| BMWは早々と中国でのミニ生産を決断 |
BMWが中国の長城汽車(Great Wall Motor)との間で、中国にてミニのエレクトリックモデルを生産することで合意し、契約書を締結したとの報道。
BMWは昨年末にこの長城汽車との合弁にて中国へ工場を建設すると発表していますが、そこで生産するモデルが「ミニのエレクトリックモデル」ということになりますね。
最初のエレクトリックモデルは英国製
ただし「すぐに」ミニのエレクトリックモデルを中国で生産するのは危険だと判断したのか、BMWは「最初のエレクトリック・ミニ」についてはオックスフォード(英国)で生産する、とも発言。
その後に中国でのエレクトリック・ミニ生産に入るようですが、まずはこれを中国市場で販売し、様子を見てから中国外へ(世界中へ)輸出を行うのかもしれません。
なおBMWは海外での生産に昔から積極的な会社で、しかしはじめて本国ドイツ以外で生産を行うことになったアメリカでは「思うような品質を再現」できず、アメリカで作ったものをドイツに運び、そこで検品してからまた世界中へ輸出する羽目に。
こういった経験もあり、「しょっぱなから中国生産は行わない」のかもしれませんが、それでもBMWが本国以外でエンジンを生産しているのは「中国のみ」で、中国および中国市場に対する期待の大きさも伺えます。
現在BMWは中国において長城汽車のほか、華晨汽車(BRILLIANCE)との合弁にてエンジンや車体を生産していて、現地で「合弁」を設立している理由としては、「中国において、外国企業は合弁でなければ進出できない」ため。
つまりは株式の過半数を現地企業にもたせないと中国で会社を作って生産ができないということになり、しかしそうすると現地企業に「技術が移転してしまう」ことに(これが中国の狙いで、だからこそ中国の自動車産業は急成長を遂げている)。
しかし合弁にて現地生産を行わず、中国に完成車を「輸入」するとなると高額な関税が課されて中国国内では「高くて売れない」車になってしまい、たとえ技術を盗まれるとしても合弁しかいない、というのが現状です。
現在、中国と外国の自動車メーカーとの合弁内容はこんな感じ
第一汽車(FAW)・・・フォルクスワーゲン、トヨタ、ダイハツ、マツダ、アウディと合弁を展開
上海汽車(SAIC)・・・フォルクスワーゲン、アウディ、GM、セアトと合弁を展開。ローバーブランドを保有
東風汽車(DFM)・・・日産、ホンダ、プジョー/シトロエン、キアと合弁を展開
長安汽車(CHANGAN)・・・フォード、スズキ、三菱と合弁を展開。イヴォークのパクリ車を製造するLANDWINDブランドを保有
奇瑞汽車(CHERY)・・・合弁はなく自社ブランドのみで企業活動を行う珍しいパターン
ビッグ5以外(一部)
北京汽車(BAIC)・・・メルセデス・ベンツとの合弁を展開
広州汽車(GAC)・・・ホンダ、トヨタ、フィアット、三菱と合弁を展開
吉利汽車(GEELY)・・・ボルボ、ロータスを買収、新ブランドLynk&Co.を展開
長城汽車(GREATWALL)・・・BMW(MINI)と提携しアメリカに工場建設
比亜迪汽車(BYD)・・・メルセデス・ベンツとEV生産で合弁
華晨汽車(BRILLIANCE)・・・BMWと合弁
浙江衆泰控股集団(ZOTYE)・・・ポルシェ・マカンほかのパクリメーカー。フォードとEV生産で合弁設立
江淮汽車(JAC)・・・フォルクスワーゲンとEV生産で合弁
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