| 動いているのはアウディ役員。その意味では心強い |
つい先日、アウディCEOが「TTの次期モデルはないだろう」というコメントを発したばかりですが、今度はメディア向けの定例カンファレンスにて、アウディ技術部門を率いる役員、ハンス・ホアキム・ロスンピーラー氏が別の見解を述べることに。
なお、この見解は「TTが生産中止になる」ということを前提とした上で、「自身としては、TTを生き残らせるために手を尽くしている」と語ったもの。
TT存続にはエレクトリック化以外に道はない
その内容としては、「TTは一つのアイコンだ。ブランド単位でその存続を話し合い、あるものはやめるべきだと言い、またあるものは存続を主張した。私の観点からするに、TTは我々のDNAのひとつでもある。そして我々はそのDNAを存続させるために戦う」というもの。
そのためにハンス・ホアキム・ロスンピーラー氏は同僚たちを「なんとかTTをエレクトリック化できないか」と説得しており、TTとR8については「次世代のeモビリティとしてアップデートすべきだ」と主張。※ここでR8の名が出ているということは、TTと同じくR8も消滅の危機にさらされているということになる
これができなければTT(とR8も)が消滅するのはほぼ間違いなさそうで、現在「将来のRSモデルのありかた」も含めて様々な協議がなされているようですね。
TTはやはりアウディのDNA
なお、TTは登場した当時、その特異すぎるデザインで大きな衝撃を世界中に与え、かつ「小排気量ターボエンジン+クワトロ(4WD)」という新しいアウディの方向性を世に示したモデル。
TTはそのデザインばかりが強調されますが、「スポーツカーといえばFR、4WDといえばオフローダーかラリーカー」というイメージの強かった時代にクワトロシステムをひっさげてデビューしており、加えてそれまで「一般性の薄かった」クワトロシステムを一気に普遍的な装備にしてしまったという功績を持つ、とも認識しています。
その意味では、現在のアウディにおけるラインナップでの特異性や輝きを失ったとは言えど、ハンス・ホアキム・ロスンピーラー氏の言う「TTは我々のDNA」である(あった)ことは間違いなく、であれば来るべきエレクトリック時代に向けて「新しく、デザインとドライブトレーンともども生まれ変わった」TTを発表することで他社のエレクトリックレンジとの差別化を図ったほうがいいんじゃないか、とも思います。