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VWが「アルテオン」発表、価格は549-599万円。一瞬(VWにしては)高価に思えたが意外といいかも

2017/10/18

フェートンの失敗をものともせず。VWががフラッグシップセダン「アルテオン」発表

今回は価格抑えめ。549万円-599万円

フォルクスワーゲンが日本において「アルテオン(Arteon)」発表。
「いつもと違う、フォルクスワーゲン」がテーマのクーペスタイルを持つサルーンですが、なかなかに流麗なスタイルを持っていますね。
エンジンは2リッターTSI(280馬力)、トランスミッションは7速DSG、駆動方式は4WD。

アルテオンの前にフェートンを語らねばなるまい

なおフォルクスワーゲンは以前にもフラッグシップセダンとして「フェートン」を販売しており(日本には未導入)、これはなんと価格1000万円オーバーの高級セダン。
日本だとフォルクスワーゲンは「ガイシャ」扱いでまだ他の国よりもそのイメージが良い方だと考えていますが、おおよそ他の国では「比較的安価なブランド」というイメージが強く、そこでメルセデス・ベンツSクラスやBMW7シリーズ、アウディA8等と同じ価格で販売されたため、「記録的な惨敗」となっています。

↓これがフェートン。中国では意外とよく見る

「フォルクスワーゲン」はその名の通り「人民の車」という社名を持ち、やはり名は体を表すというか安価な普及価格帯の車が多く、しかし自動車メーカーとして利益を上げるために「ブランドの上位移行」が必須なわけですね。

そのため、前VW会長のフェルディナント・ピエヒ氏のツルの一声で開発→販売となったものの、結果は火を見るよりも明らかとなり、発売開始直後でも年間予定販売台数に対し1/4以下という状況。

しかしながらこのフェートンはディーゼルゲート以降もなぜか販売され続け(これよりも売れていたEOSはディーゼル不正事件の影響で生産が打ち切られた)、どうしてこのモデルが生き残っているのかはまったくの謎。
しかも後継のウワサも出ているほどで、大丈夫かフォルクスワーゲン?という感じです。
VW七不思議というものがあれば、必ずやそこにカウントされるほどのミステリーでもありますね。

フェートンについて、昨年まで製造されていたことは確認されていますが(14年間も生き残った)、今回の「アルテオン」について「フラッグシップ」と名乗らせたということはフェートンもついにそのライフが尽きた、ということに。

話をアルテオンに戻そう

そんなわけでアルテオン(Arteon)ですが、この名称の由来は、独における製品評価ランクA/B/C/D/Eのうち最高の「A」を頭文字に、「ART」をプラス、そして欧州や中国で販売されるセダン「Phideon」を組み合わせたもの。
ちなみに「フェートン(Pheaton)」の名称はギリシア神話の太陽神である「ヘーリオス」の息子の名前から。
おそらくこのときから車名の最後に「トン」がつくのはVWの高級セダンにおける通例となったのだと思われます。

↓こちらはPhideon

アルテオンのボディサイズは全長4865ミリ、前幅1875ミリ、全高1435ミリ。
デジタルメーターを持つ内装、VW初のデイタイムランニングランプを持つ外装などが特徴。

大きなフロントグリル開口部を持ち、ボンネット左右の端から一気に車体後半まで流れるラインが特徴。
これはアウディにも通じるもので、品質の高さを感じさせるプレスラインを持っており、ボディカラーによっては美しい印影を見せてくれそうですね。

全体的に「上下に薄い(厚みがない)」印象がありますが、これがスタイリッシュさを演出する一つの要素と思われ、加えてタイヤ/ホイールを相対的に大きく見せており、「分厚いセダンの多い」状況ではかえって新鮮。

価格的には600万円に迫ろうというもので、この数字だけを見ると「誰が買うのか」と思ったりするものの、装備内容とくに安全性能を見てゆくと充実度合いが高く、内外装各装備、4WDで280馬力ということを考えると「お買い得なんじゃないか」と思えるもの。

おそらくフェートンで失敗した内容(見た目がちょっと落ち着きすぎていて価格が高く、フェートンを購入する理由がなかった)をしっかり分析し、それを活かしてスタイリッシュで若々しく、装備もほかと比べて競争力のあるものを装備してきたのでしょうね。

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