| たしかに見た目は速そうだが |
SEMAにてGRスープラのカスタムモデル5つを公開したトヨタですが、それだけにとどまらず「アヴァロンTRD Proコンセプト(AVALON TRD Pro Concept)」も発表。
SEMAでは多くの自動車メーカーがレーシングチームやショップ、チューナーとのタイアップにてカスタムカーを製作し展示擦ることが通例で、このアヴァロンについてはダン・ガードナー・スペックとのコラボレーションとなり、「世界最速のFFフルサイズセダン」を目標としてカスタムされています。
実際にこのアヴァロンTRD Proコンセプトは、アメリカのウィロー・スプリングス・サーキット(1.8マイルのほうで、”Big"ではなく”Street"のほう)を1:25.3で周回するといいますが、ちなみにこの1:25前後のタイムだとこんな顔ぶれが揃い、いかにTRDがチューンしたとはいえど、アヴァロンTRD Proコンセプトがこれらよりも速い、もしくは同等というのはまさに驚愕。
1:24.85・・・アストンマーティンV12ヴァンテージS 1:25.09・・・日産R35 GT-R 1:25.69・・・ポルシェ911カレラS(991) 1:26.12・・・スバルWRX STI 1:27.00・・・ポルシェ・ケイマンS(981) |
こんなアヴァロンなら乗ってみたい
そしてトヨタいわく、「アヴァロンは、トヨタのラインアップの中でも素晴らしいクルマなのは間違いない。ただ、ファミリーセダンというイメージがあったのもまた事実だ。今まではね」。
なお、このアヴァロンTRD Proコンセプトを率いたのはトヨタのマーケティング部門重役、エド・ロークス氏。
同氏は今回のSEMAにて、前後ランプすら80スープラ風にコンバートした「GRスープラ・ヘリテージ・エディション」を制作指揮したその人です。
トヨタ社内にて「公式」にカスタムされたGRスープラ3台が公開。トヨタ重役によって前後ランプまで「80スープラ」風に、ピリリと辛い「ワサビ」グリーンなど”スープラ愛”あふれるカスタムを見てみよう
さらに同氏は「このアヴァロンTRD Proコンセプトの目標は”サーキットを走るストリートカー”だ。スポーツカーはこのクルマに気をつけたほうが良いね」とも。
アヴァロンTRD Proコンセプトに積まれるエンジンは3.5リッターV6で、そこにコールドエアインテーク、ステンレス製エキゾーストシステムを装着して330馬力以上を発揮。
加えてワンオフの「スーパーロック」LSDが投入され、さらにはモーションコントロールサスペンション、調整式リアキャンバーアーム、調整式スタビライザー、18インチホイール+グッドイヤー・スーパーカーR3タイヤ、ストップテック製ST40ブレーキキット、専用エアロパーツなどが装備されます。
ちなみにクーリング系やナックルアームなどは、一部同じトヨタの市販車(タンドラやRAV4)から流用している、とのこと。
車体重量はノーマル比で68キロ削られているとのことですが、いかに足回りを固めたとはいえど「350馬力、軽量化68キロのみ」のFFセダンがここまでのタイムを出すのは驚き以外の何ものでもなく、それだけアヴァロンのポテンシャルが高いということになりそうですね。
なお、ボンネットのデカールを見るとTRDは40周年を迎えた模様。
日本だとTRDはそのお株をGazoo Racingに奪われてしまい、現在は「パーツメーカー」となってしまったものの、アメリカのTRDは「トヨタ・レーシング・デペロップメント」の名の通りモータースポーツ活動を受け持っていて、そのためにこういった「アヴァロンTRD Pro コンセプト」を作ろうということになるのでしょうね(アメリカのTRDは日本におけるGazoo racingのようなポジションであり、逆にアメリカではGazoo Racing=GRの影が薄い)。
なお、ホイールはなんと「カーボンバレルにアルミフェイス(CNC加工)」。
たしかに「その中身はレーシングカー」に近いようには思われるものの、それでもやっぱりこのタイムはなにかの間違いなんじゃないか、というほどの数字ですね。
VIA:TOYOTA