さて、アルファロメオのフラッグシップ第二弾、ステルヴィオに試乗。
ステルヴィオというと「ニュルブルクリンク最速」となる”クアドリフォリオ”が有名ですが、まず日本に「ローンチ・エディション」として導入されたのは2リッターターボ、280馬力版。
「アルファロメオ・ステルヴィオ・ファースト・エディション(Alfa Romeo Stelvio First Edition)」として限定400台、価格689万円にて販売されることになります。
アルファロメオ・ステルヴィオのスペックはこうなっている
ステルヴィオ初回限定モデルのスペックは下記の通り。
ボディカラーは「アルファレッド」「アルファホワイト」「ストロンボリ グレー」「ブルカノ ブラック」の4色が選択可能となっています。
ボディサイズ:全長4690ミリ 全幅1905ミリ 全高1680ミリ
エンジン:2リッター ツインスクロールターボ
出力:280馬力
トランスミッション:8速AT
車体重量:1810kg
駆動方式:4WD
燃費:リッターあたり11.8キロ
0-100キロ加速:5.7秒
価格:698万円
アルファロメオ・ステルヴィオの外観/インテリアを見てみよう
ステルヴィオのデザインは「さすがイタリア」らしく、非常に良く練られたもの。
フロントはノーズをギリギリまで延長してスポーティーに見せるためかバンパーとの一体感を強めたデザインを採用し、リアもそれは同じ。
リアバンパーの出っ張りをなくすことで「ボディをギリギリ後ろまで」視覚的に延長でき、そのぶんリアウインドウをクーペ風に傾けるだけの余裕が発生していて、これによって「荷室空間の犠牲を最小限にして」クーペ風のスタイリッシュなイメージを演出しています。
↓車体側にリアクォーターウインドウがなく、Cピラーが太いので力強いルックスに
さらに前後フェンダーは大きく盛り上がり、躍動感あふれるスタイリングに。
しかもエンジンフードやフロントフェンダー、ドアアウターパネル、リアハッチはアルミ製とアナウンスされており、まさにスポーツカー顔負けの装備も。
なお、ステルヴィオ発表会の際に各部をチェックしてきたインプレッションは下記にまとめており、参考にしていただければと思います。
インテリアにおいてはタコメーター/スピードメーター上部を「2つのコブで」囲んでおり、これはむしろジュリアよりもスポーティー。
内装のトリムはいくつか用意されますが、「ウッド」は天然木無垢素材を使用していて、かなりな高級感が感じられるところでもありますね。
アルファロメオ・ステルヴィオで走ってみよう
ステルヴィオのプラットフォームはやはり「ニュル最速セダン」でもあるジュリアと共通。
SUVなのに「カーボン・プロペラシャフト」が与えられるなど、その本気度がわかろうというものです。
エンジンは上述の通り280馬力(ジュリア・ヴェローチェと同一)、トランスミッションは8速AT、駆動方式はもちろん4WD。
上述のように「エンジンフードやフロントフェンダー、ドアアウターパネル、リアハッチはアルミ製」で前後重量配分や軽量化、重心の最適化に細心の注意が払われていることもトピック。
イタリア車らしく張りの強いレザーシートに腰を下ろし、ミラー等をあわせたのち、ステアリングホイールのスポーク部に取り付けられている「エンジンスタート/ストップ」ボタンでエンジン始動。
アウディだと「RS」モデルにならないとこの位置にスターターボタンが設置されないものの、ステルヴィオではSUVにもかかわらずこの位置に。
なお、このエンジンスタート/ストップボタンの位置は「フェラーリと一緒」で、パドルシフターについてもかなり大きく、やはりフェラーリを連想させますね。
エンジンを始動させた後、アイドリング状態だとかなり静か。
ギアをDレンジに入れて走行しはじめてもその印象は変わらず、「かなり快適なクルマ」であると言えます。
ノイズ、バイブレーション、ハーシュネスといった「NVH」がよく抑えられていて、基本性能が非常に高い、ということもわかります。
そしてその基本性能の高さはやはりカーブを曲がるときにもっとも強く体感でき、S字のような場面でもそもそも「ロールせず」、かつ沈んだサスペンションの「揺り戻しがなく」、すっと反対方向のカーブへと向きを変えることができる、という印象。
なお4WDシステムはトルクオンデマンドで、設定としては「FR寄り(後輪に100%のトルクを振り分けることもできる)」となっています。
正直なところ「アルファロメオがこういったクルマを作れるようになったとは」という驚きがあり、その驚きはジュリアに試乗したとき以上かもしれません。
視界が広く、足回りが柔らかく、静かで振動がなく快適で、つまり優れたSUVの要素を備えているのに、「フラフラする」「姿勢が安定しない」というSUV特有のネガティブさをもっておらず、それは実際に運転していると「今、自分がSUVに乗っている」ということを完全に忘れてしまうほど。
陳腐な表現ではありますが、まさに「背の高いスポーツカー」で、いやそのへんのスポーツカーでもここまでのマナーの良さは持ち合わせていまい、と感じます。
同じように「背の高いスポーツカー」だと感じるSUVは「マセラティ・レヴァンテ」「ジャガーFペース」で、これらもSUVに乗っているという間隔が希薄。
むしろスポーツカーよりもスポーツカーらしいのがこれらだと考えていますが、逆に「SUVらしい」乗り味を持つのはポルシェ・カイエン、レンジローバー・ヴェラール、ベントレー・ベンテイガといったあたりが記憶に残るクルマたち。
なお、スポーツカー的印象はドライブモード(ALFA DNA)を「スポーツ」に入れるとさらに顕著で、トランスミッションがトルコン式とは思えないほどガッツンガッツンつながる設定へ(ステアリング、ブレーキフィールも変更されるようですが、トランスミッションがもっとも体感できた)。
試乗してみてどう?アルファロメオ・ステルヴィオ
試乗を終えてみて思ったのは「ニュル最速はダテじゃない」。
実際にニュル最速を記録したのは上位グレードの「クアドリフォリオ」ですが、この2リッターバージョンのパフォーマンスも相当なもの。
ジュリアにおいても2リッターの「ヴェローチェ」がもっともバランスに優れると感じましたが、ステルヴィオにおいてもやはりこの2リッターモデルが最もバランスに優れるのかもしれません。
繰り返しになりますがSUVではなく「スポーツカー」として扱われるべきクルマであり、それは「フロントサスペンションがダブルウィッシュボーン」「プロペラシャフトがカーボン」「ボンネットやドアスキン、リアハッチがアルミ」といったところからもわかり、その高いデザイン性をあわせて考えると相当な競争力を持ったクルマだと言えそうです。
アルファロメオ・ステルヴィオを見に行ったのはアルファロメオ北大阪
これまでもアルファロメオ4Cやアバルト124スパイダーほかの試乗でお世話になっていますが、いつも親切にしていただき、大変感謝。
アルファロメオ・ステルヴィオの展示車そして試乗車も用意しており、自動車愛溢れるスタッフが出迎えてくれます。
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