリックカラーは非常に美しいですね。
ディーラーにはソウルレッドプレミアムメタリック、セラミックメタリック、チタニウムフラッシュマイカの個体がありましたが、新色のセラミックメタリックはポルシェでいう「キャララホワイトメタリック」のような、ややグレーがかった白で高級感があるように思います。
ソウルレッドプレミアムメタリックは相変わらずの輝きですが、ぼく的に気に入ったのはチタニウムフラッシュマイカ。
陰影が美しく、ボディの抑揚がくっきり出ているように思います。

とにかく外観としては素晴らしく、ステーションワゴンという形式ながらもボディの天地を薄くし、ウエッジシェイプと緩やかな傾斜のリアウインドウ、樹脂製のフェンダーアーチ採用によってマスを小さく見せているところは秀逸(このあたりはレンジローバー・イヴォークが先駆けた手法)。
このコンパクトなサイズのボディに対して18インチのホイールサイズは十分すぎるほどで、タイヤがかなり外まで出ていることもあって「踏ん張った」印象があります。
日本車離れしたルックスと言ってよく、デザインだけでも積極的に選ぶ理由がありそうな車ですね。

さて、さっそく試乗に移りますが、運転席に乗り込んでドアを閉めた時の音からして驚きます。
ドア自体は軽いのですが、閉まる時の音が非常に重厚。
かつ高い精度を伺わせる締まり方で、VWやアウディと比べても引けを取らないといった感じです。

ドライビングポジションについてはマツダがこだわったところで、前方に押しやったフロントタイヤのおかげで足元は広く、ペダル類の配置もごく自然。

ちょっと気になったのは、狭い天地のおかげで高くなったベルトライン。
このおかげで囲まれ感が強くスポーティーな印象を受けるのは良いですが、やや周囲の安全確認が難しくなっているのも事実。
ブラインド・スポット・モニタリングは必須と言えるでしょう。
左斜め前方の視界もやや狭く、もうちょっとAピラーが細い方が良いですね。
もしくは三角窓を装備するなど、もうちょっと視界に配慮があれば良かったと思います(このあたりは慣れが解決すると思いますが)。

ドライビングポジションとミラーをあわせ、ステアリング付け根の左あたりにあるスタートボタンを押し、いざエンジンスタート。
わかってはいましたが、ディーゼル特有の音が意外に大きいのには驚きます(BMWのディーゼルに比べてもかなり大きい)。
試乗車にはこの音を軽減する「ナチュラル・サウンド・スムーザー」が装備されますが、それでも相当に大きな音と振動が出るので、これは覚悟しておいたほうが良いでしょう。

ただし一旦走り出してしまえばほとんど音は気にならず、この音が大きく感じられるのはアイドリング時とクリープ(かなり強い)で動いている時くらい。
走行しだすと非常に静かですね。

走る出して感じるのは質感の高さ。
内装はまったく軋む様子がなく、段差越えもいたってスムーズ。
初期のあたりが柔らかく、ダンピングはやや固め。BMWとアウディの中間のようなイメージ(というか”いいとこ取り”のように思える)。

ウインカーレバーのタッチも上々で、これは完全に国産車離れしています。
VWアウディグループのタッチを超え、BMW車並みかそれ以上と言って良いでしょうね。
メーターは小ぶりですが美しく、インデックス(指針)がこれもレンジローバー・イヴォークのようにクリアパーツで別に装備されます。
また、ダイアル外周に段差がありその段差にもイルミネーションが仕込んであるなど、非常に凝ったつくり。

ただ、内装の樹脂の質感はいまひとつで、これは大きく欧州車に遅れをとるところ。
いかにも樹脂といった感じで、微妙なツヤがって高級感に欠けるのは残念です。
ただ、これは張り替えや塗装でカバーできるので、車の構造に関わるような問題ではないと言っても良いでしょう。

さて、しばらく走行しますが、急加速や急ブレーキを意図的に行ってもピッチングはほとんどなく、とくに国産車にありがちなノーズダイブも感じられないのには驚きます。
カーブを意図的にクイックに曲がったり、ダブルレーンチェンジを行っても不自然な挙動やゆり戻しもなく、よほど足回りにお金をかけている模様。
ステアリングはたぶんロック・トゥ・ロックが大きいように思います(かなり回転させないといけない場面もあったので)。
操舵感やペダルを操作した時のフィーリングもごく自然で、違和感がないところも美点と言えます。

なお、速度感は非常に希薄。
知らないうちにスピードが出ているという感じですが、そのスピードが出ていることをまったく感じさせないのですね。
これもなかなかできることではなく、ボディ剛性が非常に高いということを意味します。

市場を終えてディーラーに戻り、所定の位置にバックで駐車させてもらいましたが(試乗はできれば自分でエンジンをかけ、駐車場所まで戻し、エンジンを切って終わりたい。そのほうが実際の使用環境に近いので)、切り返しも必要なく、狙ったところにピタリと収まります。
この「狙ったところに収まる」というのは非常に重要で、これができるかどうか、はぼくの車選びの重要なひとつのポイントとなっています。
ぴたりと収まるということは、車両感覚がつかみやすいのはもちろんですが、「これだけ曲がるだろうと予想してステアリングを切った結果、予想と同じだけ車が曲がった」ことを意味するからです。
単純なようですが、これができる車(というか、自分の感覚と操作した内容、そして結果が一致するかどうかなので人によって変わると思いますが)は非常に少ないのですね。

正直なところ、国産車に試乗してこんなに驚いたのははじめてで、4WDでほぼ考えられるオプションをつけたとしても総支払額350万円で収まる、というのは驚異というより他ありません(国産車としてみれば高額ですが、欧州車であれば、確実にここから100−150万円くらい必要)。

気になるところがあるとすれば前述の「視界」、内装の樹脂の質感、そしてサイドブレーキが電気式ではないことくらい。
ただしそれらも車としての基本的な作り、走りにはまったく影響を及ぼすところではなく、許容の範囲というか、車の魅力に比べると大した問題では無いように思えます。

(デミオベースですが)アクセラの車高が高くなったくらいだろう、に考えていたものの、実際に試乗してかなり驚かされた一台。
もうちょっと試乗を続けたいと思わせる稀有な車であり、乗った後に気分が明るくなる珍しい一台でもあります。
まず買っても後悔しない一台と言えるでしょう。

これまでの試乗レポートは下記のとおり。
最新の試乗レポートはこちらにあります。



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