今度はエジプト！シトロエンのCMが「セクハラ」だとして大きな批判が巻き起こり、撤回と謝罪に追い込まれる

｜　たしかにこれはちょっとキモい　｜

シトロエン自慢の機能が「アダ」となったようだ

さて、世界中で様々な広告に対する批判が展開されていますが、今回はエジプトにて、シトロエンが「女性蔑視とも受け取ることができる広告を出し」その撤回と謝罪に追い込まれる事態に。

非難が集中したのはCMの特定の部分で、エジプトのポップスター、アムル・ディアブがシトロエンC4のミラーマウントカメラを使って、道を歩く女性を許可も得ずに不気味に撮影しているシーン。

実際には、アムル・ディアブとこの女性とは恋仲にあることが後半で判明するわけですが、この「不気味に、かつ勝手に撮影」という行為がちょっとキモいと認識されたというわけですね。

実際のCMはこうなっている

そこで今回公開された動画を見てみたいと思いますが、アムル・ディアブがシトロエンをドライブしている最中に女性に遭遇。

「ぶつかりそう」なタイミングで停止したため、そのクルマに驚く女性（CM上の演出といえど、この”ぶつかりそう”なのも危険だとは思う）。

そしてアムル・ディアブはニヤリと笑い・・・。

ルームミラーに内蔵されているカメラに手を伸ばし・・・。

女性を撮影。

そしてその写真を自分のスマートフォンに転送。

シトロエンとしては「ルームマウントミラー」「すぐにスマホに転送」「そしてそれをシェアできる」という機能をアピールしたかったのだと思われます。

たしかにセクハラというかストーカーっぽい

この動画を見ると、たしかに「不気味な男性」にしか見えず批判を浴びるのは当然かも知れず、いかに後半の「仲睦まじい様子」を見せたとしても、前半の行為を正当化できないかもしれません。

実際にシトロエンは広告を削除し、「シトロエンは、事業を展開しているすべての国のコミュニティを大切にし、いかなる形のハラスメントも許しません。私たちは、この動画のこの部分を多くの人が否定的に解釈したことを深く反省し、理解しています。エジプトのビジネスパートナーとともに、このコマーシャルをシトロエンの全チャンネルから取りやめることを決定し、このフィルムによって不快な思いをしたすべてのコミュニティに心から謝罪します」とコメント。

なお、こういった「広告が問題となるケース」では、ほとんどの場合広告主が広告を削除して謝罪を行っていると認識しており、企業側はかなり弱い立場にあるとも言えそうです。

そしてこの広告に対して不快感をあらわした著名人も多く、エジプトの女優で作家のロザリン・エルベイは「こんにちは、シトロエン、これはセクハラです」と書き込み、さらに「知ってる？これは犯罪よ？」とコメント。

さらにエジプト系アメリカ人ジャーナリストのリーム・アブデラティフは「98％の女性が人生のどこかでハラスメントを受けたと報告している国で、セクハラを可能にする広告を作ろうと考えたのは誰でしょうね」と書くなど、同国では大きな問題となっていることも伺わせます。

反面、インスタグラムで1380万人以上のフォロワーを持ち、音楽活動で30枚以上のアルバムをリリースしているアムル・ディアブは、この件に関してまだコメントを出しておらず、しかしなんらかの対応を迫られるのかもしれません（ただ、契約としてCMに出演しただけで、彼の意思でこれを行ったわけではなく、静観もありだとは思う）。

参考までに、今年初め、エジプト議会はセクハラを重罪とし、刑期を6カ月から最低2年の懲役に引き上げ、さらに6,370～12,740ドルの罰金を科すという厳罰を承認していますが、厳しい規則にもかかわらず、地方自治体では、女性に対するセクハラや暴行の事例を思うように調査していないと非難されている現実もあるもよう。

2013年の国連の調査によると、エジプトの少女と女性の99.3％が生涯で何らかのセクハラを経験しており、この問題が同国で非常に深刻な問題であることもわかります。

問題となったシトロエンの動画はこちら

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لو بتدور على الراحة، يبقى بتدور على ستروين C4 الجديدة!
اتفرج على ستروين C4 الجديدة مع الهضبه واكتشف المعنى الحقيقي للراحة.#CitroënEgypt#NewCitroënC4#AmrDiab#CitroënXAmrDiab pic.twitter.com/mcWZCMigsN

— Amr Diab (@amrdiab) December 3, 2021

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参照：Amr Diab