| おそらく世界最高のショーファー・ドリブン・カー |
トヨタがついに新型センチュリーをフルモデルチェンジして発表。
まずトヨタによれば、新型センチュリーの概要は下記の通り(トヨタからのプレスリリースはこちら)。
・後席のVIPが快適に寛げることを最優先に考えた室内空間と、乗り心地の良さ、静粛性を追求
・V型8気筒 5.0Lハイブリッドシステムによる優れた燃費性能と、余裕に満ちた走り
・Toyota Safety Senseをはじめとする先進安全技術を新搭載
センチュリーのモデルチェンジは21年ぶり
3代目となる新型トヨタ・センチュリーのテーマは「継承と進化」。
トヨタいわく”「匠の技」と「高品質のモノづくり」を継承しつつ、ハイブリッド化による高い環境性能と、新しい魅力を付与した内外装デザイン、ショーファーカーとしてふさわしい先進・快適装備を付与。乗り心地、静粛性、走行安定性を一段と向上”させたとしており、価格は1960万円(エコカー減税適用で366,200円も安くなる!)、月販販売目標は50台に設定(新型トヨタ・センチュリーの製品サイトはこちら)。
新型トヨタ・センチュリーの外装はこうなっている
新型センチュリーの外装(外形デザインと表記されている)は伝統と品格を守り、今流行りの「クーペ風セダン」とは異なってCピラーを立てて重厚なデザインに。
これはロールスロイス・ファントムも同じですが、ショーファーカー(運転手付きのクルマで、後部座席に乗ることを想定した)であることを視覚的にアピールしたもの。
さらには「平安時代の屏障具(へいしょうぐ)の柱にあしらわれた面処理の技法」である”几帳面”と呼ばれる面処理をショルダー部に採用したそうです。
イメージカラーとなるボディカラーは新規開発色の”エターナルブラック「神威(かむい)」”。
黒染料入りカラークリア層を含む「7層」塗装となり、水研ぎを3回、その後に鏡面仕上げを行っているとのこと(一度どれほどの輝きなのか見てみたい)。
ちなみにセンチュリーのボディカラーは代々重厚な日本語が当てられ、この「神威」のほか、「摩周(シリーンブルーマイカ)」、「飛鳥(ブラキッシュレッドマイカ)」、「精華(レイディエントシルバーメタリック)」がほかに存在。
灯火類はLED化され、テールランプ内側はこんな感じでなんとなく和風に(主要装備はこちら)。
前後ランプはフラッシュサーフェス化され、より上品さ、高級感が増しているようですね(欧米のサルーンとは異なりひかえめな優雅さがある)。
なおフロントの鳳凰エンブレムは職人による手作りで、製造にかかるのは一ヶ月半。
「躍動する翼のうねりや繊細な羽毛の表情を鮮やかに描き出した」とあります。
グリル奥にあるのは「七宝文様」で、これは同じ大きさの円を1/4づつ重ねて描き、無限に広がる円=「円満や財産、子孫繁栄」を表現しています。
新型トヨタ・センチュリーの内装はこうなっている
ホイールベースは先代に比べて65ミリ延長され、さらにはスカッフプレートとフロア段差を15ミリ縮小するなど細かい配慮によって乗降性を向上。
いたずらに「レザー」とせず、モケットとしたところにトヨタの良心を感じます。
前席と後部座席は本杢オーナメントで仕切られ、天井には「紗綾形(さやがた)崩し柄」の織物を使用。
電動オットマンやリフレッシュ機能(マッサージ?)も採用され、後部座席用として11.6インチリヤシートエンターテイメントシステム、12chオーディオ+20スピーカーなどいたれりつくせり。
これら操作は後部座席アームレストに設置された7インチタッチパネルで(エアコンやカーテン含め)操作可能だそう。
ドアハンドルはこんな感じでやはり本杢。
なお、天井に使用される「紗綾形崩し柄」は卍を組み合わせたもので、「不断長久」ひいては家の繁栄や長寿を願う文様だとされています。
新型トヨタ・センチュリーは高い走行性能を持っている
エンジンは5リッターV8+ハイブリッド。
システム合計でエンジン280馬力+モーター165馬力=445馬力を発生し(これだと狙われたとしても逃げ切れそう)、しかも燃費は13.6km/L。
アイドリングストップ機能を持ちますが、その振動はアクティブノイズコントロールで制御し、防音材は匠の手によって隙間なく組み付けるなど”徹底的な”防音対策が行われているようですね。
サスペンションは電子制御式エアサスで、タイヤも乗り心地に特化した専用開発品、サスペンションアームやゴムブッシュに至るまで入念なチューニングを実施して静粛性や安定性を向上。
新型トヨタ・センチュリーは何が何でもVIPを守り抜く
新型センチュリーには「Toyota Safety Sense」が標準で搭載されるうえ、「ブラインドスポットモニター」、「パーキングサポートアラート」を装備。
さらに
ヘルプネット(エアバッグ連動付)が新採用され、これは「事故や急病時には専門のオペレーターが警察や消防に取り次ぐほか、エアバッグ作動時には自動でオペレーターに接続」するサービス。
さらにはクルマの損傷度合いを車両データから算出し、その事故における乗員の「重症度」を推定してドクターヘリの早期出動判断を行うD-Call Netにも対応。