
Image:PVS
| 文字通り「手が入っていないところはない」レベル。けっこうな需要がありそうだ |
この記事のハイライト
- 質実剛健が「超豪華」に: 頑丈さが魅力のトヨタ「ランドクルーザー70系」がオーストラリアのカスタムメーカーPVSの手により、内装総アルカンターラ仕上げの高級オフローダーに変貌を遂げる
- 対メルセデス・ベンツGクラス: カスタムされたランクル70の価格は、オーストラリアで20万豪ドル(約2,060万円)に設定され、メルセデス・ベンツGクラスのベースモデル(G450d)を超える「超高額」車両に
- こだわり抜いた内装色: 外観は黒でシックにまとめられる一方、内装はダッシュボードからシート、天井に至るまで、鮮やかなインディゴ(藍色)のアルカンターラとオレンジのコントラストステッチで埋め尽くされ、別次元の特別感を放つ
ランクル70から泥臭さを消去。究極のオフロード王者「ランクル70」が手に入れたセレブな輝き
長年にわたりトヨタ・ランドクルーザー70系は、その圧倒的な耐久性と信頼性、そして一切の贅沢を排除した質実剛健な設計により世界中のヘビーデューティーな環境で「生きた伝説」として君臨する存在です。
内装はシンプルで簡素、機能性は最低限。それが70系たる所以でもあったわけですね。
Image:PVS
しかし今回、オーストラリアのアフターパーツメーカー「PVS」がその常識を打ち破り、PVSが手掛けた2025年型ランクル70の”カスタムモデル(現時点ではワンオフ)”はメルセデス・ベンツ Gクラスをも凌駕しかねない究極のラグジュアリー・オフローダともいうべき存在です。
ここでは、この「究極のセレブカスタム」が施されたランクル70の驚くべき内容、その驚異的な価格設定の裏側にある市場の新しいニーズについて掘り下げたいと思います。
PVSの徹底的な再構築:外装と内装のギャップに驚かされる
PVSがカスタムのベースに選んだのは、2.8リッター直列4気筒ターボディーゼルエンジン(最高出力201hp、最大トルク500Nm)と6速ATを搭載した2025年型ランクル70。
パワートレインの基本はそのままに、エクステリアとインテリアに文字通り「贅が尽くされた」改造が施されています。
1. 外装:シックに引き締められたタフネス
エクステリアは、タフな印象を強調しつつも洗練されたスタイルにまとめられ、モールシステムが取り付けられたスペアタイヤカバーなど、ある種の「ミリタリー調」。
Image:PVS
- パーツ供給: 中国のUrnieta社製の外装パーツ(フロントバンパー、サイドステップ、ホイール、ルーフラック、スペアタイヤカバーなど)で全身を武装
- カラーリング: 車体全体はブラックで統一されたうえでクリアのペイント保護フィルム(PPF)で仕上げられ、これによって道具感を保ちながらも、ディテールにこだわったタフな高級感を醸し出す
Image:PVS
2. 内装:究極のインディゴ・ラグジュアリー空間
PVSカスタムの真髄は外観とは裏腹の「完全に再設計されたインテリア」にあるのかもしれません。
- シート: ホールド性の高いレカロ(Recaro)製スポーツバケットシートを装着
- 総アルカンターラ仕上げ: ダッシュボード、ドアパネル、天井、そしてシートに至るまで、事実上すべての表面が鮮やかなインディゴ(藍色)のアルカンターラで覆い尽くされる
- コントラスト: シートベルトやステッチには、インディゴカラーと対照的なオレンジのアクセントが配され、遊び心と高級感が両立
- 最新機能: PVS独自の最新タッチスクリーン・インフォテイメントシステムとカスタムステアリングホイールが装備され、古典的なランクル70に現代的な快適性がもたらされる
- 実用性との融合: リアのカスタム引き出し式ストレージシステムまでもがアルカンターラで覆われ、過酷な使用を前提とした70系に「美しさ」という新しい価値観を持ち込んでいる
Image:PVS
スペック比較:ランクル70カスタム vs メルセデスGクラス
このPVSカスタム・ランクル70は単なるショーカーではなく実際に販売されており、その価格は伝統的なオフロードモデルとしては驚くべき水準にあります。
| 項目 | PVSカスタム・ランクル70 | メルセデス Gクラス (ベース/豪州) |
| ベースモデル | 2025年型 70系 SUV | ベースグレード (ターボディーゼルL6) |
| 最高出力 | 201 hp | 367 hp以上 (G450 d参考) |
| 価格 | 200,000 豪ドル (約2,060万円) | 約167,000 豪ドル (約1,720万円) |
| 内装 | インディゴ総アルカンターラ、Recaroシート | ベーシック仕様 |
| 特徴 | 究極のオフロード耐久性 + 究極の豪華さ | 卓越したブランド力と最新技術 |
オーストラリアでのベースモデルのGクラス(ターボディーゼル直6)の価格が約16.7万豪ドルであるのに対し、このPVSランクル70は20万豪ドルという設定を持っており、パワーやテクノロジーではGクラスに劣るものの、ランクル70の「不朽の信頼性」とPVSによる「唯一無二のビスポーク(オーダーメイド)な豪華さ」がこのモデルの「唯一無二の付加価値」。
1. 「道具」から「ステータスシンボル」へ
このPVSランクル70カスタムは、単なる車の改造事例以上の、市場の大きなトレンドの変化を示唆しています。
これまでランドクルーザー70系は、鉱山や砂漠地帯で働く人々の「道具」として愛されてきましたが、しかしこのカスタムはランクル70がその不屈のヘリテージ(遺産)という独自の価値を踏まえたうえで、メルセデス・ベンツGクラスやランドローバー・ディフェンダーといった高額なヘリテージ・オフローダーと同じく、究極の「ステータスシンボル」へと昇華したことを示しています。
2. 日本の技術が持つ不朽の価値
ベースとなるランクル70のラダーフレーム構造や耐久性は、数十年にわたり世界中で証明されてきた日本の技術の賜物。
PVSカスタムは、この「壊れない」という不朽の価値に、「贅沢さ」という要素を加えることで、日本の自動車技術の可能性を改めて世界に提示したとも言うべき存在で、このカスタムモデルは「本当に良い道具は、どれだけ豪華に仕立てても、その本質的な魅力は揺るがない」という新しい共感をぼくらにに与えてくれそうですね。
結論:究極の贅沢を手に入れた最強の道具
PVSによって生まれ変わったランクル70は、質実剛健なタフネスと細部にまでこだわった職人技によるラグジュアリーが見事に融合した一台。
「世界最高の信頼性を持つオフローダーに、世界最高の贅沢を。」
このコンセプトは、オフロード愛好家と富裕層の両方の心を捉える、非常に強力なメッセージを持っており、PVSはこの一台が好評であれば追加生産にも前向きであり、オーナーの要望に応じて内外装のカラーなどを変更するビスポーク(受注生産)も受け付ける、とコメントしています。
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