| メルセデス・ベンツ、ついに中国の軍門に下る |
メルセデス・ベンツの親会社、ダイムラーが中国・吉利汽車CEO、李書福氏との対話を持ったと公表。
現在、李書福氏はダイムラーの株式9.7%を「個人で」所有し、筆頭株主に躍り出た人物ですね。
もともと吉利は冷蔵庫メーカーであったものの、「中国でもベンツのようなクルマを造りたい」という志のもと自動車製造会社を興し現在にいたる(ボルボやロータス、ロンドンタクシーも参加に収めている)わけですが、少し前にメルセデス・ベンツと提携を行おうと話を持ちかけたところ「対話を拒否」されたために株式の買い占めに走った、という経緯が。
吉利汽車CEO、李書福氏との今後の関係は?
メルセデス・ベンツは対話を拒否したことで手痛いしっぺ返しを食らったことになりますが、「買い占めを防げなかった」のは一つの謎。
もちろん李書福氏はメルセデス・ベンツ(ダイムラー)に気づかれないように様々な手段と名義を使用して株式を買い集めたそうですが、とにかくここ最近でもっとも衝撃的な自動車業界におけるニュースだと言えそうです。
そんな李書福氏とメルセデス・ベンツについて、上述のように「ついに対話実現」。
年一回行われるダイムラーの株主総会において会長のディーター・ツェッツェ氏は「李書福氏との会合はとてもポジティブだった」と報告。
「彼わ我々に投資し、長期的に我々の成功戦略をサポートする方針だ」と述べていますが、株式取得前の「李書福氏?誰それ?」という態度とは当然ながら一変することに。
さらには「中国は最も重要な市場であり、最大の株主である李書福氏と今後のビジネスについて協議する」と語るなど、かなり中国寄りの姿勢となっています。
なおメルセデス・ベンツは最近もダライ・ラマの言葉を引用した画像をインスタグラムに公開したことで中国政府から難色を示され、これを取り下げて公式に謝罪するなど「中国には頭が上がらない」ようですね。
何が問題?ベンツがダライ・ラマの言葉を引用→中国との政治問題に→ベンツ謝罪
大きな問題となりそうなのはメルセデス・ベンツにおける中国の合弁相手、「BAIC(北京汽車)」。
これはまったく吉利汽車とは無関係で、当然ながら中国市場における競合相手となります。
このBAICは吉利汽車(李書福氏)がどう出るかについて真鍮穏やかではないはずで、もしかしたら今までメルセデス・ベンツとともに築いてきたものが一瞬にしてパーになる可能性も(ただ、現実的にそうなるとダイムラーはもちろんのこと、その筆頭株主の李書福氏も損害を被るので、実際には何も起きないと思われる)。