
Image:Bentley
| 電動化戦略を再構築、「Beyond100+」が次のフェーズへ |
ベントレーも電動化戦略を「見直し」
2025年11月5、ベントレーが将来に向けた「Beyond100+」戦略の最新アップデートを発表。
この「Beyond 100」というのは今後の100年を見据えた長期改革で、前CEOであるエイドリアン・ホールマーク氏時代に策定されたもの。
-
-
ベントレーが電動化計画を加速!本社をEV製造に向け改革し2025年以降は「毎年EVを発売」。さらにトヨタより20年早い2030年にカーボンニュートラルを達成
| ベントレーはアウディのバックアップを得て急激に電動化へシフト | ただしベントレーは昔からエコには熱心に取り組む会社ではあったが さて、ベントレーが「この種の業界では最も大胆な計画である」”Bey ...
続きを見る
そして今回会見では新CEOのフランク=ステファン・ヴァリザー博士が登壇し、この計画に「+」を加えた「Beyond 100 +」として今後の製品計画と生産体制について説明を行っており、大きくはこれまで掲げていた「2035年までに完全電動化の目標を柔軟化」、「内燃エンジンおよびプラグインハイブリッド(PHEV)モデルの継続販売」に触れています。
Image:Bentley
-
-
ベントレー、EV需要低迷を受け「再々度の」計画変更によってガソリンエンジン継続へ。「ラグジュアリーEVの需要は予想を完全に下回っている」
Image:Bentley | ベントレー、EV専売計画を再延期 | ベントレーはEVトランスフォームの急先鋒だと見られていたが ベントレーは「ハイブリッドは完全EV化への過渡的手段である」としてハイ ...
続きを見る
■ 新型「ラグジュアリー・アーバンSUV」を2026年に発表予定
これに加えて確認されたのが(すでにティーザー画像が公開されている)全く新しいセグメントとなる「ラグジュアリー・アーバンSUV」。
2026年後半に発表し、2027年に市場投入を予定していることがアナウンスされ、このモデルは全長5メートル未満のコンパクトサイズながらも約160kmの走行分を満たす充電をわずか7分で完了する最新技術を搭載することに。
-
-
「いま、富裕層は誰もがEVを拒否している」と発言したベントレーがなぜか「世界初、ラグジュアリー・アーバンSUV(EV)を発表する」と予告。納車を開始する2026年にはまたEV人気が高まると予測
Image:Beltley | たしかに現在の「EV敬遠」がずっと継続するとは考えられないが | 実際のところ、先の状況は誰にも読めない さて、メルセデスAMGが「AMG専用設計を持つ、ハイパフォーマ ...
続きを見る
(ベントレーの)クルー本社で設計・開発・生産され、ベントレーらしいクラフトマンシップとドライビングフィールを融合した「新時代のベントレー」として誕生します。
現在、プリシリーズ(試作)車両が世界各地にてテストプログラムを実施中であり、ベントレー初のフルEVとしての完成が迫っているということになりますね。
Bentley Motors today announced an extension of its #Beyond100 business strategy, now called Beyond100+, from 2030 to 2035, confirming that its first fully electric car promises to create an entirely new segment.
— Bentley Newsroom (@BentleyComms) November 7, 2024
Find out more: https://t.co/8PaKb46DwO pic.twitter.com/EmEwWMtJQs
■ 内燃エンジンモデルも継続、年内に限定パフォーマンスカーを発表へ
そして現行のコンチネンタルGTクーペ/コンバーチブルおよびフライングスパーでは、高性能およびウルトラパフォーマンス仕様のハイブリッドモデルを展開中。
これらは少なくとも2035年まで継続販売される予定だといい、完全電動化が段階的に進められる見込みです。
さらに2025年には「ベントレー・ベンテイガ・スピード」が追加され、年内に非ハイブリッドの限定生産ハイパフォーマンスモデル「スーパースポーツ」も発表予定。
このほか将来的にも、顧客ニーズに応じてICEモデルの追加導入が検討されていると説明されているので、ハイパフォーマンスモデルは「スーパースポーツで終わり」ではないのかもしれません。
-
-
ベントレー、新型「コンチネンタルGTスーパースポーツ」を11月13日発表へ。近代ベントレー史上最軽量&初の後輪駆動モデルに
Image:Bentley | ベントレーはCEOに「ポルシェの卒業生」を迎え走りを追求 | 史上最も「ドライバーズカー」なベントレーが登場 ベントレーがフラッグシップ・クーペ「コンチネンタルGT」を ...
続きを見る

Image:Bentley
■ ヴァリザーCEOコメント:「現実的かつ持続可能な進化を」
この「Beyond 100+」発表に際し、フランク=ステファン・ヴァリザーCEOは以下のように語り・・・。
「今回のBeyond100+戦略アップデートは、ベントレーの責任ある成長と持続可能な進化への取り組みを再確認するものです。
私たちは変化する世界と市場に合わせ、柔軟に製品ラインナップを進化させていきます。
内燃エンジンとハイブリッドを2035年以降も提供することで、あらゆる顧客がベントレーの走りとクラフトマンシップを体験できるようにします。」ベントレーCEO フランク=ステファン・ヴァリザー
また、初の完全電動モデルとなる「ラグジュアリー・アーバンSUV」については次のようにコメント。
「このSUVは、ベントレーのラグジュアリーとサステナビリティ、そしてテクノロジーの融合を象徴する存在です。
業界最高水準の充電性能と独自のデザインを備え、ベントレーの新時代の幕開けを告げるモデルになります。」

Image:Bentley
-
-
空白だったベントレーCEOの座にポルシェにて918スパイダーを開発した高位エンジニア、フランク=ステファン・ヴァリザーが就任。ベントレーの一層のハイパフォーマンス化に期待
| フォルクスワーゲングループは他社からの人材獲得ではなく「生え抜き」を好むようである | さらにはエンジニアの経験を持つ人物を重視しているようだ さて、先代CEOであるエイドリアン・ホールマーク氏が ...
続きを見る
■ 「Dream Factory」構想による次世代の生産体制へ
Beyond100+戦略では生産拠点であるクルー工場の大規模再編も示され、これによると同社史上最大規模の自社資金投資によってサステナブルで柔軟な「デジタル・ドリームファクトリー」を構築中。
2026年には最新鋭のペイントショップ(塗装工場)が稼働予定だそうですが、すでに新デザインセンターと統合ロジスティクスセンターが稼働を開始しており、創業87年の歴史を持つクルーの生産拠点が「電動化時代の新たな基準」へと生まれ変わろうとしています。
Image:Bentley
■ まとめ:ベントレーは“電動化一辺倒”ではない、柔軟で現実的な道へ
ベントレーは、EV化を一気に進めるのではなく、多様なパワートレインを共存させる柔軟な戦略へと舵を切り、他の多くの自動車メーカーと同様に完全電動化を急がず、顧客の嗜好・市場動向に寄り添う「現実的なラグジュアリーブランド」としての立ち位置を明確に示しています。
かつてベントレーは「ハイブリッドを飛び越えて一気にピュアEVへ」という先進的な(ロールス・ロイス同様の)思想をもって行動していましたが、現在の「ハイブリッド拡充」、そして「非ハイブリッドのハードコア内燃機関搭載モデル」、全く逆方向の「ラグジュアリーEV」といった多彩な展開が”いまのベントレー”そのものを端的に示す存在でもあり、これら「多様性に富んだ」ラインナップが今後のベントレーを大きく成長させてくれることとなりそうです。
あわせて読みたい、ベントレー関連投稿
-
-
【ベントレーEXP 15発表】伝説の「ブルートレイン」にインスパイアされた次世代EVコンセプトが登場。奇しくも”ジャガー似”
Image:Bentley | ベントレー初のEVサルーンへの布石となる壮麗なデザインビジョン「EXP 15」 | ベントレーはなかなかに思い切ったデザイン的変革を提案してきた ベントレーは2025年 ...
続きを見る
-
-
ベントレーは全ラインアップを電動化へと入れ替えるかわりに「ハイブリッドを核にした緩やかな電動化」へ。「高級車市場では誰もがEVを拒否しています」
| 現在の自動車業界では普及価格帯から高級車市場に至るまで「すべての計画」を再考する必要性に迫られている | なぜか英国ブランドはいずれも「電動化」に対して熱心に取り組んでいる さて、ミニ、ロールス・ ...
続きを見る
-
-
ベントレー、ポルシェ「GT部門」責任者の加入によって大きく方針転換。新型コンチネンタルGTにさらなる高性能モデルを開発中、「スーパースポーツ」復活の可能性も
Image:Bentley | ベントレー新CEO「コンチネンタルGTの性能はまだ“限界に達していない”」 | 実際にニュルブルクリンク周辺で謎の試作車が目撃される 2025年型コンチネンタルGTスピ ...
続きを見る
参照:Bentley













