| 一時、ポルシェはリマックの技術を手に入れるためにリマックを買収すると言われたが |
ポルシェはこれまでにもリマックへと投資を行い、15.5%の出資比率を持っていたものの、今回7000万ユーロをリマックに投資し、その結果24%まで出資比率を高めることに。
これまではリマック発行済株式のうち47.7%はリマック創業者のメイト・リマック氏が所有し、15.5%はポルシェ、14%はヒュンダイグループ、残りは「その他」が所有していると報じられていましたが、今回ポルシェが「プラス8.5%」をメイト・リマック氏から引き受けたのか、それともヒュンダイ、もしくはその他から買い取ったのか、はたまたリマックが増資を行ったのか等の詳細は不明です。
ポルシェ「我々の投資は間違ってなかった」
なお、ポルシェの役員であるルッツ・メシュケ氏によれば「我々の投資は間違ってなかった。リマックの価値は投資の都度上昇し、技術的にも大きな進歩を果たした」。
加えてリマックへと「非常に先進的なコンポーネントを発注した」とも述べており、様々な点においてリマックからのメリットを享受することになりそうです。
参考までに、ポルシェは「将来、自動車だけでは食えなくなる」とコメントするとともに投資先を探している、ともつねづね語っており、実際にリマックはじめ様々な会社に対する投資を拡大中。
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リマックの投資についても「リターンを得る」ことが目的だとすると、ちょっと前に噂されたような「リマックの支配権を獲得してその技術を自社のクルマにフィードバックする」ことが狙いではないのかも。
むしろ、リマックの将来性に目をつけ、資金を提供し、リマックにさらに技術を磨いてもらい、リマックがその技術をあちこちに販売して得た利益を(出資比率に応じて)受け取る受け取ることが目的なのだと思われます。
そして、リマックのような投資先を数十件、数百件と確保することで自動車販売にかわる収益源を得たいのかもしれませんね。
リマックとポルシェは独立性を保つ
一方でリマックCEO、メイト・リマック氏は「私はこの会社を2009年に、21歳のときに創業した。今では多くの自動車メーカーが我が社の顧客となっているが、重要なことはポルシェとリマックとは独立したそれぞれのビジネスを行っているということだ。ポルシェは我々が開発を行い成長するのを助け、その結果が我々の顧客の利益となる」。
こういったコメントを見るに、やはりポルシェの目的はリマックに「技術を磨き稼いでもらう」ことだと考えて良さそうですね。
参考までに、ちょっと前までのウワサだとフォルクスワーゲングループがリマックに対してブガッティを無償で差し出し、そのわかりにポルシェがリマックの株式を(支配権を得られる)50%超まで譲り受けるという説が存在。
ただしこの方法だと、ポルシェはリマックを最小限の負担で入手できると思われるものの、おそらくはそうなったリマックに対して開発を委託する企業は少なくなるものと思われ(ライバル企業=ポルシェに手の内を知られることになる)、となるとリマックの収益が減り、開発資金が減ったり開発力が落ちる可能性も。
そして結果的にリマックは衰退することになってしまい、長期的な収益源を失ってしまう可能性がありそうです。
そう思うとやはり「リマックには独立性を保ったまま、受託企業としての収益性を高めてもらう」のがいいのでしょうね。
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