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え?これがBMW Z4?BMW Z8のクーペ版にも見えるカスタムカー、「オレサ」が発売開始。なおエンジンはBMW M製のV8 / 450馬力

2021/09/02

え?これがBMW Z4?BMW Z8のクーペ版にも見えるカスタムカー、「オレサ」が発売開始。なおエンジンはBMW M製のV8 / 450馬力

| スペックやディティールを見るに、そうとうなマニアが考え、作ったクルマだと思われる |

軽量な車体にパワフルなV8、マニュアル、後輪駆動

さて、BMWは1990年代後半~2000年代前半にかけ「奇妙なクルマ」を連発していますが、BMW Z8もそのひとつ。

発売は2000年で、映画「ワールド・イズ・ノット・イナフ」で当時の007(ジェームズ・ボンド)を務めたピアース・ブロスナンが運転したことでも有名です。

デザイナーはのちにアストンマーティンでDB9などをリリースし、その後自身の自動車メーカー「フィスカー」を興すことになるヘンリク・フィスカーで、そのデザインイメージはかつてのBMW 507だと言われています。

搭載されるエンジンは当時のM5にも積まれていた4.9リッターV8、出力は400馬力、トランスミッションは6速マニュアル、駆動輪は後輪のみ。

その奇抜なデザインからいまひとつ(当時は)人気が出ず、しかし今考えると「レトロモダン」の先駆けとも言えるクルマであり、当時の販売は5703台にとどまるものの、近年になって再評価さることで大きく価値を上げているクルマのひとつでもありますね。

そして「珍車あるある」として、当時売れなかったがゆえに存在する台数が少なく、かつマニアが購入・所有するために売り物もなかなか出てこず、よって相場がひたすら上昇してしまうという傾向も見られます。

一見BMW Z8のコンプリートカーに見えるが

そして今回紹介する「オレサ(Oletha)」ですが、これは一見するとBMZ Z8をクーペにコンバートしたコンプリートカーのようにも。

ただしそこには逆説的なトリックが仕掛けられていて、なんとベースはE86世代のBMW Z4なのだそう(製造元であるスミット・ビークル・デザインはこれについて公言していないが、広くそう信じられている)。

たしかに、よく見てみるとZ8の特徴のひとつでもあったレトロなドアハンドルが姿を消し、サイドギルに仕込まれた”ネオン管”内蔵のウインカーもなく、しかしこのオレサでは「Z8っぽく」見せる工夫がなされています。

さらにはフロントウインドウの傾斜角がZ8とは異なり、給油口キャップの位置等から判断するにやはり「Z4がベース」ということになるのかもしれません。

BMW-Z8-oletha-smit-vehicle-engineering (2)

ただ、スミット・ビークル・エンジニアリングの仕事はみごととしか言いようがなく、美しいボディワークはすべてカーボンファイバーにて行われ、リアエンドの処理やテールランプ周り、なめらかなリアバンパーにインテグレートされたテールパイプなどは芸術的とすら感じます(サイドシルの丸さもいい)。

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BMW Z8よりもパワフル

そしてこのオレサに積まれるのはBMW製のS65 B44エンジンで、「S」とつくことから生粋のM部門によるものだとわかります。

排気量は4.4リッター、出力は450馬力だと紹介されているために「Z8よりもパワフル」ということになり、カーボン製ボディ採用によって車体重量は1400キロに収まっているそうなので、その走りは痛快そのものなのかもしれません。

さらにカーボン製のカスタムインテークマニホールド、ステンレスとインコネル製のカスタムエキゾーストコンポーネントが採用されており、エンジンが発生したパワーは6速マニュアル・トランスミッションと機械式リミテッドスリップデフを介して後輪へと伝えられることに。

ブレーキシステムには軽量鍛造Radi-CALキャリパーとフルフローティングローターを備えたAPレーシング製を取り入れ、鍛造モノブロックホイールにはミシュランのパイロットスポーツ4Sを装着するなど、「見た目がレトロなクルマを作った」というよりは「マニア受けする、パワフルで走って楽しいクルマ」を目指したということになりそうです。

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今回このオレサのインテリアについては公開されていないものの、ドライバーオリエンテッドなデザインを持つといい、シートは、8ウェイアジャスタブルのツーリングシート、もしくはカーボンファイバーコンポジット製のスポーツシートから選ぶことが可能。

そのほか素材や構造についても様々なリクエストが可能だといい、けっこうな人気が出るのかもしれませんね。

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参照:Smit Vehicle Engineering

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