トヨタが公式に新型スープラの情報や開発秘話公開。「開発開始は2012年」「ボディ剛性は86の二倍」「トヨタ最後のガソリンエンジン搭載スポーツ」etc.

｜　トヨタのスープラにかける想いは尋常ではない　｜

トヨタがさらに新型スープラの情報を公開。
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでの公開以来、チョコチョコと情報を小出しにしていますが、グッドウッド会場や、その後に開催されたファンミーティングにおいてもトヨタのスポーツ車両統括責任部長、多田哲哉氏が様々な情報を提供しています。

今回は英国トヨタが新型”A90”スープラのについての情報をブログに掲載しており、その内容を見てみましょう。

スープラの開発開始は2012年

記事では多田氏に対する一問一答のような形式になっており、それに倣ってみたいと思います。
公開された記事を読むと、スープラに対する熱い想いが伝わってきて、「いっちょ新型スープラを買ってみるか」と考えたりするのが不思議（情熱が伝播してくる）。
なお、同ブログでは「スープラの歴史」も公開中。

Q:新型スープラの開発開始はいつくらい？
A:2012年。通常の開発期間は3年だが、より優れたクルマを作るため、スープラにはこれくらい必要だった。

Q:ようやく車両を公開できたときの気持ちは？
A:ただただ嬉しい。人生で最高の日だ。そしてグッドウッドを走ったのは素晴らしい経験だった。

Q:86については「情熱的なプロジェクト」と語っていたが、スープラは？同じような感じ？
A:もちろん。ただ86の場合、それまでしばらくトヨタはスポーツカーを持っておらず苦労したが、しかし今回は86の経験があり、より高いレベルからスタートできたし、高いレベルの目標を掲げることができた。

Q:スープラは「86の兄」？
A:豊田社長は常に、会社は”3兄弟が必要”と言ってきた。86は真ん中、スープラはその上だ。だから、スープラでは86よりもずっと高いレベルを目指した。86は重心が低いが、スープラはもっと低く、ボディ剛性は86の二倍だ。
そのボディ剛性はLFAと同じレベルにあり、しかもカーボンファイバーを使用していないので求めやすい価格に設定できた。これは最も難しい作業であったが、我々は成し遂げた。
グッドウッドで素晴らしいスーパーカーに囲まれたが、その中でもスープラは最も安価で、価格は1/10に抑えることができたと自負している。

トレッドは86よりも広く、しかしホイールベースは驚くことに86よりも短い。
これは私の考える理想的な比率で、探し求めていたバランスを実現できた。

Q：ハードコアなスープラファンにA90はどう受け止められると思う？
A:彼らからのコメントが楽しみだ。86を公開したときもAE86のファンは手厳しく、批判も受けた。A90スープラも同様だと思われ、このクルマをもってハードコアなスープラオーナーを納得させるのは難しいかもしれない。
しかし私はオープンなスタンスを保っているし、旧来のスープラオーナーにも敬意を表したい。

Q:今回のスープラは「5」世代目。ファンに知ってほしいポイントを「5」つ挙げてみてください。
A:まず、スープラはずっと直6エンジンを使用してきた。もちろん今回のニューモデルも同じだ。2つ目はレイアウトで、やはり歴代スープラ、新型スープラもフロントエンジン、リアドライブだ。
3つ目は「デザイン」で、そのイメージは4代目「80」スープラを意識している。もちろん細部は異なるが、A90スープラを見たとき、人々はすぐに「このクルマはスープラだ」と理解できるだろう。
4つ目だが、いずれの世代のスープラを見ても、そのライフタイムを通じてずっとエキサイティングだった。新型スープラは来年発売となるが、クラス中もっともファン・トゥ・ドライブなクルマとなり、これまでのスープラと同じ偉業を達成すると信じている。
現在の自動車業界では、自動運転や、AIや、エレクトリック化が進んでいる。これらの動きや規制の強化はスポーツカーの楽しさを制限していると考えているし、今後はスポーツカーに楽しさを見いだせなくなるだろう。
そこで5つ目だが、新型スープラは、ガソリンエンジンを搭載し、高回転による純粋なサウンドを楽しめるスポーツカーとして、トヨタからの最後の贈り物となる。

これらが私の考える5つのポイントだが、人々が新型スープラを楽しんでくれること、そしてずっと乗り続けてくれることを願う。
叶うならば、30年後にもう一度集まり、「A90スープラはどんなに良かったか」を語ることができれば本望だ。

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VIA:TOYOTA UK