| 現代のフェラーリ、とくに296GTBを連想させる美しいスタイリングに |
このスタイルだと、フェラーリのエンブレムがなくともフェラーリに見えそうだ
さて、中国在住のカーデザイナー、zhiheng guoが「フェラーリ288GTOオマージュ」なるレンダリングを公開。
もちろんこれは同氏が独自に考案したもので、しかし文字通り、かの「288GTO」へのオマージュとして作成されています。
フェラーリ288GTOはグループB参加へのホモロゲーション獲得用として1984年に発表されており、搭載されるエンジンは400馬力を発生する2,855cc / V8ターボ(これが”288”の由来)。
ただしグループBは事故多発のために(288GTOが発表された頃には)カテゴリごと閉じられてしまい、よって288GTOはその参戦の場を失ってしまうことになりますが、それでも「モータースポーツ用に開発された車両のロードゴーイングバージョンが販売される」ということで大きな人気を集め、結果的に(ホモロゲーションを満たすには200台で足りたものの)272台が販売されることとなっています。
フェラーリ288GTOは「元祖」スペチアーレ
しかしながら、レースに参戦できなくとも、この「(とても公道で乗るようなシロモノではない)288GTOがフェラーリのエンスージアストに受け入れられたこと」はフェラーリにとって意外かつ重要な事実であったとされ、ここから「スペシャルモデルは一つのビジネスとして成立する」と捉えられることになり、後のF40、そしてラフェラーリ・アペルタにまでつながる一連のスペシャルモデルにまでつながっているわけですね。
-
グループB参戦のために誕生しながら戦う場を与えられなかったフェラーリ288GTO。もし実際に参戦していたら?
| フェラーリ288GTOは「参戦の場がなかった」悲運のスペチアーレ | もしもグループBが存続し続け、そこにフェラーリ288GTOが君臨し続けたら?というZoki Nanco氏によるレンダリングが登 ...
続きを見る
フェラーリ288GTOオマージュを見てみよう
そこで今回公開されたフェラーリ288GTOオマージュを見てみると、まずこちらは初期のレンダリング。
比較的エッジが効いたルックスを持ち、フロントフェンダーあたりにはF40の影響も垣間見えます。
そしてこちらはよる洗練されたデザインへと変更されつつある段階です。
フェラーリらしい優美なラインへと変更されていることがわかりますね。
そしてこちらが最終モデル。
フロント周りが「実用的に」なり、車体各部にてフラッシュサーフェス化が進む一方、Aピラー、そしてリアサイドウインドウとCピラーとの間に段差が設けられるなど生産モデルっぽく修正されています(フロントバンパーとフロントフェンダー/フロントフードとの間に継ぎ目も設けられている)。
現代のフェラーリ同様に「ヘルメットルーフ」を採用していますが、サイドに設けられたウイングレットなど新しいディティールも見られますね。
リヤ周りは力強いフェンダーにトンネルバックという「伝統」が反映され、テールランプやディフューザーは296GTBの発展版といった印象。
なお、フロントグリルが「最小」なのでEVなのかと思いきや、リアにはテールパイプが見られるので、内燃機関を積むという前提なのかもしれません。
いつも思うのですが、ポルシェであれば「カエル顔」、ランボルギーであればシザースドアやリアフェンダーの切り欠き、ワンモーションフォルムなど、「ポルシェであること」「ランボルギーニであること」を決定づける要素があるものの、フェラーリについてはそういった明確なディティールが存在するわけではなく、しかしそれでもフェラーリ各世代のモデルとも、そしてこういった第三者作成のレンダリングであっても「ちゃんとフェラーリに見える」のは面白いと思います。
そう考えると、フェラーリらしさというのは、一定の「形ある何か」ではなく、全く別の要素であるのかもしれませんね。
あわせて読みたい、フェラーリ関連投稿
-
エンツォ・フェラーリが承認した最後のGTレースカー「288GTOエボルツィオーネ」が競売に登場!製造されたのは5台のみ、のちにF40へとつながるフェラーリの歴史の一部
| まさかフェラーリ288GTOエボルツィオーネがオークションに登場する日が来ようとは | 今あらためて見ると、F40に繋がる要素を多々存在することがよくわかる さて、わずか5台しか製作されなかったフ ...
続きを見る
-
フェラーリ288GTOオマージュ、308系のレストモッド「グラントゥーリスモ」登場!価格は未定、ただし19台のみが生産されるもよう。288GTO開発者も設計に参加
| ボディパネルはフルカーボン、愛しのリトラクタブルヘッドライトも再現 | ドナーカーは308系、エンジンは308系の横置きから288GTO同様の縦置きに さて、2020年にフェラーリ308のレストモ ...
続きを見る
-
フェラーリ288GTO / F40の生みの親、ニコラ・マテラッツィ氏が83歳で亡くなる。ランチア・ストラトス、ブガッティEB110の開発や生産にも関わった生粋のカーガイ
| またひとつ、巨星墜つ | 思えば1970-1980年代は「大御所」が活躍した時代であり、またその土壌があった フェラーリF40生みの親とも言われるイタリアのエンジニア、ニコラ・マテラッツィ氏が8月 ...
続きを見る
参照:zhiheng guo