| やはりフェラーリ・プロサングエはとんでもなくいいクルマであるようだ |
ただし現在は2年分のオーダーブックが埋まっており、いったん受注が締め切られている
さて、フェラーリ初のSUV、プロサングエの試乗レポートが解禁され、各カーメディアが一斉にその内容を自社サイト、そして動画をYoutubeへと公開しています。
ちなみにこのプロサングエはすでに受注が締め切られていて、つまりは「(2年分が)完売」となっているわけですが、要は「どのメディアも試乗レビューをアップしないうちに売り切れてしまった」ということになり、これら試乗レビューが”購入の参考のために”閲覧されることはすでにないわけですね。
参考までに、フェラーリの前CEO、アメデオ・フェリーサ氏は「カーメディアが我々のクルマをどう評価しようが気にしていない。なぜなら、彼らにキーを渡す前に全生産予定台数が売り切れたとしたら、彼らに試乗させることにはほとんど意味がないからだ」と話したことも。※ただし同時に、フェラーリのオーナーは、フェラーリのクルマに対する好意的なレビューや評判を目にするのが大好きだとも語っている
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フェラーリ・プロサングエはこんなクルマ
そこでこのフェラーリ・プロサングエを振り返ってみると、これはフェラーリ初のSUV(しかしフェラーリはこのクルマをSUVと呼ぶことを頑なに拒否)であり、ランボルギーニ・ウルスやアストンマーティンDBX、ポルシェ・カイエン、ロールス・ロイス・カリナン、ベントレー・ベンテイガといったライバルに比較すると、「スポーツカー的でスタイリッシュな」デザインを持つクルマです(V12、観音開き、そして価格という点ではカリナンがもっとも近いが、その性格はプロサングエとはもっとも遠いところにある)。
ただしこれらとの大きな相違は「自然吸気」V12エンジンを持つこと、そしてトランスアクスルレイアウトを採用していること、さらに観音開きドアを持つこと。
トランスアクスルレイアウトに関してだと、前後重量配分を改善できるものの後席スペースが狭くなる等のデメリットがあり、よって「室内空間を最大化すること」が大きな命題であるSUVがこれを採用することはまず考えられず、しかしフェラーリがこれを採用したことの意味はかなり大きいと考えています。
そして、その観点からすると「フェラーリはけしてSUVを作ろうとしたわけではない」と捉えることもでき、同社が「プロサングエをSUVと呼ばない」ことにも納得が行くというものですね。
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各カーメディアはフェラーリ・プロサングエをどう評しているのか?
そこで各カーメディアのフェラーリ・プロサングエへの評価をまとめてみると、まずモータートレンドは「高回転時のサウンドが素晴らしい」。
一方でカー・アンド・ドライバーは「音が抑えられており、アフターマーケット製のエキゾーストシステムを取り付けるオーナーが増えるかもしれない」と語っていて、サウンドについてはその評価が分かれるもよう。
ただ、このプロサングエは「日常的に乗られる」ことが多いと思われ、となるとあまり大きな音が出ると困るオーナーもいるかも知れず、そういった配慮からややエキゾーストサウンドが抑え気味なのかもしれません(そして、それを好意的に受け止めるオーナーも多いはずだ)。
使い勝手の部分だとステアリングホイール上のボタンの多さやインフォテインメントシステムの「扱いにくさ」、小さめのトランク、太いCピラーによる視界の悪さなどいくつかの不満があるようですが、これらは多かれ少なかれどのブランドのクルマにも存在するものかもしれません。※懸念となっていたエアコンの操作スイッチについてはあまり言及しているメディアがないようだ
一方でそのドライビングダイナミクスについてはトップギア、オートカー、モータートレンドといった大御所が両手を挙げて絶賛しており、車高が上がり、重量が増えたにもかかわらず、フェラーリらしさが微塵も失われていないとコメントしています(ただし、もちろんフェラーリのスポーツモデルほどクイックなハンドリングではない)。
加えて乗り心地に関しても高い評価が下されており(もともとフェラーリは望外に優れる乗り心地を持っている。信じられないかもしれないが)、後部座席の居住性についても「かなりいい」ようですね。
そしてカー・アンド・ドライバーは「おそらくプロサングエの購入者は、ほかのフェラーリ、たとえば296GTBを別途購入してスポーツ走行を楽しむことができるだろうが、もしあなたがフェラーリを一台しか買うことが叶わないのであれば、プロサングエがその一台であるべきだ」とまで述べています。
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