| F1マシンの高額落札ランキング上位はすべてフェラーリ、そしてシューマッハのドライブによるものである |
そして今回のF2001Bもまた、上位にランクされるのは間違いない
さて、ここ数年、ミハエル・シューマッハがドライブした数台のF1マシンが落札され、そしてF1マシンとしての落札額記録を更新してきましたが、今回もまた新たなマシン(F2001B)がオークションに登場予定。
このF1マシンは2002年F1世界選手権の最初の3レースでドライブされた個体で、シューマッハはこのマシンにて2002年オーストラリアGPを制し、わずか2週間後のマレーシアGPではフェラーリ通算150回目のポールポジションを獲得しています。
フェラーリF2001Bはもっとも成功を収めたF1マシンのひとつ
このフェラーリF2001(とF2001B)は、先代であるF1-2000とギアボックスや内部レイアウトを共有するなど多くの共通点を持っていることが特徴のひとつ(それだけF1-2000が優れていたということになる)。
7速トランスミッションを介して後輪を駆動するのは3.0リッター自然吸気V10エンジン(最高出力は約825ps/17,300rpm)で、当時のF1マシンの車重が現在のF1マシンより200kg軽い600kgであったことを考えると、相当なパンチを持っていたであろうこともわかりますね。
ただしこのF2001/F2001Bはレギュレーションである600kgよりも軽く仕上がっており、よって(レギュレーションにマッチさせるための)ウエイトを積むことになりますが、このウエイトの位置調整によってマシンのバランスを向上させることができ、これも高い戦闘力を誇った一つの理由。
なお、ミハエル・シューマッハが真に偉大であった事例の一つとして「マシンの開発力」が挙げられ、マシンに対する深い理解を持ち、適切なフィードバックを行うことでより優れたマシンを作り上げることが可能になったと言われています。
加えて自らチャレンジを行って見せることでチームの限界を引き上げ、チームメンバーのモチベーションを向上させたということもよく語られる事実ですね。
フェラーリF2001Bのディティールはこうなっている
そこでこのフェラーリF2001Bの細部を見てみると、シャシー構造はハニカム構造を持つカーボンファイバーモノコック、フロント/リアサスペンションはプッシュロッド式ダブルウィッシュボーン。
シートはスケドーニ製ですね。
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すでにこの時代からステアリングホイールにはスイッチ類がびっしり。
なお、F2001は2001年シーズンにおいて前年同様にコンストラクターズ/ドライバーズ両方のタイトルを獲得しており、シーズン終了を待たずしてこれらタイトルを獲得するという圧倒的な強さを誇っています。
そしてフェラーリは(2002年まで)毎年新しいF1マシンを開発しレースに投入していたものの、F2001の競争力の高さから「2002年序盤もこのF2001で戦える」と考え、小規模アップデートにて2002年のレースに投入されたのがF2001B。※2001年シーズンの最終戦でも(テストのためか)F2001Bが走っている
そして上述の通り3戦を戦った後にブランニューモデルとなるF2002へとバトンタッチすることで現役生活を終了しています。
今回のオークション開催に際し、RMサザビーズは予想落札価格(エスティメイト)を公表していませんが、昨年に出品された「ミハエル・シューマッハがレースで5勝、3回のポールポジション、2回の表彰台を獲得した」F2003は1,480万ドルで落札されたという記録も。
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となるとこのF2001Bは(出走回数が少ないので)1勝しかしておらず、F2003ほどの高値はつかないかもしれませんが、1000万ドル(約14億円)には達するかもしれませんね。
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参照:RM Sotheby's