テスラがトルコ市場へと正式に参入を発表！さらに専用充電器「スーパーチャージャー」のパワーを引き上げて充電時間を短縮

｜　テスラは「人口が多く、購買力が高い国」を順に攻略　｜

さらには自前の充電設備「スーパーチャージャー」を持つことが他社とは異なる

さて、テスラが正式にトルコ市場への参入を発表。

すでにこの計画は以前から推し進められていたようで、5000万トルコリラの増資を行っている他、バルカン半島の大半を占めるブルガリア、セルビア、ルーマニア、およびその他の国々で、急速充電器ネットワークの整備を進めている、とのこと。

なお、テスラ・トルコのゼネラルマネージャーはケマル・ゲセル氏、運営にあたるのはエミール・タンシュレック氏だと言及されています。

トルコ市場はこれからの成長株

トルコは現在リラの下落による経済混乱続いている状態ですが、8400万人の人口をかかえており、これは世界では17位に相当する数字。

つまりマーケットとしては比較的大きく、テスラとしてはインドに続き、大きなマーケットを攻略している、ということになりそうです。

参考までに、人口だけで見ると、ナイジェリアやコンゴ、バングラデシュといった国々のほうがトルコよりも大きな人口を持っているものの、比較的高価なテスラの商品を販売する際には「購買力」も考慮に入れる必要があり、そこで今回はトルコが選ばれたのかもしれません。

ちなみに2021年、トルコでは約4000台の電気自動車（EV）が販売されたといい、これは2020年の1600台からの大幅ジャンプアップ。

ここにテスラが参入することで「新たな選択肢」となり、大きな人気を博することも想定され、テスラにとって重要なマーケットのひとつとなる可能性もありそうです。

2021年のトルコにおいては、今のところガソリン車が主流だとされ、ベストセラーはフィアット・ティーポ（現地ではエギア）、そしてトヨタ・カローラ、ルノー・クリオという順になっていて、比較的コンパクトなクルマが好まれているようですね。

テスラは「スーパーチャージャー」の容量を拡大

そしてもうひとつのテスラのニュースとしては、スーパーチャージャーの充電能力が250kWhから324kWhへとパワーアップするというもの。

スーパーチャージャーとはテスラの専用充電器の名称であり、テスラは「自前」で充電設備を用意しているというところがほかの自動車メーカーとは決定的に異なります。

なお、このスーパーチャージャーについて、初期のV1では150kWh、現在のV2では250kWh、そしてV3では325kWhに達するわけですが、テスラいわくV4へのアップデートも迫っているといい、より大きな容量のバッテリーを、より速く充電できるということを意味します。

ちなみにこの325kWhというのは、800Vシステムにまで対応するというCCSチャージャーにも迫るものですが、ただ、現在のテスラ車のバッテリーシステムは400Vなので「オーバースペック」という感も。

しかし裏を読むならば「（今回のスーパーチャージャーのV3への移行は）今後、テスラには400V以上、つまり800Vシステムを採用したモデルが登場する」ということを意味しているのかもしれず、ウワサされる「4モーター」搭載のサイバートラックは800Vシステムを搭載するのかもしれません。

参考までに、既存EVで「800Vシステム」を搭載するのはポルシェ・タイカン等があり、しかしこちらは逆に「800Vシステム対応の充電器が少ない」ことが問題となっていて（800Vシステム対応の充電器でなくても充電はできるが、時間がかかる）、テスラは自前のスーパーチャージャーの容量を大きくすること、そして800Vシステム搭載のEVを発売することでさらなる優位性を築こうとしている可能性もありそうですね。

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