| ただしもっとも気になる価格の発表はない |
フェラーリはその新型車「ローマ」をすでに発表済みではありますが、その際の情報は「限られた内容」。
しかしフェラーリは今回、追加情報に加え新しい公式フォト、そしてプロモーション動画を公開しています。
なお、車両の情報については、これまで公開された内容に対して「補足」的なものにとどまり、価格についても発表されていないのがちょっと残念。
現在フェラーリはSF90を世界各国にて順番にお披露目しており、その後の812GTS、F8スパイダーのVIP向け展示が終わった後にようやく「ローマ」が世界行脚に向けて出かけることになるのかもしれませんね。
ローマは「1950年代のフェラーリ製ロードカーをイメージ」
「ローマ」のデザインについては1950年代のフェラーリ製ロードカー、そして当時のローマを意識した”優雅さ”を前面に押し出したもので、フェラーリとしては初のシャークノーズを採用しています。
これは文字通り「横から見るとサメのように見える」鼻先を持っているデザインを指し、現在だとメルセデス・ベンツが好んで採用。
デザイン的に「フロント上面を長く」取れるためにロングノーズを強調でき、より古典的な雰囲気を演出することが可能です。
なお、この優雅なデザインを実現するため、フェラーリのデザイナーは「不要な装飾を廃し、ベント(ダクト)も極力取り払った」とのこと。
ローマのリアにはアクティブスポイラーが装備されることはすでに公表済みですが、これは「ミディアム」ダウンフォース、そして「ハイ」ダウンフォース形態に変形し、時速250キロの状態ではポルトフィーノに比較して+95kgのダウンフォースを発生するとアナウンスされています。
なお、ローマは「ポルトフィーノのクーペ版」と事前に伝えられており、フェラーリの正規ディーラーにも同様の通達がなされていたものの、イザ発表されると「けっこうポルトフィーノと違う」。
パワートレインについて、エンジン自体はポルトフィーノと同じ3.9リッターV8ツインターボですが、出力は600馬力から620馬力へ。
トランスミッションはポルトフィーノの7速DCTから、SF90ストラダーレにて採用される8速DCTへと改められています。
ローマのインテリアはSF90ストラダーレに近い
そして「ポルトフィーノと違う」のは室内も同様で、トランスミッションやテールランプ同様に「SF90ストラダーレに近い」仕様。
左右対称に近い「デュアルコクピット」を採用し、メインのメーターは16インチという大きなサイズ。
センターコンソールのモニターは8.4インチサイズで、ここではエアコン、カーナビゲーション、エンターテイメント等の操作を行います。
助手席にはオプションにて8.8インチディスプレイを装着でき、パッセンジャーディスプレイを選べるのはこれまでのフェラーリと同じであるものの、ローマではこのディスプレイにて「センターコンソールと同じ機能の操作が可能」となり、助手席に座った人でも簡単に操作ができるように。
インテリアの素材はポルトローナ・フラウ社製のレザー、そしてアルカンターラ。
航空機のスロットルをモチーフとしたセンターコンソール上のセレクターもSF90ストラダーレ同様ですね。
そのほかローマでは各種ドライバーアシスタンスを備えることもトピックで、アダプティブクルーズコントロール、エマージェンシーブレーキ、レーンデパーチャーワーニング、サラウンドビューカメラ、トラフィックサイン・レコグニション(標識認証)、ブラインドスポットモニター、リアクロストラフィックアラートも装備(国産ミニバンみたいだ!)。
エンジンは上述の通り3.9リッターV8ツインターボ、出力は620馬力。
フェラーリは以前より「ターボラグ・ゼロ」を主張していますが、ローマではそれがさらに推し進められ、かつユーロ6D(規制)にも適合。
なお、エンジンにはフラットプレーン・クランクシャフト、等長エキゾーストマニフォールドが装着され、高いスロットルレスポンスの実現、そして低ロス率を実現した、とアナウンスされています。
トランスミッションはSF90ストラダーレと同じ8速DCTを採用するものの、ギア比はよりオープンに、そしてSF90ストラダーレとは異なってハイブリッドではなく、トランスミッションに仕込んだモーターでバックできないために「バックギア」が追加されることに。
採用される車体制御システムは最新のSSC 6.0となり、電制デフ、F1-Trac、SCM-E、フェラーリ・ダイナミックエンハンサーを備えて0-100km/h加速は3.4秒、0-200km/h加速は9.3秒、最高速は320km/h以上 というスペックを実現しています。
ローマはそのクラシカルなルックスからマイルドな性格を連想しがちですが、フェラーリの言うとおりに「イブニングドレスを着たF1マシン」、つまり中身は完全なるピュアスポーツということになりそうですね。
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