
| アルファロメオ、情熱のV6を再び──クアドリフォリオが2026年にカムバック |
アルファロメオは新しいCEOのもとで「本格再建」へ
アルファロメオが2026年に「ジュリア」と「ステルヴィオ」のハイパフォーマンスバージョン、クアドリフォリオ(Quadrifoglio)を再び生産することを正式にアナウンス。
一度は生産終了となった両モデルですが、伝統の2.9リッターV6ツインターボを維持したまま、再びブランドの頂点に返り咲くことが明らかになっています。
このニュースは、アルファロメオが「EVまっしぐら」であった以前の計画を再考し、ブランドの核心である「走りと情熱」へと回帰する方向性を意味します。
-
-
アルファロメオとマセラティが経営再建へ|新CEOの下でイタリアンブランド統合戦略が始動か?
| 現在、アルファロメオとマセラティは「非常に厳しい」状況下にある | 両ブランドが「事実上統合」されリソースを共有か 大手自動車グループStellantis(ステランティス)傘下のイタリア高級車ブラ ...
続きを見る
大型EV計画の終焉──アルファロメオの「原点回帰」戦略
アルファロメオ新CEO、サント・フィチリ(Santo Ficili)氏は「アルファロメオの領域はコンパクトからミドルサイズまで」と明言。
かつてのCEO、ジャン=フィリップ・アンパラート氏が描いた「大型電動SUV(STLA Largeプラットフォーム)」計画が白紙撤回されたことが確認されたわけですが、これによりアルファロメオは「ジュニア(小型)」「トナーレ(コンパクト)」「ジュリア/ステルヴィオ(ミドル)」の3つのコアセグメントに集中。
BMWやメルセデス、アウディといった「大型EV戦争」への参戦は見送られることになりますが、その一方で、(完全新設計となる)次世代ジュリア/ステルヴィオはSTLA Mediumアーキテクチャを採用し、ハイブリッドおよびEV仕様を展開予定。
つまり、アルファロメオは“電動化と情熱的なドライビング”を両立させる道を選んだということになりますね。
クアドリフォリオ復活は2026年4月から
アルファロメオUKのマネージングディレクター、ジュールズ・ティルストン氏によれば、
「ジュリア」と「ステルヴィオ」のクアドリフォリオ生産は2026年4月に再開されるとのこと。
パワートレインは「基本的に同じ」とされ、現行の非電動2.9リッターV6ツインターボを継続採用するというので、「ハイブリッド化がなされる」わけではなく、これは大きな路線変更、そしてぼくにとっては大きな驚きです。
もちろんこのエンジンには”ユーロ7排ガス規制に対応するための軽微な改良”が施される見込みではあるものの、出力への影響は最小限に抑えられるというので、「数少ないガソリンオンリーのハイパフォーマンスモデル」として注目を浴びるのは間違いなさそう。※同エンジンはこれまでで最大540PSを発揮し、ジュリアGTA / GTAmでは伝説的なパフォーマンスを記録している
-
-
超過激限定モデル、アルファロメオ・ジュリアGTA/GTAmがついに完売!発表からは18ヶ月、日本からも「かなりの数」の受注があった模様
| これだけ特別感の強いモデルであれば、もっと早く完売しても良さそうではあるが | しかし今後、その価値を上げるクルマのうちの一台なのは間違いない さて、アルファロメオが2020年3月に限定販売を開始 ...
続きを見る
電動化との共存はどうなる?
そこで気になるのが「これからのアルファロメオのハイパフォーマンスカー」。
過去の報道では、アルファロメオが将来的に電動版クアドリフォリオを検討しているとも伝えられていますが、現行世代の生産延長によってその高性能EVの登場はしばらく先送りになる可能性が大。
とはいえ、フィチリCEOの発言からは「運動性能を犠牲にしない電動化」を重視する姿勢がうかがえ、アルファロメオはEV時代においても、“ドライバーズブランド”としてのアイデンティティを守り続けてくれるのかもしれません。
-
-
アルファロメオはピュアEV時代になっても「クアドリフォリオ」を継続の意向。なお「スパイダー」の復活含め、やはりドライバーズカーへと舵を切るようだ
| アルファロメオは再ブランディングに際し、過去の華やかりしモータースポーツでの栄光を活用するものと思われる | 歴史のある自動車メーカーにとってはこの方法がもっとも効率が良いのかもしれない さて、ア ...
続きを見る
【まとめ】アルファロメオは「情熱」へと帰還した
今回の決定は、アルファロメオがブランドの原点──
官能的なエンジンサウンド、ドライバーを中心とした走り、そして感性を刺激するデザイン──に立ち返ったことを意味します。
「大型EVよりも、小さくても熱いクルマをつくる」。
それが新生アルファロメオの戦略であり、2026年春、再び四つ葉のクローバー(クアドリフォリオ)が咲き誇るその日が待ち遠しいところですね。
あわせて読みたい、アルファロメオ関連投稿
-
-
アルファロメオ「クアドリフォリオ」は今年で100周年!新エンブレム(ロゴ)が発表され、この勢いに乗って新型スーパースポーツを発表か
| 正確には2023年6月25日にちょうど100周年を迎えることに | いつの時代も幸運の四つ葉は栄光のシンボルだった さて、アルファロメオが「2023年に自社のハイパフォーマンスカー部門であるクアド ...
続きを見る
-
-
アルファロメオも「完全電動化計画」を撤回、新型ジュリアとステルヴィオにガソリンエンジンを搭載すると明言。ただし現在の「フェラーリ由来の」V6搭載はなさそうだ
| 採用されるプラットフォームは新型ダッジ・チャージャー同様の「STLA ラージ」 | そしておそらくは3リッター直6「ハリケーン」が搭載されることとなるであろう さて、先日マセラティは「電動モデル( ...
続きを見る
-
-
アルファロメオが1955年からの伝統である「バンパー横にナンバープレートを取り付ける」手法を廃止しセンターに移動させるとコメント。これはけっこう一大事である
| もともと、この「オフセットナンバー」は盾形(スクデット)グリルのデザインを阻害しないように考案されたものである | ナンバープレートが移動するということは、当然フロントのデザインも変わってくる さ ...
続きを見る
参照:CARSCOOPS