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ベントレー、長期成長計画「Beyond100+」戦略を更新。完全電動化は2035年以降に延期、新型ラグジュアリーSUVを2026年発表へ

ベントレー、長期成長計画「Beyond100+」戦略を更新。完全電動化は2035年以降に延期、新型ラグジュアリーSUVを2026年発表へ

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| 電動化戦略を再構築、「Beyond100+」が次のフェーズへ |

ベントレーも電動化戦略を「見直し」

2025年11月5、ベントレーが将来に向けた「Beyond100+」戦略の最新アップデートを発表。

この「Beyond 100」というのは今後の100年を見据えた長期改革で、前CEOであるエイドリアン・ホールマーク氏時代に策定されたもの。

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そして今回会見では新CEOのフランク=ステファン・ヴァリザー博士が登壇し、この計画に「+」を加えた「Beyond 100 +」として今後の製品計画と生産体制について説明を行っており、大きくはこれまで掲げていた「2035年までに完全電動化の目標を柔軟化」、「内燃エンジンおよびプラグインハイブリッド(PHEV)モデルの継続販売」に触れています。

Beyond100+ update - 3

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■ 新型「ラグジュアリー・アーバンSUV」を2026年に発表予定

これに加えて確認されたのが(すでにティーザー画像が公開されている)全く新しいセグメントとなる「ラグジュアリー・アーバンSUV」。

2026年後半に発表し、2027年に市場投入を予定していることがアナウンスされ、このモデルは全長5メートル未満のコンパクトサイズながらも約160kmの走行分を満たす充電をわずか7分で完了する最新技術を搭載することに。

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(ベントレーの)クルー本社で設計・開発・生産され、ベントレーらしいクラフトマンシップとドライビングフィールを融合した「新時代のベントレー」として誕生します。

現在、プリシリーズ(試作)車両が世界各地にてテストプログラムを実施中であり、ベントレー初のフルEVとしての完成が迫っているということになりますね。

■ 内燃エンジンモデルも継続、年内に限定パフォーマンスカーを発表へ

そして現行のコンチネンタルGTクーペ/コンバーチブルおよびフライングスパーでは、高性能およびウルトラパフォーマンス仕様のハイブリッドモデルを展開中。

これらは少なくとも2035年まで継続販売される予定だといい、完全電動化が段階的に進められる見込みです。

さらに2025年には「ベントレー・ベンテイガ・スピード」が追加され、年内に非ハイブリッドの限定生産ハイパフォーマンスモデル「スーパースポーツ」も発表予定。

このほか将来的にも、顧客ニーズに応じてICEモデルの追加導入が検討されていると説明されているので、ハイパフォーマンスモデルは「スーパースポーツで終わり」ではないのかもしれません。

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■ ヴァリザーCEOコメント:「現実的かつ持続可能な進化を」

この「Beyond 100+」発表に際し、フランク=ステファン・ヴァリザーCEOは以下のように語り・・・。

「今回のBeyond100+戦略アップデートは、ベントレーの責任ある成長と持続可能な進化への取り組みを再確認するものです。
私たちは変化する世界と市場に合わせ、柔軟に製品ラインナップを進化させていきます。
内燃エンジンとハイブリッドを2035年以降も提供することで、あらゆる顧客がベントレーの走りとクラフトマンシップを体験できるようにします。」

ベントレーCEO フランク=ステファン・ヴァリザー

また、初の完全電動モデルとなる「ラグジュアリー・アーバンSUV」については次のようにコメント。

「このSUVは、ベントレーのラグジュアリーとサステナビリティ、そしてテクノロジーの融合を象徴する存在です。
業界最高水準の充電性能と独自のデザインを備え、ベントレーの新時代の幕開けを告げるモデルになります。」

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■ 「Dream Factory」構想による次世代の生産体制へ

Beyond100+戦略では生産拠点であるクルー工場の大規模再編も示され、これによると同社史上最大規模の自社資金投資によってサステナブルで柔軟な「デジタル・ドリームファクトリー」を構築中。

2026年には最新鋭のペイントショップ(塗装工場)が稼働予定だそうですが、すでに新デザインセンターと統合ロジスティクスセンターが稼働を開始しており、創業87年の歴史を持つクルーの生産拠点が「電動化時代の新たな基準」へと生まれ変わろうとしています。

Beyond100+ update - 2

Image:Bentley

■ まとめ:ベントレーは“電動化一辺倒”ではない、柔軟で現実的な道へ

ベントレーは、EV化を一気に進めるのではなく、多様なパワートレインを共存させる柔軟な戦略へと舵を切り、他の多くの自動車メーカーと同様に完全電動化を急がず、顧客の嗜好・市場動向に寄り添う「現実的なラグジュアリーブランド」としての立ち位置を明確に示しています。

かつてベントレーは「ハイブリッドを飛び越えて一気にピュアEVへ」という先進的な(ロールス・ロイス同様の)思想をもって行動していましたが、現在の「ハイブリッド拡充」、そして「非ハイブリッドのハードコア内燃機関搭載モデル」、全く逆方向の「ラグジュアリーEV」といった多彩な展開が”いまのベントレー”そのものを端的に示す存在でもあり、これら「多様性に富んだ」ラインナップが今後のベントレーを大きく成長させてくれることとなりそうです。

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参照:Bentley

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