>日産/インフィニティ(Infiniti) ■新型車・スパイフォト・ウワサなど

GT-R後継モデルがついに動き出す?ニスモ社長が「10年以内に、NISMO専売となるエキサイティングなハイブリッドスポーツを投入」とコメント。完全電化GT-Rまでの代替モデルか

2022/12/02

GT-R後継モデルがついに動き出す?ニスモ社長が「10年以内に、NISMO専売となるエキサイティングなハイブリッドスポーツを投入」とコメント。完全電化GT-Rまでの代替モデルか

| このGT-R代替モデルには、フォーミュラEやE-4ORCEからの技術が投入されることを期待したい |

ただしおそらくは現行R35 GT-Rの「大幅改良」程度に留まるんじゃないかと予想

さて、現在は排ガス規制、衝突安全に関わる規制によって、世界中で販売の機会が絶たれている日産R35 GT-R。

後継モデルについてもなんどか話があがっているものの、未だ不透明な状況が続いていますが、今回は英国AutocarがNISMO社長、片桐隆夫氏の弁として「10年以内に、NISMO専売のスポーツカーを発売する」可能性について言及したことを紹介しています。

なお、ニスモは2022年4月にオーテックとの経営統合がなされて新しい態勢に移行しており、この新体制下にて、なんらかの動きを見せてくれることになりそうですね。

ニスモ
4月から新会社に格納されたニスモ(NISMO)!今後は「日産グループの継続的成長に貢献する重要な役割を果たす」ことになりEVにも注力してゆくと発表

| EV時代のハイパフォーマンスカー、そしてカスタム/チューニング市場は今とは異なるものとなるだろう | EV時代到来の前に、新生NISMOは新型フェアレディZのハードコアモデルを投入しそう さて、4 ...

続きを見る

ニスモの新型スポーツカーは「ハイブリッド」

今のところ(10年以内という長いスパンでの話なので)この新型スポーツカーについては確たる情報はないようですが、報道によれば「非常にエキサイティング」「ハイブリッド」「日本、欧州、英国、米国で販売される予定」「GT-Rの間接的な後継モデルもしくは代替になる可能性が高い」とのこと。

現在スポーツカーを取り巻く環境、そしてこれからのスポーツカーに求められる要件は非常に流動的であり、というのもスポーツカーの核となる軽量性を実現できるかどうかは「次世代バッテリー」にかかっていて、多くの自動車メーカーが現在のリチウムイオンバッテリーでは、求める軽量性を実現できないと考えているため。※次世代バッテリーの実用化を待っている状態であり、これが実用化できないと動けない

日産が2022年モデルのGT-Rニスモ、そして特別仕様車「NISMO Special edition」先行公開

そしてこれは日産も同様であると考えてよく、かつて日産の重役が「パフォーマンスを重視するクルマは、次世代バッテリーつまり全固体電池(ソリッドステートバッテリー)を使用すべきである」、と語ったことも。

ただ、このソリッドステートバッテリーの実用化は「早くとも」2028年だとされるので、日産はそれまでGT-Rを販売できないままとなってしまい、フェアレディZのみでスポーツカー市場を生き抜かねばならないということにもなってしまいます。

日産が全固体電池(ソリッドステートバッテリー)実用化に向けて前進!試作設備を公開、さらに2024年にパイロット施設を設置、2028年には実用化を目指す
日産が全固体電池(ソリッドステートバッテリー)実用化に向けて前進!試作設備を公開、さらに2024年にパイロット施設を設置、2028年には実用化を目指す

| 今の段階でも各社とも「ソリッドステートバッテリーの実用化が想定よりも遅れている」状態 | いったいどこが「記念すべき第一号」となるのか さて、現在の電気自動車に使用されるバッテリーは主に「リチウム ...

続きを見る

そうなると日産は「フラッグシップスポーツを持たない」状況に置かれるためブランディング的に不利になり、よって「ソリッドステートバッテリーを積んだ、新型GT-R」が登場するまでの”つなぎ”として、今回話題となったNISMO専売車を発売するのかもしれません。

ただ、日産は早い段階からEVを販売してきたパイオニアであり、現在もフォーミュラEに参戦しているという強みを(ハイブリッドといえど)ここで発揮できることは間違いなく、さらにこの「新型ハイブリッドスポーツ」の存在を改めて”今後の日産の戦略を推し進めるための牽引役として”使用することもできるんじゃないかとも考えています。

おそらくは現行GT-Rの改修版?

そこでこの「ニスモ専売の新型スポーツカー」について考えてみると、これはおそらく現行R35 GT-Rのプラットフォームを大幅改修したクルマになるんじゃないかと予想。

遅かれ早かれ時代は「ピュアエレクトリック」へと移行し、EUはじめ多くの国や地域では2035年から(ハイブリッドであっても)ガソリンエンジンを積むクルマの販売ができなくなり、そういった余命宣告がなされているクルマのために新規プラットフォームを開発する可能性は非常に低いと考えているためですが、実際に日産は新型フェアレディZのにおいても新型プラットフォームを採用せずに先代と車体を共有していて(よってコードネームはZ34のまま)、ガソリンエンジン搭載車にかけるコストを最小限に抑えたいと考えているのだと思われます。

EU議会が「2035年にガソリン禁止」という最終合意に至る。年産1万台以下のメーカーでも2036年にはガソリン禁止、1,000台以下だと当面は無罪放免
EU議会が「2035年にガソリン禁止」という最終合意に至る。年産1万台以下のメーカーでも2036年にはガソリン禁止、1,000台以下だと当面は無罪放免

| 現時点での販売台数だとフェラーリは2035年、ランボルギーニとアストンマーティン、マクラーレンは2036年にはEUでガソリン車を販売できない | ただ、この1−2年で世界の電動化が急速に加速してお ...

続きを見る

一方で日産は次世代EV向けプラットフォームには多額の投資を行っており、現在開発中のCMF-BEVアーキテクチャはEV専用だとされるのでこの新型ハイブリッドスポーツに使用することはまず難しく、その観点からしても、やはり新型ハイブリッドスポーツは「既存プラットフォームを」使用したクルマになると考えるのが妥当かもしれません。

日産がマイクラ(マーチ)後継となるピュアEVをプレビュー!ルノーの工場で作られアルピーヌとも兄弟となることが明らかに。もしかすると「ホットハッチ」の誕生に?
日産がマイクラ(マーチ)後継となるピュアEVをプレビュー!ルノーの工場で作られアルピーヌとも兄弟となることが明らかに。もしかすると「ホットハッチ」の誕生に?

| ルノー・日産・三菱アライアンスが発表したロードマップはトヨタを強く意識しているようにも思える | うがった見方をすれば、それは株価対策だとも言えそうだ さて、日産が「ルノー・日産・三菱アライアンス ...

続きを見る

さらに日産は「現行GT-Rのプラットフォームはまだまだ現役続行可能である」ともコメントしたことがあり、諸々の事情を勘案するに、やはりニスモの新型スポーツは「GT-Rの改良版」となりそうですね。

NISSAN R35 GT-R NISMO
次期GT-R(R36)は2027年まで登場しないだろうという報道。日産「現行GT-Rのプラットフォームは20年改良なしでも通用する」

| 様々な情報を総合的に考えると、どうやら本当にそうなりそうだ | 日産R35GT-Rは2007年に登場しており、すでに齢12年を数えますが、ここ最近、チョコチョコとモデルチェンジのウワサが聞こえてく ...

続きを見る

やはり問題となるのはユーロ7

ただ、ここで問題となるのは今後導入されるユーロ7(先日規制案が議会に提出された)で、この内容をざっと見ると「マイルドハイブリッド」ではまず生き残ることができず、現行GT-RにISGを組み込んだ程度では必然的にこれに対応できないと考えられるため、よってPHEV、それもかなりエレクトリック化の度合いがヘビーな構成としない限り、この先販売を継続することは難しそう。

そしてPHEV化によって増加する重量を削ろうとなると、現在のトルクスプリット4WDシステムを見直し、フロントをエレクトリックモーター、リアをガソリンエンジンで駆動するといった方法が妥当だと考えられます(フロントエンジンのためプロペラシャフトが残るので、あまり軽量化は期待できないが)。

しかしながらこの手法で大きくパフォーマンスを向上させることができるとは、そしてライバルに先んじることができるとは考えにくく、しかし価格は大幅に高くなってしまうため、正直売れるかといえばそれはかなり疑問であり、やはりソリッドステートバッテリーを積んだ次世代GT-Rまでの過渡的な、そして日産の電化技術をアピールするだけの存在となってしまうのかもしれませんね(なんとかガソリンエンジンとE-4ORCEを組み合わせることができれば逆転の目がありそう)。

未来の日産GT-R、Nissan GT-R (X) 2050

あわせて読みたい、日産関連投稿

映画「グランツーリスモ」が日産R35 GT-Rとともに撮影開始!GTアカデミーへの参戦と勝利、そしてレーシングドライバーとしての成長が描かれることに
映画「グランツーリスモ」が日産R35 GT-Rとともに撮影開始!GTアカデミーへの参戦と勝利、そしてレーシングドライバーとしての成長が描かれることに

| グランツーリスモだけに派手なスタントやカーチェイスはおそらく描かれず、ヒューマンドラマが中心になるものと思われる | そしてもちろん、日産以外にも多くの自動車メーカーがスポンサーとして名を連ねるこ ...

続きを見る

元ブガッティ、ケーニグセグのデザイナー「愛車は日産R35 GT-R。ヴェイロンの90%の性能で価格はわずか3%。これしかない。最高だ」
元ブガッティ、ケーニグセグのデザイナー「愛車は日産R35 GT-R。ヴェイロンの90%の性能で価格はわずか3%。これしかない。最高だ」

| サシャ・セリパノフ氏は昔ながらのデザイン手法によって深くクルマに関わりたいと考えるデザイナーだった | そしてそのクルマの存在意義、目的を重要視している さて、かつてクルマのデザインというと著名な ...

続きを見る

日産R35 GT-R 50 by イタルデザインの売り物件がまた登場!なおGT-R 50は今年7月に受注を終了、予定台数の50台が完売したのかどうかはナゾのまま
日産R35 GT-R 50 by イタルデザインの売り物件がまた登場!なおGT-R 50は今年7月に受注を終了、予定台数の50台が完売したのかどうかはナゾのまま

| やはりGT-Rに対してこの価格は(いかに特別感があったとしても)高すぎたのかもしれない | しかしながら長期的に見ると価値を上げるのは間違いなだろう さて、先日は鹿児島県よりまさかの売り物が登場し ...

続きを見る

参照:Autocar

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->日産/インフィニティ(Infiniti), ■新型車・スパイフォト・ウワサなど
-, , , , ,