| 水平対向エンジン風のデザイン、そしてシャフトドライブ採用 |
BMWがそのバイク部門「モトラッド」より、「ヴィジョンDCロードスター(Vision DC Roadster)を発表。
「ヴィジョン」の名が示すとおり、BMWの未来を表すもので、もちろんパワートレインは「エレクトリック」。
BMWのバイクといえば「水平対向(ボクサー)」エンジンが特徴ですが、このヴィジョンDCのロードスターでは水平対向エンジンのヘッドが左右に突き出る代わりに「クーリングのためのファン」が左右同じ位置に配置されるのが特徴。
エレクトリックバイクならではの車体構造を採用
車体そのものはカーボンファイバーやアルミニウムといった軽量素材で構成されており、バッテリーはバイクの中央に配置。
モーターはバッテリーの下に設置され、後輪へと(BMW伝統の)ユニバーサルシャフトを通じて伝達されることに。
ヴィジョンDCロードスターは、同時に発表されたヴィジョンMネクストとは異なってスペックが明かされておらず、ということは「市販化の可能性はまったくない」のかも。
よって運動性能は不明ではあるものの、BMWによると「息を呑むような加速」を実現するとしており、新しいレベルのパフォーマンスを実現する、とのこと。
デザイン上の特徴は「フィン」のようなパーツで、これはU字型のデイタイムランニングランプを持つヘッドライト、そして車体にも採用されています。
おそらくは「ヒートシンク」同様の役割を果たすのだと考えていますが、なかなかに大胆なデザインだと言えそう。
こちらは「ブレード」そして「ファン」。
その動力源は変わっても「BMWらしさ」を残す部分ですね。
シートはフロントからリアにまで続く「一体成型」で、これはフレームに取り付けられたパイプにて保持。
よく見ると、パイプやフレームの一部には「リサイクルカーボン」が使用されているようです。
ステアリング、そしてメーターは超ミニマム。
ハンドルの前方には、おそらく「マスターシリンダー」と思われる透明の筒があり、これはかなり斬新なデザイン。
メーターは「BMW Motrrad」という文字の後ろにあるバーグラフのみとなっています。
BMWがインホイールではなく「シャフト」を用いた理由は不明ですが、重量物(モーター)を車体中央に集めたかったこと、そして(シャフトドライブという)BMWの伝統を失いたくなかったことが理由だろうと考えています。
なお、「エレクトリックバイク」というと思い浮かぶのがハーレー・ダビッドソンの「ライブワイヤー」。
こちらは約320万円程度で販売される予定ですが、その他の会社が発表するエレクトリックバイクは「1000万円」というプライスタグを掲げることも珍しくなく、つまりは「販売台数が見込めないので割高になる」のだと思われます。
よって各社ともなかなか開発、量産に踏み込めないという事情もあり、エレクトリックバイクの普及は自動車(4輪)よりもずっと後になるのかもしれませんね(環境に与えるインパクトの順番からしても)。
こちらは同時に発表された、「Mモデルの将来をあらわす」ヴィジョンMネクスト。
BMWは過去にもバイクの「ヴィジョン」を示したことも
BMWは100周年を迎えた折、BMWそしてロールスロイス、ミニとともにモトラッド(バイク)というグループ内の各部門から「ヴィジョン」と銘打ったコンセプトモデルを発表。
バイクの場合は「BMW Motorrad Vision Next 100」がそれに該当し、これは「セルフ・バランシング・メカニズム」を保有し”絶対にコケない”バイク。
よってライダーはプロテクターやヘルメットの着用を必要としないとしています。
走行中にどれだけハング・オンしてもコケず、そのためにライダーは自分の技量に応じて「限界」ライディングを楽しめるとされ、これはなかなか面白そうですね。
フレームは布をくるっと折ったような形状で、これはBMW iシリーズでも採用されるデザインでもあり、近年BMWが好んで用いるもの(フレームはコーナリング中に変形する模様)。
パワーソースは今回発表されたヴィジョンDCロードスター同様にエレクトリックモーターですが、デザイン的にはBMWの伝統的なエンジン形状を模しており、クラシックな一面も感じさせますね(フィン状のデザインには両者における共通性が見られる)。
なお、ライダーが装着する「バイザー」も重要な役割を果たしていて、車両の各種情報やバンク角を表示するなど「メーター」の役割を担う様子(つまりバイクの一部)。
同時に発表されているセクシーなスーツはライダーの体温を一定に保つ機能があるそうです。
車両についてはコンポジットカーボンのような素材が採用され、ホログラムによるナビゲーションシステムも装備されているように見えますね。