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【試乗:VWゴルフ eTSI R-Line】走りの「質」に磨きをかけつつ「デジタル」「コミュニケーション」分野における進化のほうが大きい。ここにVWの考える未来を見た

2021/06/27

【試乗:VWゴルフ eTSI R-Line】走りの「質」に磨きをかけつつ「デジタル」「コミュニケーション」分野における進化のほうが大きい

| やはりフォルクスワーゲン・ゴルフは完璧過ぎるクルマだった |

この価格でこんなクルマを出されると他のメーカーは太刀打ちのしようがない

さて、新型フォルクスワーゲン・ゴルフ(ゴルフ8)eTSI R-Lineに試乗。

ぼくは過去に何度かゴルフを購入しようとしたことがあり、しかしいまだにそれを果たせずにいます。

そしてゴルフ8世代でこそゴルフデビューを飾りたいと考えていて、今回の試乗とあいなったわけですね(購入するのであれば、ゴルフGTIもしくはゴルフRになると思う)。

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新型ゴルフのラインアップは現在4種類

現在ゴルフ8のラインアップは4種類で、エントリーモデルから順にeTSIアクティブベーシック(2,916,000円)、eTSIアクティブ(3,532,000円)、eTSIスタイル(3,903,000円〜)、eTSI Rライン(3,953,000円〜)。

前2つは1リッターターボエンジン(110PS)、うしろ2つは1.5リッターターボエンジン(150PS)を積んでいるという差はあるもの、いずれもLEDヘッドライトやフルオートエアコンを装備し、運転支援デバイスについても「ほぼ」差がなく、このあたりはさすがドイツの自動車メーカーだと言えそうです。

ちなみに全車「48Vベルト駆動式スタータージェネレーターとリチウムイオンバッテリー」によるマイルドハイブリッド仕様です。

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VW ゴルフeTSI R-Lineはこんなクルマ

VW ゴルフeTSI R-Lineは現時点でのトップレンジということになりますが、フォルクスワーゲンによると「スポーツマインドあふれる専用装備を充実させたモデル」。

R-Line専用バンパー、5ダブルスポーク17インチアルミホイール、専用スポーツサスペンションを装備しており、インテリアだとファブリック&マイクロフリーストップスポーツシート、レザーマルチファンクションステアリングホイール、アルミ調ペダルクラスターといったR-Line専用装備が奢られます。

全長4,295ミリ、全幅1,790ミリ、全高1,745ミリというボディサイズを持ち、堂々とした印象も受けますね。

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VW ゴルフeTSI R-Lineに乗ってみよう

そして早速新型ゴルフ eTSI R-Lineに乗ってみますが、キーを持って(クルマと)1メートルくらいの距離に近づくと自動的に解錠。

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こういった面を含め、新型ゴルフは「スマート、デジタル化が進んだ」という印象が強く、実際にメーターはフルデジタル化され、ダッシュボードセンターのインフォテイメントディスプレイにて車輌の機能の多くを操作することができるようになっており、目に見えるスイッチが最小化されています(残されたスイッチもうまく隠されている)。

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なお、こういった静電スイッチはタッチすると微妙にブルっと震えて「操作を受け付けた」ことを知らせてくれますが、これはアウディがインフォテイメントシステムで採用したのと同じ手法ですね。

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その後はミラーやシートを合わせていざスタート。

出だしは非常に軽く、これはおそらくモーターのアシストがあるためだと思われ、走行中に加速するような場面では「ターボとモーター」両方でのブーストがかかるため、1.5リッター150馬力とは思えない加速感を持っています。

なお、車体剛性が非常に高く、かつNVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)がしっかり抑えられているために速度感が希薄であり(これはフォルクスワーゲンやアウディのひとつの特徴でもある)、気がつくとすぐに制限速度に達してしまうことに。

ドライブモードをスポーツに入れるとシフトチェンジのポイントが高くなってスポーティーな走りができるのはこれまでのゴルフ同様ですが、パドルを使用しての積極的な走りにおけるキビキビ感はゴルフ7以上であり、これもやはりモーターによるアシストのおかげかもしれません。

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ステアリングホイール、ブレーキに対する操作も精密極まりなく、これもゴルフ7から引き継いだ美点だと言えますが、その「質」は大きく向上しているように思います。

ゴルフ7にはこれまでに何度も乗ったことがあり、「これ以上バランスがいいクルマはないだろう」と考えていたものの、ゴルフ8ははるかにゴルフ7を超えてきたという印象ですね。

アイドリングストップからの復帰も素早く、かつ振動やノイズも少なく、そしてブレーキホールド解除時のショックも非常に小さく、とにかく細かいところを改良してきたなという印象があって、ちょっと乗っただけでも「いいクルマだな」とわかるのが新型ゴルフでもあります。

その変化はデジタルそしてコミュニケーション方面のほうが大きい

ただ、ゴルフ8の真価は「デジタル」そして「コミュニケーション」にあると考えていて、たとえばデジタルコクピット、マトリクスLEDヘッドライト含む「IQ.ヘッドライト」や横一文字に光るポジションランプ、部位によってカラーを分けることができるアンビエントライトといった具合に、視覚的にクルマとコミュニケーションを取る方法がずいぶん進化している模様(メーターのカラーもアンビエントライトに連動する)。※こういった視覚情報はバカにできない

こういったところは走りとは関係がありませんが、クルマが今後「デジタルコミュニケーションツール」へと進化してゆくにあたり、フォルクスワーゲンが重視した部分なのかもしれません。

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加えてアダプティブクルーズコントロール、レーンキープアシスト、レーンチェンジアシスト等の設定の細かさや精度も向上していて、ステアリングホイール内にセンサーが仕込まれるなど制御も複雑化しており、より自然な動きができるようになっています。

そのほか、どのギアポジションであってもエンジンを停止させれば「P」に自動的に入るなどドライバーが日常的に行なう動作についてもその工程が減っていて、とにかくクルマがスマート化し、ドライバーの「パーソナルアシスタント」的な動きをするようになっているように思います。

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そういった意味では、今回のゴルフ8はこれまでとは全く異なる方向での進化を見せることになり、来るエレクトリック化へ向けての過渡期における「未来への橋渡し的」な役割を担うのかもしれませんね。

新型フォルクスワーゲン・ゴルフを見てきた際の動画はこちら

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