近年の国産車において、デザイン性は大きく向上している
最近の国産車について、デザインがぐっと良くなったように思います。
というのも、今までは「日本のデザインスタジオだけで」デザインされていたものが、そのメーカーの持つ「日本国外の」欧州や北米のデザインセンターでデザインされるようになったり、各国のスタジオが出してきたデザイン案をコンペにかけたり融合させたりするようになった(国産車のデザインが世界レベルになった)、ということがその理由かもしれません。
現代においては、ほとんどのメーカーにて、そしてほとんどの車種が「世界共通」仕様となっており、つまり「世界戦略車」ということに。
よって「世界中どこの市場においてもライバルに打ち勝つことができる」デザインを持つ必要があり、そのぶんデザインにかけられるコストが一昔前に比べると増加した、と考えられそうです。
どのメーカーも考えるのは「顧客層の若返り」だ
そして、各メーカーとも考えるのが「顧客層の若返り」。
現実的な問題として、一定年齢になると車に乗らなくなるということを考えた場合、そのメーカーの顧客層が「高年齢化」し、かつそれが進行してしまうと、将来的に販売台数が急激に減少する可能性もあるわけですね。
それを防ぐためには顧客層の若返りを狙い、常に若い層を取り入れる必要がありますが、それに成功できれば「若い人々は」そのメーカーの車を将来的に何台も買い換えてくれる可能性があり(しかし高齢者だとその可能性は低くなってくる)、よって各メーカーとも「若年層」の取り込みとロイヤルカスタマー化が急務となってきます。
よって各社のデザインは「若作り」に
そのため自動車メーカー各社のデザインは「若者を取り入れるべく」若作りになっているように思われ、例えばホンダだとフィットやシビック(特にタイプR)ではその傾向が顕著。
トヨタでもC-HRはかなり若者を意識したデザインだと言えそうです。
もちろんこれはこれで「一つの正解」であり問題はないのですが、逆に「年配の人」が乗るにはちょっと抵抗のあるデザインかもしれない、と考えたり。
おそらく年配の人で、実はフィットやC-HR、シビック・タイプRを欲しいと考えていても「デザイン的にちょっと自分の年齢とは話ないかもしれない」と考える人もいるはずで、自分の好き嫌いに関わらず(つまりその若作りなデザインが好きであったとしても)「他人から若作りしているオッサンだと思われるのが嫌で」その車を買わない人もいるかもしれません。
加えて「年配の人」がそういった若作りの車、特に派手なシビック・タイプRに乗っていたりすると「いい歳して」とか「その車に全てを突っ込んでる」はたまた「そんなんだから結婚できないのよ」など実際とは無関係の判断(実際は家族もいて、何台も車を持っているとしても)を周囲から下されることもあると思われ、それを避けたいがために「やはり買わない」というケースもあるのでは、と考えるのですね。
フェラーリやランボルギーニは派手でも「若作り」でないのは何故なのか
ただ、「派手」で知られるフェラーリやランボルギーニに年配の人が乗っていたとしても「若作りしている」とみられることはないと思われ(マクラーレンやポルシェ911GT3RSも同じ)、こういった欧州のスーパースポーツと国産車における「派手」とはちょっと質が異なるものである、とも考えられます。
さらには欧州自動車メーカー、例えばメルセデス・ベンツやBMW、アウディといったジャーマンスリーの「エントリーモデル」つまり若者向けの車であっても「若作り」ではないですし、ミニやフィアット500に年配の人が乗っていても「いい歳して」とは思われないはずで(むしろ”いい趣味をしている”と思われるかも)、コンパクトクラスにおいても欧州自動車メーカー、そして日本車とではややイメージや受け取られ方において差があるようですね。