| これら18Kゴールドのパーツは環境負荷を考慮し「リサイクル」にて作られるそうだ |
将来的にベントレーは貴金属の拡大採用を検討しているようだ
さて、ベントレーが103年ものベントレーの歴史の中で最速を誇るコーチビルドクーペ「バトゥール」のインテリアに、自動車業界としてはじめて”3Dプリントによる純金パーツ”を採用したと発表。
これは「アディティブ・マニュファクチャリング」(AM)技術によるものだとアナウンスされており、最大210gの18Kイエローゴールドが追加されることになるもよう。
ちなみに現在の金価格はgあたり8,700円なので、210グラムだと素材だけで1,827,000円ということになりますね。
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ベントレー・バトゥールのこんなところに金が使用される
このベントレー・バトゥールはわずか18台の限定生産で、そのすべてがすでにマリナーを通じて顧客へと1台165万ポンド(現在の為替レートで約2億8000万円。税およびオプションを除く)で販売されていますが、オプション扱いとなる3Dプリントされたゴールドは、スタート/ストップ・ボタン、ドライバー・モードの変更に使用されるカリスマ・ダイヤルなど、ドライバーの重要なタッチポイントに使用されている、とのこと。
これらパーツを作成するに際し、ベントレーは(ジュエラーの)クックサン・ゴールドとの共同にて作業を進めたとのことですが、このゴールドは(サステイナブルを重要視するベントレーらしく)古いジュエリーから100%リサイクルされたものだといい、まずは粉末状に粉砕された後に3Dプリントされることに。※貴金属は採掘や生成の段階で相当量のCO2を発生する
なお、リサイクルを行うのは新しい貴金属の採掘によって環境負荷が生じないようにするためで、より持続可能な未来に対するベントレーのコミットメントを反映し、2030年までにエンドツーエンドでカーボンニュートラルを実現するという同社の「Beyond100戦略」に沿ったためだということもアナウンスされています。
バトゥールに使用される3DゴールドパーツはすべてCADモデルを使用してデジタル設計され、レーザー溶融プリンターによる印刷工程を経て製造され、その後に熟練したジュエラーが伝統的な技法を用いて手作業で仕上げを行い、さらにその後にベントレーにふさわしい光沢と品質を与えているそうですが、これらゴールドパーツには、バーミンガムのジュエリークォーターでホールマークが付けられ、素材が本物であることが証明されるほか、2022年に製造されるすべてのパーツには、故エリザベス女王2世のプラチナ記念日を祝うジュビリーホールマークも付けられるとのことなので、様々な付加価値が付与されるということになりますね。
ベントレーは3Dプリンタに多額を投資
なお、ベントレーは今年2月、自社のクルー工場におけるAM(アディティブ・マニュファクチャリング)生産能力を倍増させるために300万ポンドの追加投資を行い、3D CADモデルを物理的なパーツに変換するための設備を導入していますが、将来的には、3Dプリントされたゴールドをさまざまな新世代モデルに使用するという先駆的な試みも含め、より少量生産のコンポーネントや顧客ごとのパーソナライゼーションを促進することが可能となるともコメントしており、いっそうのカスタマイゼーションの幅が広がるのかも。
ちなみに今回バトゥールに採用される「金」はどこからリサイクル元の素材を調達しているのか明かされていないものの、ベントレーの顧客だと「使っていない」ゴールドアクセアリーを大量に持っている可能性もあり、そういった「顧客自身の」貴金属をリサイクルしたりすると面白いんじゃないかと思ったりします。
今回の試みに際し、ベントレーにて研究開発担当役員を務めるマティアス・レーブ博士は「ベントレーのアディティブ・マニュファクチャリングに対するアプローチは業界をリードしており、それはバトゥールの設計および開発プロセスにおいて高級金属を先駆的に使用したことからも明らかです。主な利点の1つは、効率性を重視し、無数のジョブのコストと複雑さを削減しながらも、希少資源の価値を維持することができる点です。ベントレーがエキサイティングな未来を迎えるにあたり、私たちは高度で革新的な技術に大きな可能性を見出しています。3Dプリントゴールドのようなプロセスは、お客様がパーソナライズする能力をさらに高め、すべてのクルマに提供される個性化プログラムをさらに充実させるための足がかりとなるでしょう」とコメントしており、ベントレーはハイエンドブランドでしかなし得ない手法にて、様々なサステナビリティを追求してゆくことになりそうですね。
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参照:Bentley