アウディTTが納車され、ほぼ二ヶ月が過ぎ去ろうとしていますが、その間におおよそ4000キロほど走行。
給油回数もそれなりに増え、燃費も安定してきた頃と思われます(納車直後はカスタムなどでショップに入庫することが多く、そのために短距離の移動やアイドリング状態が続くことが多く、燃費が悪くなる)。
ここでざっと計算してみると、今までの燃費はリッターあたり13.1キロ。
カタログ燃費がリッターあたり14.7キロなので、それに近い数字が出ていることになりますが、「4WD」ということを考えるとまずまずの燃費、と言えそうです。
なお、FFモデルのTT(1.8リッター)の燃費はリッターあたり16.6キロ、とかなり優れた数字(カタログ値)。
面白いのはTTのスポーティーバージョン、「TTS」のほうが1.8リッターのFF(1.8TFSI)、2リッターのTT(2.0TFSI Quattro)よりも燃費がよく、カタログ上では「リッターあたり14.9キロ」となっていること。
「TT 2.0TFSI」「TTS」ともにエンジンは同じ2リッターですが、エンジン型式は異なり、前者はCHH、後者はCJX。
正確な排気量は両方とも1984ccなのでボア×ストロークも同じだと思われ、ターボチャージャーのサイズが異なるのかもしれません。
なお、出力に関しては「TT 2.0TFSI」が230馬力、「TTS」では286馬力となっており、トランスミッションは両方とも6速デュアルクラッチ。
セオリー通りだと排気量やトランスミッションが同じ場合、「馬力が大きいエンジンのほうが燃費に劣る」ことになりますが、TTとTTSとの関係に置いてはそれが当てはまらない、ということですね。
現在、フォルクスワーゲン・アウディグループは燃費向上の手段として「コースティング(空走)」「アイドリングストップ」を多用。
コースティングについてはアクセルペダルを離すと即「クラッチが切り離され」、つまりニュートラル状態となり、これでエンジン回転数を抑えることに。
ただし下り坂などでエンジンブレーキが必要な場合(アクセルを踏んでいない状態で、車が過度に加速しないように)にはこのコースティングが働かず、平地であってもコースティング中に一回ブレーキペダルを踏むとクラッチが繋がったままになりコースティングが解除されます。
これを「コースティング」に戻すには、アクセルペダルを一瞬だけ軽く踏むとクラッチが切り離されて空走に復帰するのですが、チョンとアクセルペダルを踏むだけではエンジン回転数は上がらないので、こういったアクセルペダルの使い方(クラッチ切り離しのためのスイッチとして)も考慮されているのかもしれません。
アイドリングストップは文字通りの機能で、今やどの車にも装備される燃費向上対策ではあるものの、フォルクスワーゲン・アウディグループの車は「アイドリングストップ=エンジンが停止する」タイミングがかなり早く、最新モデル(アウディだとQ2、ポルシェだとパナメーラ)では「車が停止してから」エンジンが止まるのではなく、「車が停止する直前に」エンジンが止まる仕様となっています。
つまり「ちょっとでも早くガソリンの供給をストップすることで燃費やCO2排出抑制を向上させる」という考え方。
ただしはじめてこれを体験するとちょっと驚くのも事実で、「オイオイまだ車が動いているのにエンジンが止まるのか」とびっくりすることに。
もちろん研究に研究を重ねた結果なので問題はないのですが、エンジンが停止するということは多くの機能もあわせて停止してしまうこということになり、パワステも同時に作動しなくなるので、「車が動いている時にアイドリングストップが作動すると、重ステになる」わけですね。
よって停止直前にステアリングを切るようなケース(稀ですが)では、ここでアイドリングストップが折悪しく作動すると「いきなり重ステ」になってしまうことに。
アイドリングストップの作動条件としてはいくつかあると思われ、その中に「ステアリングの切れ角」もあると考えられるものの、ステアリングホイール操作角度が不足していたり、タイミングの問題でステアリング操作を検知できないと上記のような状況となるのかもしれません。
パワーステアリングについては「電動化」されているのでエンジンから油圧を作動させるためのパワーを得ているわけではないのですが、この状況を鑑みるに、電動パワステへの電力供給も「アイドリングストップと同時に」停止するということになりそうですね。
なお、こういった事象については、様々なデータをもとに改善されてゆくと思われ、またカメラによって信号を認識し「青信号で、かつ前車が加速しているとアイドリングストップが作動しない」などのロジックが付加されてゆくものと思われます。