| ボクとしてはテスラの人気が下がっているのは間違いのないところだと思う |
ただ、それは競合の増加によってほとんどのメーカーに言えることだとも考えている
さて、現在多くの自動車メーカーがチップ不足、サプライチェーン問題、そしてコロナウイルスのパンデミックの結果として未だ続く経済的混乱に見舞われていますが、そういった中で非常によく検討しているのがテスラ。
チップ不足に早い段階にて対処し、サプライチェーン問題による影響も最小限にとどめていますが、これはテスラがソフトウエアまでを自社で開発していること(多くの自動車メーカーのソフトウエアは外注である)、そして自らを”臆病”と称するイーロン・マスクCEOの悲観主義に基づいた迅速な対応によるものだとされています。
そして実際のところ、テスラはいまだかつてないペースにて生産を増加させており、その納車待ち期間についても驚くべき”短縮”を見せているわけですね。
一方で需要の衰退も指摘される
その一方、ここ最近指摘されるのが「以前ほど人気がないのではないか」。
それを示す例として、まずは中国市場での「値下げ」があり、このインフレ状況の中で値下げを行うのは「売れていないから」なんじゃないかという指摘がなされています。
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実際のところ、中国におけるモデルYの納車期間は(直近で)7日まで短縮されており、これはどんどん受注残が解消され、作れば作るだけ在庫になるのではという予測もなわれているわけですね。
さらにテスラは「テスラからテスラへの買い替え」に対してインセンティブを出しており、そのうえ中国で生産した車両を他の国へと輸出する、というウワサも。
そうなると「中国で売れていない」「中国で作った車両が余っている」と推測されるのは当然の成り行きであり、現在のところ多くのメディアが「テスラは以前ほどの求心力を持っていない」という報道を行うことに。
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テスラは「受注が少ない」報道に反論
そして今回、中国地元メディアである「虎嗅(HuXiu)」がテスラの事情に詳しい情報筋の話として、中国におけるテスラの受注が予想以上に少ないことを指摘しており、具体的には、テスラがモデル3とモデルYの価格を引き下げて以来、ネット上で言及されていた10万~17万台の新規受注の受注があるという話に対し、「実は5万台しかない」と報じています。
この報道によると、モデル3はもはや中国ではかつてほどの人気はなく、テスラの店舗では来客数が減少しており、テスラの中国法人は近いうちに再び値下げを行う可能性が高いとまで指摘。
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そしてテスラはこの虎嗅の報道に対し「それは事実ではない」と反論しており、しかし受注台数に関する情報については言及していないので「事実はわからないまま」。
実際に中国におけるテスラの需要が減っているかどうかを客観的かつ正確に判断することは非常に困難ですが、これについては年明けに行われるであろうテスラからの決算報告を待つしかなく、ひとまずは「静観」を決めるしかないのかもしれませんね。
なお、ぼくとしてはテスラの(中国での)人気が下がっているのは事実だと考えていて、しかしそれよりもさらにメルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、フォルクスワーゲンのEVの需要のほうが「大きく下がっている」とも捉えており、現在は中国のEVメーカーの台頭に既存自動車メーカーが苦しめられているという状況だと理解しています。
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参照:Teslarati