| ただし欧州やアジアパシフィックでは147日の納車待ち |
ただし「受注ペース」がわからない限りは素直にこれを喜ぶことはできない
さて、先日はテスラの「納車待ち期間が短縮された」という報道がなされていますが、今回さらにその期間が短縮され、納車待ちが「過去最短」を記録する可能性があるもよう。
これによると、2022年9月21日での推定受注残は全世界で31万7000台に減少しているといい、8月31日の38万5000台に比較しても大きく減少しています。
なお、この主な理由は中国・上海工場のアップグレード、そしてカリフォルニア州フリーモント工場の稼働率工場、新しく建設したベルリンとテキサス工場の稼働開始ということになりますが、長い納車待ちが恒常化していたテスラにとって、この数値は「ポジティブ」ということになりそうですね。
中国ではモデルによって「納車まで最短で7日」
この31万7000台という受注残は、現在の生産能力で単純に割ると「78日分」ということになり、しかしもちろん地域やモデルによっても差があって、中国だとなんと(モデル3、モデルYで)平均7日にて納車が可能。
ただし、同じ上海工場にて生産しているモデル3、モデルYであっても、欧州やアジア・パシフィック地域向けだと146日も待たねばならず、つまりこれは「中国国内の納車を優先している」ということを意味していそうです。
その理由について明言されていないものの、中国では現在多くのEVメーカーが存在し、納車を待たせると顧客がほかブランドに流れてしまうからだと思われ、よって中国向けの納車を最優先にしているのかもしれません。
I made changes to the calculation:
— Troy Teslike (@TroyTeslike) October 6, 2022
It takes Tesla 1 week to deliver cars. That's why the wait time never drops below 1 week. Therefore we should subtract 1 week from the wait time before converting it to units. In other words, 1 week wait time now means zero backlog.
Part 2/2 pic.twitter.com/cIWVD3uCin
やはり気になるのは受注状況
このままテスラ各工場での生産効率が上がってゆけば、納車待ち台数が24万台程度に減少し「過去最低」となる可能性もありそうですが、やはり気になるのはテスラの需要(受注)。
イーロン・マスクCEOによれば「需要は懸念事項ではない(注文はどんどん入ってくる)」とのことですが、需要が生産能力を下回るようなことがあれば一気にテスラの財政が悪化することも考えられ、やはり「1日に入ってくる受注の数と、1日に生産できる(している)台数」を知りたいというのが正直なところです(数値が公表されていないので知ることは難しい。推測は可能だが、正確性はかなり低い)。
ただ、テスラは今後「サイバートラック」の納車が控えており、そしてこの納車が送れた理由については「既存車種(モデルS、モデルY、モデルX、モデル3)の受注残が多く、まずはそれらを顧客に届けることが急務であり、それを差し置いてサイバートラックを作っている場合ではない」から。
そして今、順調に受注残が減ってきており、この状況であれば、すでに明言された「2023年からのサイバートラックの納車」を現実的な出来事として捉えることができそうですね。
加えて、今年に入ってからの度重なる値上げについて、「長引く納期を視野に入れ、納車されたときにはこのくらいの価格になっているだろう」というインフレ補正をかけた数字であり(テスラは受注を受けた価格で納車を行うため)、よって納車期間が短縮されればこういった値上げのペースが落ち着いたり、むしろ「値下げ」も見えてくるんじゃないかという意見もあり、今後の状況には注視したいと思います。
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参照:Troy Teslike