車体重量は同じくらい、しかし最高速とコーナリングスピードは向上
アメリカのカーメディア、「Wheel」が新型(992世代)のGT3RSについての情報を一部公開。
現在992世代の911は911カレラS/911カレラ4Sとそれらのオープンモデルが公開されているのみ。
これらのエンジンは991.2から継続して「3リッターターボ」ですが、同メディアがポルシェ911の開発主任、アウグスト・アハライトナー氏から仕入れた情報だと、新型(992)911GT3RSは現行モデルに使用される4リッターエンジンの改良版を使用し、嬉しいことに「自然吸気」。
ポルシェ関係者から、しかも911シリーズの開発主任からこれが明言されたのははじめてで、これは「朗報」だと言えますね。※アウグスト・アハライトナー氏はポルシェが”クリストフォーラス”でも紹介している
エンジンパワーよりも加速性能の向上のほうが大きい?
なお、アウグスト・アハライトナー氏によると、4リッターエンジンは「若干の」排気量アップが行われるとのことで、現時点ではしかしそのアップ幅、馬力についても口を閉ざしたまま。
そして興味深いのは911のレーシングカー、「GT3R」に搭載される4リッターエンジンから何らかの技術がフィードバックされる可能性があることで、というのもアウグスト・アハライトナー氏は「911GT3Rと、市販モデルの911GT3RSのエンジンとは関連性を持つことになる」と示唆しているため。※911GT3Rの紹介はこちら(ポルシェジャパン)
911カレラへのターボエンジン採用で、911内のヒエラルキーは微妙な関係に
新型911GT3RSがそこまでして出力アップを狙う必要があるのは「911内でのヒエラルキー」維持のためだと思われます。
というのも、新型911カレラ4Sの0-100キロ加速はなんと「3.4秒」。
これが現行型911GT3と同じ数字で、現行911GT3RSの3.2秒に迫るタイム。
これからまだ911には「GTS」の追加が控えており、新型911GTSの0-100キロ加速はおそらく3.2秒以下になると思われ、となると911GT3RSは(加速だけでこのクルマの性能を語るべきではないものの)それよりも速く加速する必要があるわけですね。
そして、そうなると自然吸気エンジンを採用するGT3系が、ターボエンジンを採用する911カレラS/GTS系にとって不利なことは否めず、なんとかして911カレラS/GTS系を突き放す方法が必要になってくる、ということなのかもしれません。
なお、新型911GT3のトランスミッションは、新型911カレラの8速PDKではなく「7速PDK」を維持するであろうこと(8速PDKの8速めはオーバードライブなので、この有無は最高速に影響しない)、”RS”のつかないGT3にはマニュアル・トランスミッションが用意されるであろうこと、新型911GT3RSの重量は現行モデルの1430キロと同じくらいか少し軽いであろうこと、しかし最高速とコーナリングスピードは大きく向上するであろうことについても言及されています。
VIA: Wheels