| ただし具体的な走行性能は発表されていない |
世界最速のハイブリッドハイパーカーとして「ドラージュ(Delage)D12」が発表。
ドラージュとは聞き慣れない自動車メーカーではありますが、1905年に操業を開始し、1953年まで自動車(主に高級車やレーシングカー)を生産しています。
そして今回のドラージュD12について、そのデザインイメージは「戦闘機とF1マシン」だとされ、実際にその外観は文字通り「戦闘機とF1マシンとのハイブリッド」。
ドラージュD12は「ウルトラモダン」なハイパーカー
ドラージュはこのD12について「ウルトラモダン」だとも表現しており、実際に未来から来た乗り物のようにも。
ノーズ部分は明らかにF1マシンを意識しており、しかしそのパネルは透明で、内側にはインボードサスペンションが確認可能。
フロントアンダーにはやはりF1マシンのような(しかしちょっと大人しめの)フロントウイングも取り付けられています。
そしてなんといっても面白いのはその室内。
もはやコクピットと表現するのが妥当だと思いますが、前後にカーボンファイバー性シートを2つ備える「タンデム型」で、しかもドアがなく、キャノピーがごっそりと開くという形状を持っています。
よって乗降には車体をステップにして乗り込むことになりますが、このあたりはカリフォルニアから登場した「タキオン・スピード」にもよく似ていますね。
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上から見るとこの通りで、「F1マシンに、ガワを被せただけ」といった風体がよくわかります。
ルーフにはLEDライト付きのシュノーケル、サイドには大きく口をあけたエアインテーク。
なお搭載されるエンジンは7.6リッターV12(1,004PS)で、これにエレクトリックモーター(112PS)をひとつ組み合わせて出力はシステム合計1,116PS。
加えて「20PSの」モーターを別に内蔵し、これは街中での走行アシスト、バックや駐車時に使用する、とのこと。
なお、ドラージュGTには2バージョンあり、1,116PSを発揮するのは「GT」、そしてもうひとつの「クラブ」は1,024PSを発生。
そしてこのドラージュD12の重量は「クラブ」で1,310kg、「GT」では1,320kg。
「クラブ」はサーキット向けのスパルタンモデル、「GT」は快適装備が与えられた豪華版という位置付けとなるようです(フォーカル製のオーディオシステム等が追加されている)。
ドラージュD12の開発にはF1チャンピオンも参加
そしてこのドラージュD12の開発にあたってはF1王者のジャック・ヴィルヌーブ、FIAツーリングカー選手権チャンピオンのベノワ・バガーも参加しており、その性能やドライバビリティは「お墨付き」と考えて良さそう(現在は未挑戦ではあるものの、ニュルブルクリンクの市販車最速タイムを更新する計画を持っているようだ。その際のドライバーはジャック・ヴィルヌーヴかも)。
開発が予定通りに進めば、このドラージュD12は2021年に発売されるとのことで、価格は約2億5000万円、限定台数は30台。
このドラージュが67年の時を経てどうやって復活したのかは明かされていませんが、現ドラージュCEO、ロラン・タピ氏によると「世界で最も高いパフォーマンスを誇るスーパーカーとしてドラージュを復活させることに対してはスリルを覚える。このクルマはドラージュがかつて得た名声を現代にもたらすにふさわしい」。
新興スーパーカー/ハイパーカーメーカーは山のようにあれど、実際に発売にまで漕ぎ着けたメーカーは「一握り」しかなく、「世界最速」かどうかは納車が開始されてから今一度判断するということになりそうです。