| ベントレーはこれまでに3つの時代を歩んでいる |
ここまで希少なモデルを揃えて公開するとは太っ腹
さて、ベントレーが自社の工場敷地内に「ヘリテージ・ショーケース」を設置した、と発表。
ベントレーは今年で103年という長い歴史を持つ自動車メーカーで、これまでには様々なオーナーのもとを渡り歩いていますが、ここでは現在のフォルクスワーゲン傘下となってから発売したモデルだけではなく、ベントレーが始まって以来の歴史的モデルを展示し、34台のロードカー、そして8台のレーシングカーが工場訪問者に開放されているのだそう(すべての車両は公道走行が可能なコンディションにて維持されている)。
コレクションはベントレーの歴史を代表するモデルで占められる
なお、このヘリテージ・ショーケースはこれまでの展示スペースを大きく拡大したもので18ヶ月の拡張工事を経て完成し、ここからさらに展示施設が整備・拡張され、来年の夏には「1919年創業~1931年のクリックルウッド時代に製造されたモデル」「1931年~1939年のデルビー時代に製造されたモデル」は現在建設中の新しい展示室にて、そしてこのヘリテージガレージには現在のベントレー本社(クルー)にて製造されたモデルが展示されるようになる、とのこと。
つまり今後は「歴史の区切り」に応じた展示になると考えてよさそうですが、さらには8台のモータースポーツ・カー(ル・マン24時間レースを走ったスピード8、アイス・スピード・レコード、パイクスピーク・カー、現代のGT3レーシングカーを含む)については、さらに拡大される別の場所にて展示されることになるようですね。
ひとまず公開されたヘリテージ・ショーケースは、1930年代のレンガ造りの工場内にあり、以前は「プロジェクト・フォーラム」として、現代のコンチネンタルGT等が企画・開発されていた場所なのだそう。
ここは(現在の)工場の中心、そして社員の目に触れるロケーションを持ち、社外向けプレゼンテーションや社内向けブリーフィングのためのイベントスペースとしても使用されるとアナウンスされています。
今回の発表に際し、ベントレーにてヘリテージコレクションの責任者を務めるマイク・セイヤー氏によれば「コレクションを再構築し、ベントレーの歴史を完全に把握できるようになった今、私たちは重要なニューモデルを発表するたびにコレクションを追加していくことを約束します。例えば、このコレクションには、ベントレー初のプラグインハイブリッド車であると同時に、電動化に向けた当社の「Beyond100」戦略における重要な一歩となった2019年モデルのベンテイガ・ハイブリッドが含まれるようになりました。私たちが進化を続ける中で、お客様や社内のあらゆる分野のメンバーに対し、我々ベントレーの豊かな歴史を共有していただきたいと考えています。ヘリテージガレージはその歴史を鮮やかに蘇らせ、私たちの未来への道筋をつけながら、積極的に過去の歴史を参照できることを意味します」とのこと。
つまり、このヘリテージ・ショーケースは、単にクルマを集めただけではなく、ベントレーの変革を視覚的に感じ取ることができる施設になると考えてよく、ベントレーの顧客だけではなく、その社員、とくにこれから入ってくる人たちに対しても重要な役割を果たすことになりそうですね。
ベントレー・ヘリテージ・ショーケースにはこんなクルマが展示される
そして今回、ベントレーがプレスリリースにて紹介した内容によれば、「(創業者の)W.O. ベントレーが製造した2番目の車であり、世界で最も古いベントレーであるEXP2」、「2台のブロワー(うち1台は現存するベントレーの中で最も価値の高いチームカー#2)」、「1929年のスピードシックス、そしてW.O.ベントレーが2年間にわたり愛用した1930年の8リッター」が最大の見所なのだそう。
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そのほか「クルー工場で最初に生産されたベントレー・マークVI」、「1938年の4 1/4リットル」、「1952年のタイプRコンチネンタル」「1963年のS3ベントレー・スタンダードサルーン」「1984年のベントレー・コンチネンタル・コンバーチブル(会長専用車)」「1991年のターボR」「フォルクスワーゲン傘下となり最初に生産された2001年のアルナージ・レッドレーベル」といったものも。
なお、ベントレーの歴史は「エンジンとともにあった」と言っても過言ではありませんが、コレクションの中には「1959年に登場した、ジャック・フィリップスの設計によるアルミ製V8エンジン」「6.75リッターV8ターボ」「W12」「1950年代以降、はじめてのオールニューV8である2014年の4リッターV8」といったエンジンに焦点を当てた展示もあるもよう。
さらには2003年に発売され、「それまで年産1,000台程度だった」ベントレーを「年産10,000台以上の自動車メーカーへ」と押し上げることになったきっかけであるコンチネンタルGT(展示車両は生産1台め、車台番号200001)、ブランド初のSUVとなるベンテイガ(車台番号00001)といった展示もあるようですね。
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参照:Bentley