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アルピーヌA110を見てきた!スーパーカー並みのデザインに高級車の質感を持つインテリアはスポーツカー最強クラス(後編)

2019/01/11

正直、ここまでの出来だとは思わなかった

さっそく見てきたアルピーヌA110のインプレッション、今回は「内装」編。

前回は、その「軽量」イメージとは裏腹に細部に至るまで美しくデザインされ、装飾的とまで言える外装を紹介しましたが、今回はそれに負けず劣らず優雅なインテリアを紹介してみたいと思います。

アルピーヌA110を見てきた!これほどまでにデザインと機能、品質をバランスさせたクルマは他に見たことがない(前編)

やはりアルピーヌA110に「貧相さ」はどこにも見あたらない

さて、アルピーヌA110の内装編。
いかに外装が優れようとも、いかに走行性能に勝ろうとも、常に手に触れ、そして目に入るのはインテリアであり、これがイマイチだとそのクルマの魅力も半減してしまう、と考えています。

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その点アルピーヌA110のインテリアも外装以上に「想像のはるか上」だと言ってよく、事前に報道されていた「シートレールもレーシングカーのような”板を曲げただけ”のもの」といったところから想像できる安っぽさは微塵もなし。

それどころが「豪華」とも言える印象を受けていて、これには正直驚かされた、という感じ。

フランスの自動車メーカーはシトロエンしかり、「シンプルに仕上げながらも安っぽく見えない」デザインが非常に得意と見え、今までぼくはフランス車に縁がなかっただけに余計に新鮮に感じます。

スパルタンなのにエレガント

まずはシートですが、これはサベルト製のバケットシート。
バケットシートというとスパルタンな装備の代名詞のようですが、アルピーヌが手がけると「ブラウンレザーにブルーステッチ」となってこんなにエレガント。

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そしてこのシート調整ダイヤルとレバーはもっともアルピーヌA110の性格を表している部分かも。

多くのメーカーがここのデザインにこだわることはなく、適当なデザインの適当なパーツを使用するのが常であり、しかしアルピーヌA110ではホイールセンターキャップと同様にリブを設けたデザインを採用し、ドアを開けた瞬間に「おお」と声が出るほどの格好よさを見せています。

なお、上述のようにアルピーヌA110ではシートレールすらも軽量化の対象となりますが、そのシートレールを見せないような作りを採用していて、軽量化によって見た目があまりにレーシーになってしまうのを避けるためにこういったデザインを採用したのかもしれません。

ちなみに多くのクルマではシートレールがだらしなく見えていますが、ほかにぼくが知る範囲で「シートレールにまで気を使っている」のはロールスロイスくらい(ロールスロイスの場合は、ポリッシュをかけたシートレールをあえて見せている)。※アルピーヌA110は「シートレールを見せない」という点でシートレールに配慮していると言える

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シートの背もたれや座面はこんな感じ。
ダイヤモンドステッチが採用され、スパルタンでありながらエレガントですね。

見た目に反し、かなり座り心地の良いシートです。

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シートの間にあるのはたぶん小物入れ(開けていないからわからない)。
樹脂で成形するのではなく、ステッチ入りのファブリックを使用しているところがミソであり、オープナーも「レバー」ではなくおしゃれなプルタブというところがなんともフレンチ。

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ドア内張りはこんな感じでボディカラーと一部同色。
ドアインナーハンドルもステッチ入りのプルタブ風(中に芯が入っている)。

おそらく樹脂むき出しだと「安っぽく見える」ための配慮だと思われ、フランス人のオシャレに対する徹底ぶりを見た思いです。

なおインナーパネルの一部にはダイヤモンドステッチ入りのレザーが使用されていて、スピーカーもフォーカル製というこだわりよう(スピーカーのコーンに使用される亜麻はフランス製!)。

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こちらはエアコン吹き出し口ですが、カーボンファイバーが使用されていることがわかりますね。
吹き出し口の中はハニカム構造となっていますが、これはオシャレさを追求したものかどうかは不明。

なお、ドアの内張りはかなり薄く、開閉時の音もペラペラだったり、内張がドアを閉めた時にブルンと震えたらいやだなあと考えていたものの、実際はドア開閉についてかなりしっかりした音を出していて、ここも当然「かなりな配慮が」なされたであろうことがわかります。

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センターコンソールはこんな感じで、パネルフェイスはカーボンファイバー製。
大きなエンジンスタート/ストップボタンの上に「D(ドライブ)」「N(ニュートラル)」「R(リバース)」選択ボタンがあり、シフトレバーは「なし」。

なお、これらボタンは車内に乗り込んだのち、一定のリズムで明滅します。

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これはカード入れ?
こんなところにもカーボンファイバーが使用されています。

そのほかレザーとステッチで飾られたセンターコンソールなどを見ていると、このクルマが「800万円ちょっと」という価格が信じられないくらい(確実に1000万円以上のクルマに見える)。

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ちゃんとドリンクホルダーも装備。
ここは唯一「質素」といえる仕上げを持つ部分ですね。

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後席後方にはエンジンが鎮座することになり、そのためシート方向に収納スペースはなく、リアセクションとの間にはガラスの仕切りが存在。

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ちなみに助手席のフットレストはラリーカーばりのアルミプレート(オリジナルのA110がラリーで活躍したことへのオマージュだと思われる)。

もちろん運転席側のペダルもアルミ製で(ポルシェ718ケイマンだとアルミペダルはオプション、ホンダNSXも2018年モデルまではオプションだった)、とにかく装備が充実しているという印象がありますね。

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ステアリングホイールはかなり直径が小さく、グリップは立体的。
使用されるレザーの手触り、握りごこちともに良好です。

ここもブラウンレザーにブルーステッチが採用され、メタル調パーツ、質感の高いセンターパーツとともに高級感が感じられる部分。

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メーターはフルデジタル(リネージ専用装備)。
ドアを開けて乗り込むとアルピーヌA110のグラフィック(アニメーション)がお出迎え。

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パドルは質感の高い(おそらく)アルミ製、そしてアノダイズド仕上げ。
全体的に見て各パーツの配置は「走り優先」となり、このあたりのデザインはまんま「スーパーカー」。

そして各パーツの仕上げや精度は高級車並みだと言ってよく、このあたりは母体であるルノーの技術が生きている、と言えそうですね。

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今回アルピーヌA110の外装/内装を通して見て、常識的に考えると「この価格でこれだけの車を作れる」というのは驚異的。

アルピーヌは今後ハイパフォーマンスモデル、そしてSUVを発売する予定だとされますが、今後そういったラインアップの拡充によって「長期的に利益転換を図る」のだろうと推測でき、このA110だけだと「完全に赤字なんじゃないか」と思わせるほどの車ですね。

他の画像はFacebookのアルバム「アルピーヌA110 / ALPINE A110」に保存中。
追って試乗レビューも公開予定です。

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