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ステランティス、販売下落が止まらず再び複数モデルの生産を停止。アルファロメオ・トナーレやフィアット・パンダも対象に

アルファロメオ

| アルファロメオ・トナーレ販売不振で工場ストップ |

この状況は一朝一夕には回復しそうにない

さて、フィアットやマセラティ、アルファロメオなど、その傘下にあるブランドの販売が軒並み低下し、供給数量調整のため幾度となく生産停止が報じられていたステランティス。

そして今回、ステランティスは再び需要低迷を理由に複数車種の生産を停止することを発表し、その(需要が低下している)代表格がアルファロメオ・トナーレだとされています。

アルファロメオ・トナーレの販売は-42%

欧州では2024年上半期にアルファロメオ全体の販売は3割増と報告されていますが、実際にはトナーレの販売が足を引っ張った形となっており、市場調査会社Dataforceのデータによると1〜8月では前年比42.1%減の10,840台にまで落ち込んでいます。

その理由は定かではないものの、単に「商品力の不足」「割高」といったところに集約されるという声もあり、つまるところ「積極的に購入する理由を見いだせない」ということなのかもしれません。

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イタリア工場での一時停止

こうした需要低迷を受け、ステランティスはイタリア・ポミリアーノ工場での生産を9月29日から10月10日まで停止。

ここではトナーレのほか、米国向けの(姉妹車である)ホーネットも生産されています。

さらにフィアット・パンダも同工場で9月29日から10月6日まで停止予定。

パンダは14年にわたり販売され続けているものの、2024年には後継となるグランデ・パンダが登場し、しかし(グランデ・パンダがあまり売れていないせいか)旧型を併売しているという状況で、今年1〜8月での販売は5%減少(89,307台→84,793台)と振るわない状況です。

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他ブランドも減産へ

今回の生産停止はトナーレやパンダにとどまらず、オペル・モッカ、そしてDS3もフランスのポワシー工場で10月13日〜31日にかけて生産停止される予定であり、ステランティスは「欧州市場の厳しい状況に合わせて生産調整する」と説明しています。

ステランティス全体の販売不振

欧州自動車工業会(ACEA)のデータによると、ステランティスの欧州販売は1〜7月で8.1%減少し119万2,746台。

現時点ではこれを回復させることができるような「決め手」に欠けており、「テクノロジー」「デザイン」「価格」「コンセプト」など、様々な方面においてライバルに圧迫されている状況なのかもしれません。

  • 減少ブランド:オペル/ボクスホール、シトロエン、フィアット、DS、ランチア
  • 増加ブランド:プジョー、ジープ、アルファロメオ
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アルファロメオの救いは「ジュニア」

ただしステランティスは「マセラティ」「ジープ」「アルファロメオ」「ランチア」など高いブランド力を誇るビッグネームが揃っており、ここで足りないのは「ブランディング」であるとも考えられます。

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なお、上の数字を見るとアルファロメオの販売は「増加」しており、トナーレが足をひっぱているのとは逆に「ジュニアが成長を牽引」。

すでに38カ国で45,000件以上の受注を獲得しており、今後の市場拡大も期待されています。

まとめ

  • ステランティス、トナーレやパンダの生産を一時停止
  • 需要低迷が背景、米欧ともに販売不振
  • オペル・モッカ、DS3も減産対象
  • ステランティス全体で欧州販売は8%減
  • アルファロメオは新型「ジュニア」で巻き返しを図る
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参照:Motor1

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