| 欧州だとMR-Sは「MR2」を名乗っていた |
2011年のエッセン・モーターショーにて展示されたMR2ストリート・アフェア・コンセプト(MR2 Street Affair Concept)がちょっとした話題に。
エッセン・モーターショーは、たとえばフランクフルト・モーターショーのような、各自動車メーカーがコンセプトカーや新型車を発表する場ではなく、いわば改造車を集めたイベント。
日本だとオートサロン/オートメッセ、アメリカだとSEMAのようなイメージですが、そこには様々なカスタムカーや、メーカーがコンセプトカーを出展するにしても「カスタムの可能性を追求した」仕様が選ばれます。
そしてこのMR2ストリート・アフェア・コンセプトもまた、「未来のトヨタ」を示すのではなく、どこまでカスタムできるのかを追求した一台となっています。
MR-Sの外板は比較的簡単に交換できる
なお、ベースは「MR-S」ですが、それでも「MR2」を名乗るのは、欧州だとMR-Sは「MR2」として販売されていたため(MR-Sは英語圏だと”ミセス”を連想させ、クルマの名としては不向きという判断)。
なお、見ての通り、このMR2ストリート・アフェア・コンセプトはF1マシンっぽいノーズを持っていることが特徴。
というのも、翌2002年からトヨタは「パナソニック・トヨタ・レーシング」としてF1グランプリに参戦しており、そのプロモーションの意味も持っていたのだと思われます。
このMR2ストリート・アフェア・コンセプトの製造を担当したのはトヨタが欧州に持つ持たースポーツ拠点、Toyota Motorsport GmbH=TMG。
そのスタイルは完全なる「スピードスター」で、低くカットされたフロントスクリーン(フレームレス)にサイドが空洞となったドア、なによりもトヨタのF1マシン、TF102風のカラーリングが特徴的。
ちなみにこちらがTF102。
同時期には、このMR2ストリート・アフェア・コンセプトと同じカラーリングを持つMR2(MR-S)、「MR2コンペティション」を100台のみ限定発売している、とのこと。※MR2ストリート・アフェア・コンセプトそのものはワンオフモデルであり、市販されていない
なお、MR-Sは「基本骨格にボディパネルを貼り付けた」外装を持ち、つまりは外板をそっくりそのまま交換することが可能。
トヨタはMR-S企画段階では「人気次第で、様々な外装を発売する」ことを検討していたようですが、実際には「オプション外装」を発売するほどの人気者とはならかなったようですね(その無念がコペンに反映されているのかも。コペンもやはり外装の交換が可能)。
ただ、その「カスタム障壁の低さ」からか、トヨタとザガートとの公式コラボレーションのほか、「カセルタ」といったコンプリートカーほか、公式/非公式にて多くの改造車が存在するのもMR-Sの特徴でもあります。
リヤビューは相当にアグレッシブで、「エンジン丸見え」そしてあまりに太すぎるリヤタイヤが注目度抜群(ホイールのリムも相当に深い。リヤホイールは12J×19インチ、タイヤ幅は345)。
ちなみにエキゾーストシステムには「TTE(チーム・トヨタ・ヨーロッパ)」の文字が見え、これはWRCに参戦していたチーム。
なお、TTEはMR-Sをベースに”MR-S turbo tuned by TTE”をリリースしたことがあり、おそらくMR2ストリート・アフェア・コンセプトはこれをベースにしているものと思われます。
このMR2ストリート・アフェア・コンセプトについて、公式スペックは258PS(もともとのMR-Sha140PS)、トランスミッションは6速MT(ということは2002年に登場したマイナーチェンジ後の後期モデルを先取りしていたということになる)。※MR-S前期型は5MT、後期型は6MT
駆動輪はもちろん後輪のみ、0-100km/h加速は6秒、最高速は249km/hを誇り、それにあわせて車体も強化され、車高は3センチ低められてブレーキシステムも強化されているようですね。
こちらはMR2ストリート・アフェア・コンセプトのインテリアですが、上部がカットされたステアリングホイールにシンプルなダッシュボード、しかし大きなメインスクリーン(速度表示などもここに出てくるものと思われる)が印象的。
その下部にはカーオーディオ、カーナビゲーションのようなものも見え、意外と実用性も考慮されているようですね。
VIA:CARSCOOPS