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なぜホンダはここまで落ちぶれたのか?頼みの綱のフィットはTOP10圏外、国内シェアは下がり続け10%を切る寸前に

投稿日:2021/03/12 更新日:

ホンダ・シビック・タイプR

| 市場に「媚びた」クルマを作るようになってファンに見放されたのかもしれない |

さて、ここ最近の日本国内自動車登録状況を見ていて気になるのがホンダの凋落ぶり。

2021年2月の販売ランキングTOP10には一台もホンダ車が入らず、頼みの綱のフィットは12位に沈み、ライバル関係のトヨタ・ヤリスに比較して販売台数が約1/4という状況です。

さらに2021年2月の販売だとトヨタの129,741台に大きく差をつけられているのはもちろん、日産の28,229台にもおよばない23,885台という数字。

なお、TOP10のうち8台はなんとトヨタで、残る2台はホンダではなく日産であり、もはやホンダは見る影もないといった状況となっています。

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なぜホンダはこんなことになってしまったのか

そこでなぜホンダがこういった事態に陥ったのかを考えてみたいと思いますが、ぼくとしては「単にホンダが面白いクルマを作らなくなったから」なんじゃないかと考えているワケですね。

かつてのホンダは「ホンダにしかできない」クルマを多数リリースしており、ほかの自動車メーカーが真似しようと思っても真似できないレベルの独創的なクルマも存在したと認識しています。

少なくとも、以前は「何かに似ている」と言われるようなクルマや、CX-ハリアーと揶揄されるクルマを作るようなメーカーではなかったはずです。

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ホンダのクルマはもはや面白くない

ただし現在のホンダは楽しい車を発売するよりも「売れるクルマ」に注力する傾向があり、S2000後継モデルについても「今はそんなことをやっている余裕はない。それよりもカネになるSUVが先だ」と社長自ら発言したことも。

そして、そういった「クルマ好きが好むようなクルマを後回しにして、売れるクルマを優先する」姿勢は消費者にも伝わってしまうことになり、これがホンダの価値、そしてファンのロイヤルティを下げたのだとも思われます。

トヨタは逆に面白いクルマを作る自動車メーカーに

逆にトヨタの場合だと、豊田章男社長に代わった後は「面白いクルマ」づくりを行うようになり、たとえばGRスープラやGRヤリスもそのひとつ。

かつてトヨタは「スポーツカーを持たない」時期すらあったものの、今では「多数のスポーツカーを抱えるメーカー」となっており、そこがクルマ好きを刺激したり、スポーツカーに興味がない人に対しても「なんか楽しいクルマを作っているらしい」ということを認識させるに至っているのかも。

なお、ぼくは「スポーツカーを作るメーカーが面白い自動車メーカー」だと言っているわけではなく、スポーツカーのような「売れずに無駄な」「ビジネスとしては成り立たない」クルマを作るメーカーの姿勢(そして、その余裕を作り出すための経営手腕)を評価しているわけですね。

そしてホンダは「利益追求主義で、無駄を排除する人間味のないメーカー」として人々の目に映ることになり、これは日産が支持を失っていったのと同じ理由だとも考えています。

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ホンダのデザインは凡庸になった

そして「デザイン」についても同様の傾向があると考えていて、最近のホンダのデザインは無味無臭。

たとえば「現行オデッセイや、ステップワゴンの顔を思い出せるか」というとぼくにとってそれは難しく、「新型フィットはどんなクルマなのか」も思い描くことが難しい、と言う認識。

一方でトヨタ・アルファードやヤリスだとそのフロントを思い出すことができ、明確に頭の中で描写できなくとも、実際にそのクルマを見ると「あ、アルファード」といった感じで認識できる人も多いかと考えています。

参考までに、BMWは4シリーズにて大きなグリルを採用し、酷評されながらも「20%の人だけに気に入って貰えればいい」とコメント。

つまりは万人受けよりも一部の人にだけ強烈にアピールできればそれでいいと考えたのだと思われますが、アウディやメルセデス・ベンツが販売を伸ばせない中、ジャーマンスリーでは唯一「2ケタ成長」を記録しています(2021年2月の日本国内において)。

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誰からも嫌われないようすれば、誰からも好かれなくなる

逆にホンダは「より多くの人に気に入られようと」して低刺激なデザインを採用してしまい、それと同時に個性を失ってしまったのかもしれません。

これは人間においても同じことで、とくに欠点もないものの個性もない人にさほど惹かれたり、その人を記憶に留めることはなく、しかし欠点はあっても強烈な個性を持つ人のことは(好き嫌いは別にして)よく覚えているのと似ています(少女漫画だと、だいたい主人公の少女が「なにアイツ」と初対面時に反感を抱いた男性のことを後に好きになる)。

そしてこの凡庸さは実際にセールス面にも現れていて、北米ではこれまでずっといい感じで争ってきたトヨタRAV4に対し、ホンダC-RVはその優位性を明確に失うことに。

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ホンダの純血主義も成長を妨げる

なお、ホンダは他社と手を組みたがらないことでも知られ、なんでもかんでも独自で開発したがる傾向も。

ハイブリッドシステムやEV、FCVについても同様で、これがホンダの収益を大きく圧迫し、そのため余裕がなくなって他のチャレンジ(上述のスポーツカーなど)を行いにくくしています。

特にハイブリッドやFCVについてはトヨタとの競争となってしまい、結局はトヨタの後塵を拝することになるわけですが、最初からトヨタと組んでこれらを開発していればコストを抑えることができ、抑えたコストをもって「ホンダらしい」別のチャレンジができたんじゃないかと思うわけですね。

これは「アシモ」についても同様で、単独ではなくボストンダイナミクスとでも協業していれば、少なくともアシモ事業部を売却するなど損失を抑えることができたのかもしれません。

現在ホンダは北米においてGMとの提携を行っているものの、日本では「トヨタ、スズキ、スバル、マツダ」が手を組む中で取り残された状態にあり(日産はルノーと三菱とアライアンス関係にある)、ここから状況をひっくり返すことは難しいかもしれません。

現に、FCAとPSAとが合併してステランティスが誕生するにあたり、ホンダはその規模を相対的に縮小させていますが、現代において「規模」とはすなわち開発能力を意味することになり、ホンダは今後「開発能力に劣り、コストの高いクルマしか作れず、収益性の悪い会社」となり存在感を弱めてゆく可能性が高そうです。

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