ウルスのハイブリッドモデルは「対中政策」において必要
AutoExpress報じるところによると、発表されたランボルギーニ・ウルスにつき、ランボルギーニ関係者の話だとして「ディーゼルはない」、そして「ハイブリッドは”必要だ”」というコメントがあった、とのこと。
ウルスはランボルギーニの属するフォルクスワーゲン・アウディグループの他ブランドの車と車体やパワートレーンなどを共有。
具体的にはポルシェ・カイエン、ベントレー・ベンテイガ、アウディQ7と兄弟とも言える関係です。
ランボルギーニはグループ内の「資産」を使える環境にある
そのため、これまでにランボルギーニが採用してこなかった新規デバイスを持ちながらも「ランボルギーニとしては最も安価な」価格設定を実現できたということになります。
そしてウルスの「兄弟」たちはディーゼルエンジンを持っており、そのためウルスにもディーゼルエンジンを載せるのは「難しいことでは」なさそう。
にも関わらずディーゼルエンジンをウルスに与えないということは、ウルスは「パフォーマンス重視のSUV」であり、ディーゼルエンジンでは求めるパフォーマンスを実現できない、ということなのかもしれません。
なお、ウルスはランボルギーニにとって「対中戦略車」としてのポジションもあり、そこで最も大きな意味は「4リッター以下」のエンジンを積んでいる、ということ。
中国では4リッター以下とそれ以上とでは税金が大きく変わり(12%から40%に)、よってウルスは「中国ではかなり安価に販売できる初めてのランボルギーニ」に。
ランボルギーニは中国におけるスーパースポーツ販売を絞りたい
現在、フェラーリもそうですが、ランボルギーニも中国における販売を「絞る」動きを見せています。
これはイメージ的なものもあり、スーパーカーに乗って事故をバンバン起こされるとブランドイメージが失墜するためで(中国はお金持ちになって日が浅いので、運転歴も浅い人が多い)、しかし中国は「売れる」国でもあり、そこが悩みどころでもあるわけですね。
そこでSUVの登場ですが、これだと(車の性格上)無茶な運転をして事故を起こす確率はスーパースポーツほど高くないと思われ、「安心して中国で販売できる」ことに。
よってランボルギーニは中国においてウルスを売りまくり、スーパースポーツは他の(スーパーカー経験値の高い)国で売り、かつ生産も年間3500台程度に絞ることで価値を上げようということなのだと思われますが、とにかく中国ではウルスを得る必要がある、と思われます。
そこで「必要」になるのがプラグインハイブリッドだと思われ、上での発言に結びつくものだと考えられます(おそらく中国においてはプラグインハイブリッドに優遇策がある、もしくはガソリン車に規制が入る可能性があるのだと思われる)。
ただしウルスにとってプラグインハイブリッド車を設定するのは難しいことではなく、すでにポルシェが「カイエン・ターボS Eハイブリッド」に積んでいるシステムを使用することができるため。
もちろん調整は必要ですが、その調整とともにカイエン・ターボS Eハイブリッドの「システム合計680馬力」を上回る設定となるのは間違いなく、これによってさらに中国におけるウルスの販売に弾みをつけたいのかもしれません。