| ついに登場、ロングホイールベースのAクラスセダン |
メルセデス・ベンツが中国専用モデル、「Aクラスセダン(ロングホイールベース)」を発表。
メルセデス・ベンツやBMW、アウディ、フォルクスワーゲンなど、中国に力を入れているメーカーはいずれも中国向けに「ロングホイールベース」を導入しており、ラージサイズのセダンだけでなくコンパクトクラスやSUVにおいてもそれは同様。
中国では「大きな車」「広い室内」が好まれるためですが、中国特有の現象でもありますね。
中国では「サイズ」がモノを言う
中国向けメルセデス・ベンツAクラス・セダンのデザインは当然ながら先に発表されたAクラス・ハッチバックによく似ていて、フロントにはこれからしばらくメルセデス・ベンツの「顔」となるプレデター・フェイスが採用に。
一瞬「CLS」と見紛うほどのスタイリッシュさを持っていますが(やはりホイールベースが長いのでデザイン的に余裕があるのだと思う)、サイドウインドウのグラフィックを見るとやはり後席部のルーフにも余裕があるようですね。※CLSやCLAのサイドウインドウは「半円型」となっている
なお、この「メルセデス・ベンツAクラスセダン」は昨年中国で発表された「コンセプトAセダン」の市販モデルということになり、ちょうど一年を経て市場へ投入されたということに。
↓こちらがコンセプトAセダン
Mercedes-Benz Concept A Sedan, 2017コンセプトAセダンと比較すると、ドアミラーやフロントグリル、ドアハンドル(ポップアップ式)など細部は異なるものの、全体的なシルエット、ベースとなるデザイン(フロントグリルの角度など)は驚くほど忠実に再現されていることもわかりますね。
なお、基本となる車体が小さいせいか、ホイールが大きく見え、けっこうスポーティーな印象も(ホイールは19インチまでを選択できる)。
ホイールベースは「60ミリ」延長されており、トランクスペースも420リッターと広大。
これだけの広さがあれば中国人も満足かもしれません(とにかく広さや大きさには強いこだわりがあり、以前には恋人の買ったアウディQ3が”小さすぎる”としてレンガでQ3を破壊した女性の動画もアップされていた)。
リアのエンブレムは北京汽車とメルセデス・ベンツとの合弁企業、「北京奔驰」のエンブレム。
奔驰は中国語で「べんちー」と発音し、”当て字”ということになりますね。
なおメルセデス・ベンツは「 梅赛德斯・奔驰(めいさいどぅす・べんちー)」と表記されますが、中国では現地生産を行うクルマについて、漢字エンブレムは法律上、表示義務があるとされています。
この角度だと「ロングホイールベース」ということがよくわかります。
意外といいかも。
インテリアに採用されるデバイスはAクラス・ハッチバック同様。
もちろん表記は中国語です。
これはアンビエント照明の調整画面。
詰まりは最先端の技術がこのAクラス・セダンに採用されているということになりますが、これによって合弁相手の北京汽車にもメルセデス・ベンツの先端技術が「流出」してしまうことになるわけですね。
リアのバッジには”L”の文字が燦然と輝くことに。
エンジンは134馬力/161馬力の1.33リッターエンジン、188馬力の2リッターエンジンが用意され(中国ではサイズに対しての要望は強くとも、パワーに対してはそうでもない?)、トランスミッションは7速デュアルクラッチ。
もちろん販売は中国国内のみで、他の国においては導入の予定はナシ(あったとしても、中国製のメルセデス・ベンツAクラスセダンが輸出されることに)。
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Mercedes-Benz Concept A Sedan, 2017メルセデス・ベンツが北京モーターショーにおいて「Aクラス・セダン」を発表するとのウワサ。
もちろん新型Aクラス・ハッチバックをベースとしており、アウディA3セダン、BMW1シリーズ・セダン(中国のみで販売されている)への対抗ということになり、製造はメルセデス・ベンツの中国におけるパートナー、北京汽車との合弁企業での生産ということになりそうです(ということは日本に導入されたとしても中国製、ということに)。
なお顔面は最新のメルセデス・ベンツのデザイン言語を反映した「プレデター・フェイス」、その後ろはCクラスのような「よりコンサバティブな」デザインになるとされていますが、もちろん現時点ではウワサの範疇を出ず、発表自体やデザインについても不明。
インテリアは新型Aクラス・ハッチバックをベースとし、メルセデス・ベンツ渾身のMBUX=Mercedes-Benz User Experienceが与えられる見込み。
Mercedes-Benz Concept A Sedan, 2017エンジンはAクラス・ハッチバックと同じく1.3リッター4気筒(163馬力)、2リッター4気筒(224馬力)がラインナップされると目されますが、AMGバージョンが投入されるかどうかは不明。
なお、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ共に中国で販売されるモデルのほとんどは「中国生産」となっています。
しかしながら「AMG」「M」「S/RS」といったハイパフォーマンスモデルは本国ドイツで生産されたものを輸入することになり、よって中国ではたとえば「BMW 3シリーズ」と「M3」との価格が「とんでもなく」開くことに(日本での差が2倍くらいだとすると、中国では6倍くらいの差がある)。
なおメルセデス・ベンツは若年層の取り込みならびにブランドの若返りを狙い「FFモデルの拡充」を図っていますが、これは中国でも同じなのかもしれず、Aクラス・セダンは「中国市場重視」のメルセデス・ベンツにとって大きな意味を持つのかもしれません。