| 新型ベントレー・コンチネンタルGTはけっこう進化していた |
さて、昨年末に発表された新型ベントレー・コンチネンタルGT。
その試乗車がついに配備され、さっそく見にゆくことに。
その価格は2530万円という「超高級」クーペです。
試乗車のボディカラーは「ホワイトサンド」で、これはホワイトパールにちょっとゴールドが入ったような気品溢れる色。
まさにベントレーのためにあるといったようなボディカラーですが、陰影もよく出るようで、新型コンチネンタルGTを象徴するかのようなカラーですね。
なお、この個体は初回限定モデルの「エディション1」。
ベントレー・コンチネンタルGTはこんなクルマ
新型ベントレー・コンチネンタルのプラットフォームはポルシェ・パナメーラに使用されるMSBだと報じられており、これによって先代比80キロほど軽量化され、その重量は2244キロへ。
それでもかなり重い部類ですが、これはW12エンジンを搭載していること、そして静粛性を高めるために防音や制振処理をこれでもかというほど行なっていることに起因していると思われ、「ベントレーがベントレーであるために」必要な重量だと言えそう。
ボディサイズは全長4850、全幅1954、全高1405ミリ。
上述の通り6リッターV12、出力は635馬力という強心臓を持ち、トランスミッションは8速デュアルクラッチ、駆動方式はAWDを採用しています。
新型ベントレー・コンチネンタルGTの外装を見てみよう
さて、新型ベントレー・コンチネンタルGTの外装を早速チェック。
まず目を引くのは(パッケージオプションの)21インチサイズのホイール。
ブラック塗装の上に切削加工が施されているようですが、よくある「CNC加工の跡がそのまま」ではなく、そこにポリッシュをかけており、よってこのシルバー部分は「鏡面仕上げ」。
絶対に縁石ヒットは避けたい仕様ですね。
なお、ブレーキはベンテイガにもオプション設定された「自動車業界中、最大のサイズと容量を持つ」ブレーキキャリパーとブレーキディスク。
前後ランプはマトリクスLEDを採用し、かつ「クリスタル加工」をイメージした宝石のような内部構造を持っています。
前後ランプの周囲にはクローム調のベゼルが装着されますが、これとボディとの隙間も最小。
見るからに高い質感を感じさせる部分でもありますね。
そして特筆すべきはボディパネルの”エッジ”。
ボディパネルはすべてアルミ製となり、成形には先代コンチネンタルGTのフロントフードに用いられた「スーパーフォーミング」技術を採用したもの。
この角度のベンディング(折り曲げ)を出せるブランドは数少なく、他にできるのはアウディくらいじゃないか、と思います。
なお、金属は鋭角に折り曲げると「割れ」るのでその(曲げる角度に)限界があり、トヨタCH-Rはスチールパネルの限界に近い鋭さを持つ、とトヨタは説明していますね。
コンチネンタルGTの場合はスチールではなく「アルミ」ですが、C-HR以上の鋭さを持っているようにも感じます。
リアフェンダーも同様に「鋭い」エッジ。
先代同様のラインを持っているものの、より鋭くなり、人間で言えば「筋肉と筋肉との境界が明確に」、つまりさらにマッチョに、しかも体脂肪率が激減した、という感じ。
フロントフェンダーにはベントレー(BENTLEY)の”B”をモチーフにしたグリルがあるのは他モデル同様ですが、「12」の文字が追加されたのは新しいところ。
楕円テールパイプもベントレーの一つの特徴。
よりテールランプとの形状的相似性が高くなっているように思います。
新型ベントレー・コンチネンタルGTのインテリアを見てみよう
さて、ここからは新型ベントレー・コンチネンタルのインテリア。
サイドウインドウは「二重」構造の防音ガラス。
ガラスは自動車に採用される素材のうち、最も比重が高いもののひとつですが、快適性のためには重量増加をも厭わないベントレーの考え方をここに見ることができます。
逆にポルシェの(スポーツモデルの)場合、サイドウインドウはもちろん、フロントガラスまでも軽量化のために薄肉化しており、これらはメーカーの考え方の差が如実に出る部分ですね。
新型コンチネンタルGTではダッシュボード、ドアのウッドトリムが「上下二分割」に(シングルも選べる)。
これによって仕様の選択幅が広がることになりますが、見た目の高級感もぐっと向上。
なお、センターにある液晶パネルは「回転」して隠れることに。
ちょうどボンドカーのナンバープレート部みたいな感じですが、これは「三面」構成となっていて、この「ウッド」、そして「水温計などのアナログ3連メーター」、「フル液晶ディスプレイ(タッチ式)」へとドラム構造にて回転します。※このローテーションディスプレイはオプション
ちなみにイギリスでは「わざと機能やデザインを隠す」ことがあり、これは「ヒドゥン・デライト」と呼ばれるもの。
(自分しか見ることがない)スーツの裏地に自分好みの柄や高級素材を用いたダンディズムに端を発するとのことですが、言い換えれば「究極の自己満足」。
ぼくは、クルマというのはそもそも自己満足以外の何ものでもないと考えていて、よってこういったギミックは大好きです。
パネルやスイッチ類はピアノブラックにクロームのトリム。
クロームのトリムはウインカーやワイパーレバー、エアコン吹き出し口にも用いられていますが、それぞれダイヤモンド状のギザギザ、”ローレット”加工が施されます(エアコン吹き出し口のギザギザはオプション)。
面白いのは、ベントレーと同じグループに属するポルシェが「高級感の演出方法」として採用している「電源オフで全部真っ黒になり、ツルツルの面にしか見えないタッチ式の」コンソールデザインではなく、ベントレーでは物理スイッチ、そしてそのスイッチに小さなインジケーターを内蔵しているところ。
当然ながらこれはコストのかかる部分で、ベントレーがこだわった部分なのでしょうね。
ドアパネルのダイヤモンド&ステッチはオプション。
ただしこの高級感が得られるならば「ぜひ追加費用を支払ってでも」選択したいものですね。
ウインドウ昇降スイッチ類ももちろんクロームで、高級極まりない上品な輝きを放ちます。
こちらはオプション価格100万円ほど、「Naim」オーディオシステム。
心が洗われるような美しい音色を奏で、オーディオコントロールパネルにて「低音」をMAXにすればシートを揺さぶるほどの重低音も。
ただしボヨンボヨンといった下品な音ではなく、歯切れのいい低音を聴かせてくれます。
シーチ調整スイッチ、キックプレートもエレガント。
サイドシルの「BENTLEY」文字は自発光式となっています。
インテリア全体はこんな感じ。
ダッシュボードやセンターコンソールにマルチカラーLEDを採用したアンビエントランプが用いられているのはさすが最新のクルマ、といったところですね。
トランク内部はこんな感じ。
毛足の長いカーペットで覆われ、トランクフード天面もカーペット張りとなります。
左右の幅もけっこうあり、ゴルフバッグも問題なく入りそう(実際には入れてないけど)。
その他の画像はFacebookのアルバム「ベントレー・コンチネンタルGT」に保存中。
新型ベントレー・コンチネンタルGTを見てきたのは「ベントレー大阪」
今回、新型ベントレー・コンチネンタルGTを見てきたのは「ベントレー大阪」さん。
「コーンズ心斎橋ショールーム」としてフェラーリの横にあるショールームで、店内には4台ほどの展示車が置かれ、いつも親切に対応していていただき、お礼申し上げます。
大阪府大阪市中央区博労町4丁目2−15