| パガーニは顧客の求めに応じ、納車済みの車両であっても自在にアップグレードしてくれる |
パガーニが2019年6月にデザインスケッチを発表していた「ゾンダ Zun」の実車がついに完成。
なお、パガーニは「もう(頼まれても)ゾンダの新車を作らない」とコメントしているとおり、このゾンダZunについては新規に製造したものではなく、すでに「ゾンダF」として納車されていた個体を(オーナーが)パガーニに持ち込み、「ゾンダZun」へと生まれ変わらせた個体だと報じられています。
パガーニ・ゾンダの最新ワンオフ「Zun」公開。なお、今後”新車のゾンダ”は生産されず、既存モデルのアップグレードのみが行われることに
パガーニ創業者は元ランボルギーニのエンジニア
なお、ゾンダは1990年に登場したパガーニ・アウトモビリの市販車第一号。
ちなみに創立者のオラチオ・パガーニ氏はそれまでランボルギーニのエンジニアとして働いており、「カウンタック25thアニバーサリー」の開発に携わったことも。
そしてカウンタック25thアニバーサリーは「当時まだ珍しかったカーボン素材」を採用したクルマですが、この採用もオラチオ・パガーニ氏の判断によるもの。
そして同氏はその後カーボンに大いなる可能性を見出し、シャシーをカーボンファイバーにて作ろうと考え、ランボルギーニに「カーボン製シャシーを焼成できるサイズの窯を導入してくれ」と上申。
しかしながらランボルギーニはそれを見送り、よってオラチオ・パガーニ氏は「じゃあ自分でやるわ」とランボルギーニを辞し、パガーニ・アウトモビリを設立したという経緯があるようです。
そんなパガーニですが、最初の「ゾンダC12」以降はゾンダC12S、ゾンダF、香港のディーラーが発注した「チンクエ」といったスペシャルモデルを経てもっともエクストリームな「760スペック」に到達。
これはルイス・ハミルトンが「ゾンダ760LH」を所有したことで有名になっていますが、そのほか前ZOZO社長、前澤氏も760スペックのゾンダ「ZOZO」を所有していることで知られます。
今回のゾンダZunについては、ルイス・ハミルトンの「760LH」によく似た外観を持っており、クリアパープル仕上げのボディパネルを持っていて、マットグレー仕上げのカーボンパーツとの相性も抜群。
そのほか、別の760よりも大きく見えるリアウイング、そしてセカンダリーウイングやシャークフィン、チンクエと同じデザインのシュノーケルを持つこともわかり、これまでの「760スペック」や「限定モデル」のディティールを取り入れているということもわかりますね。
なお、パガーニの顧客はパガーニに対する忠誠心が強く、オイル交換を行うだけでも「飛行機に自分のゾンダやウアイラを積んで」イタリアのパガーニ本社へと運ぶ人も多数。
その理由としてはオラチオ・パガーニ氏の人格の素晴らしさ、そして何よりも自身の送り出したクルマに対する情熱に共感する人が多いからだろう、とも考えています。
加えて、今回のゾンダZunのように、一旦購入し納車を受けたとしても、外装だけではなくパワートレインのアップグレードも行ってくれるというパガーニのサービスに満足しているからなのかもしれません。
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