| 知らない間にどんどんマニュアル・トランスミッション車が生産中止になってゆく |
そしてMT搭載車の数が増えることは今後もないだろう
さて、現在世界中にてスポーツカー、そしてマニュアル・トランスミッション車の人気が高まりつつあるといいますが、そこには様々な背景があるように思います。
まずスポーツカーの人気の高まりについては、コロナウイルスのパンデミックによるロックダウンに関連して「クルマがストレス発散の道具」として使用される傾向が生じたこと、そしてF1はじめモータースポーツ人気の高まり、さらには思ったよりも急速に進む電動化によって、もう二度と「走りを楽しめる」クルマに乗ることができないということが関係しているものと思われます。
「MT人気」については、ガソリン車の消滅とともにマニュアル・トランスミッションも永遠に無くなってしまうので、ここから飢餓感が生じているんじゃないかと考えています(フェイクMTは多数登場すると思われるが、それらはフェイクであって実際のMTではない)。
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もうマニュアル・トランスミッションを持つハイパワー車は「ほぼ絶滅」
そこで今回カーメディアにて公開されたのが「2022-2023年において、300馬力を越えるマニュアル・トランスミッション車(スポーツカー)は16車種しかない」という事実。
そこまで少なくなったのか・・・と驚かされますが、フェラーリとランボルギーニは早々にマニュアル・トランスミッションを廃止し、マクラーレンはそもそもMTを作っておらず、ポルシェは「RS」系になるとPDKのみ、BMW M3やフォードもハイパフォーマンスバージョンではATのみ、そしてスバルもWRX STIの投入を中止したことからもいかにMTが希少であるかがわかりますね。
現在、北米で注文できるハイパワーMT車にはこんなラインアップがある
そこで「いま北米にて注文できる、300馬力オーバーのMT車」にはどんなものがあるのかを見てみたいと思いますが、まずはBMW M2(新型、数艇450馬力)、そして”コンペティション”スペックではないBMW M3とM4(480馬力)、キャデラックCT4-Vブラックウイング(479馬力)、キャデラックCT5-V(677馬力)、シボレー・カマロ(30-659馬力)、ダッジ・チャレンジャー(380~492馬力)、フォード・マスタング(314馬力~477馬力)、新型ホンダ・シビック・タイプR(推定330馬力)、新型日産フェアレディZ(406馬力)、ポルシェ718ボクスター/718ケイマン(300馬力~414馬力)、ポルシェ911(443馬力~550馬力)、GRカローラ(304馬力)、GRスープラ(387馬力)、フォルクスワーゲン・ゴルフR(320馬力)の16車種。
日本には導入されていないものもありますが、逆に(日本では)北米にて未導入のクルマも購入でき、ざっとそういったクルマを(思いつく範囲で)挙げてみるとストンマーティン・ヴァンテージ(510馬力)、ロータス・エヴォーラGT410(416馬力)、ロータス・エキシージ・スポーツ350(350馬力)、ロータス・エミーラ(405馬力)といったところも(これらのうち、どれが現在まだ注文できるのかはわからない。アストンマーティンは2022年にMT廃止、フォルクスワーゲンも2023年にMT廃止宣言を行っている)。
ちなみにですが、北米と日本はもともとAT比率が高いので、例えば欧州車で「本国にMT仕様がある」車種であっても輸入がなされないケースもあり、元来MTの選択肢は少ない国なのかもしれません。
ただ、日本では(法規等の関係で)アメリカには輸入されないニッチなクルマ(ケータハムなど)のMT車を選ぶこともできますが、それらについては(クルマの性格上)出力が300馬力に達しないので今回のリストからは除外となっています。
参考までに、自動車マーケット2位であるアメリカだと騒音規制に関しての計測方法がMTとATとでは異なるといい、MTのほうが(基準をクリアすることが)難しいとされ、排ガス規制についても「MT車ではクリアできない」ため、これまで用意していたMTをひっそりと生産終了とするケースも目立ちます。
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参照:Carscoops