アウディはTT発売直後からTTのサブブランド化を狙っていた?
アウディが2000年にパリ・モーターショーにて発表したコンセプトカー、「ステッペンウルフ(Steppenwolf)」。
ステッペンウルフというとカナダのロックバンド(”ボーン・トゥ・ビー・ワイルド”で有名)を思い出しますが、こんなクルマもあったんだな、とはじめて知りました。
パっと見ると「TTのワゴン」のように見えますが、実際は珍しい3ドアレイアウト。
そして「2000年」というとTTが発表された2年後であり、かなり早い段階からアウディはTTのクロスオーバー化を考えていたということがわかります。
TTのクロスオーバー化は20年経っても実現していない
TTが生き残るとすればクロスオーバー化するしかないとは言われているものの、まさか2000年の時点でこんなクルマが存在したとは思わず、アウディは「根っからクロスオーバーが好きなんだな」とも思います。
ただ、近年公開された「TTオフロードコンセプト(後述)」とは異なり、このステッペンウルフは3ドアという構成を持ち、よりTT色を強く残しているのも一つの特徴。
クルマだけ見るとけっこう大きく見えますが、人との対比だとこういった感じでむしろ小さく見え、ボディサイズはTTと同じくらいなのかもしれません。
ルーフはデタッチャブル式で、カーボンファイバーもしくはファブリックが用意される、とのこと。
エンジンは3.2リッターV6(225馬力)、駆動方式はもちろんクワトロ(4WD)、車高調整可能な4レベルエアサスペンションを備え、高い悪路走破性能を持っていることが予想されます。
この「後ろから引き出しが出てくる」のもこの年代のコンセプトカーの特徴。
1997年に日産が発表した「トレイルランナーコンセプト」も同様の仕組みを持っていますね(奇しくも、このトレイルランナーコンセプトも3ドアクロスオーバー)。
アウディ・ステッペンウルフのインテリアは今見ても十分に魅力的で、メーターをバーチャルコクピットに、そしてダッシュボードの液晶パネルを大きなものへと変更すれば現代でも十分に通用しそうですね。
アウディは2014年にもTTのオフロードコンセプトを発表している
そしてこちらが2014年に発表した「TTオフロードコンセプト」。
3ドアではなく5ドアにコンバートされていることがわかります。
ちなみにこのTTオフロードコンセプトについては、「市販寸前」まで行きながらも、当時発覚したディーゼル不正事件の影響にてその計画が凍結されたと聞いています。
そしてその後何度か計画が解凍されるという話があるものの、今に至るまで発売に至っていないのもまた事実。
そしてその後、アウディは「TTスポーツバックコンセプト」を発表していますが、こちらはオフロード版ではないTTの5ドア。
こうやって見るとアウディはTT発売直後からTTのバリエーション、主にはクロスオーバーモデルを検討していたということがわかり、TTをサブブランドとして活用する意向を持っていたこと、そしてクロスオーバーに早くから着目していたということも理解できますね。
VIA:Motor1